挑戦者の未来を紡ぐサポートを。ベンチャーキャピタル広報 下平江莉

途絶えた夢を手放さず、ギャップイヤーを取る決断をする

ーそこから、スタートアップやベンチャーキャピタルの世界へ進んだのでしょうか?

後々社会人になってから、ご縁があって進むことになったのですが、その前にまずは留学があったので、短期・長期インターンシップなど就活の準備も進めながらも、留学の準備を進めていました。

そして、これまでの準備や勉強の甲斐もあって、無事派遣留学に必要なスコアを獲得し、1年間の交換留学に合格。そして、やっと留学だ!と思っていた矢先、国際テロが海外で勃発しました。

私が合格していた大学周辺の国も影響を受け始めていたので親も心配をし始め、予期せず留学を断念せざるを得ない状況になってしまいました。しかし、ずっと掲げていた目標の一つだったので、もしこのまま目標を諦めて就活をしてしまったら絶対に後悔することになる……と思い、思い切ってギャップイヤーを取ることを決意したのです。

ー留学の方法探しとインターンシップ、そして就職活動……多忙な生活を送っていたのですね。

その頃は、ラジオのパーソナリティの活動や海外渡航をする国際交流プロジェクトにも参加しており、色々なタイミングが重なっていたときだったので、特に忙しくしていたと思います。

ただ、そんなときでも、一つひとつの活動に対して「この活動から何を学んで、どうつなげていきたいのか?」ということを意識して大切にするようにしていました。そうすると自然と、忙しくても苦にならなかったですし、今までの経験一つひとつが結ばれて線になってく感覚があり、頑張れました。

ーその後、留学へは行けたのでしょうか。

残念ながら1年間の留学はできなかったのですが、大学の先輩に教えてもらった海外プログラムに応募をして、最終選考まで残ることができ、留学費用の半額を免除いただくことになり、数カ月間、行きたかった国へ留学ができることになりました。

長期期間海外の大学で学ぶという目標は果たせなかったのですが、実際に海外で暮らしながら、現地の文化に触れて、現地の人たちと交流することで視野を広げるという目的は、少なくとも叶えることができたと思います。

また、後日談なのですが、先日社会人になってから大学のゼミのOBOG会が開催された際に、ゼミの教授とその話になり、長期の留学に行かなかったからこそ体験できたことや、つながった今があるので、その選択になったことに後悔はしていないが、それでも少し残念だったと思うときが今でもある。という話をしました。

そのゼミの教授は社会人経験後に留学をした後に教授になったので、「留学は、いざとなったら大人になってからでもいつからでもできるから」と背中を押していただき、どんな選択肢にも挑戦し続けられる人でいたいと改めて思いました。

ー数々の経験を経て、自分の意志や目標はより明確になっていきましたか?

そうですね。これまでの経験から学んだことは、失敗してもいいから、まずは実際に行動してみること、挑戦してみることの大切さです。

まだ実力不足だから、失敗したくないから……と行動することに億劫になってしまうことももちろんあると思うのですが、まずは一歩づつからでもいいから興味があることを「学んでみる」「行動してみる」「参加してみる」など、その世界に入ってみる一歩が大切です。

行動してみたからこその新しい経験やめぐり会えたご縁があり、そのおかげで今の自分があると思っているので、まずは一歩踏み出してみること、そして、そこから何を学び、どうつなげていくかが大切なのかもしれないということを学びました。

それに、それらの様々な活動を通して、自分の経験を今後どうやって活かせば良いのか考えるきっかけが増えたからこそ、いろんな選択肢が見えてきたのだと思います。自分の興味の矛先が明確になり始めたのがこの頃でした。