挑戦者の未来を紡ぐサポートを。ベンチャーキャピタル広報 下平江莉

missJAPONとしての活動を通して、日本文化の伝播継承と国際交流を深める

ー大学ではどのような活動をされていたのでしょうか。

大学では、もっと海外の価値観や文化などを通して、物事をグローバルな視点で学べるところに身を置きたいと考え、まずは留学がしたいと思い、英文学科を選びました。

また、自分が興味のあることを見つけて邁進することが出来た経験を経て、大学生になってからも自分が熱中して邁進できるなにかを見つけたいと思っていたのと、修学旅行での経験もあったので、一瞬一瞬、悔いのないように過ごしたいと思う気持ちが強くありました。

大学の授業で、とある映画を観た際、その中で「Seize the day(今をつかめ)」という言葉を学び、その言葉がとても心に刺さったのを今でも覚えています。

ー大学進学後、どのように過ごしていたかお聞かせください。

大学1年生の頃は、まずは目標に掲げていた留学に向けての準備をしていました。そんな矢先、友達がFacebookでいいねをしていた「missJAPON」という「世界で咲き誇る大和撫子へ。」をコンセプトにした、“きもの”を通じた人づくり教育事業、着物モデル・大使(アンバサダー)のミスコンのオーディションが目に留まりました。

もともとファッションがすごく好きだったのと、なにより修学旅行での経験や茶道部での経験を通して、これまで興味をもっていた海外文化だけでなく、自国の日本文化についても改めて興味をもち始めていたこともあり、この活動が日本文化に触れるとてもいい機会になるのではないかと思い、試しに応募してみることにました。

ー具体的にどのような経験でしょうか。

海外に行くと海外の文化について触れる機会が増えるだけでなく、「日本の文化はどうなの?」と尋ねられることがとても多かったのですが、上手く説明ができない自分に気づきました。

それらの経験を通して、海外の文化については積極的に学んでいるけれど、それだけでなく自国の文化についても、もっと深く知る機会を作りたい。もし留学をするなら、まずは自分の国の文化について知る必要があると思ったのです。

もともと日本の文化に親しみはありましたし、文化祭では浴衣を着てお点前をする機会もあったので「きもの」や「和の文化」には、とても興味がありました。

もうひとつ、日本文化に興味をもった理由は、「カルチャーにはそれぞれのストーリーや歴史があり、それは私たちひとりひとりのアイデンティティをも形成している」ということに、様々な文学や映画を観たり、各国の文化について学んだりしていく中で気づいたからです。

そして、その中で自分を形作っている「日本の文化」についても興味をもち始めました。他国の文化について触れる機会が増えたからこそ、自国の文化についてこれまでより、より一層興味をもったのです。

そして、missJaponの活動はまさに、日本の文化についてより深く知るとても良い機会だと感じたので、これだと思い応募しました。

ーmissJaponでの活動について教えてください。

地元のイベントから大型ファッションショー、ワールドカップのオープニングセレモニー、各国の大統領が集まるサミットなどの国家間行事など、幅広い場面で活動させていただき、普段ではなかなか経験できないようなとても貴重な経験をさせていただきました。

特に印象深かった経験のひとつは、アフリカ会議(TICAD)という、アフリカ各国の大統領や重鎮の方々が横浜に一堂に会する会合です。そこで、エリトリアを表現したお着物を着させていただいて、エリトリアの大統領にお披露目させていただく機会をいただきました。

そのお着物の柄には、エリトリアを象徴するものがたくさん詰まっているのですが、それを見た大統領が「とても感動しました。我々の国を象徴するものがたくさん詰まっていて見ていてとても楽しいです。ぜひこの着物を着て私たちの国に遊びに来てください」といってくださいました。

実際にその国の大統領に見ていただけたことはとても感動的で、感慨深い経験になりました。他にも総理官邸にて首相に直々にお着物を披露する機会をいただいたり、ラグビーW杯(ワールドカップ)のオープニングセレモニーに参加させていただいたり、憧れていたファッションショーのオープニングのステージを歩かせていただいたり、本当に数々の貴重な経験をさせていただきました。

ー着物を通して海外の方との交流が行われていたのですね。

そうですね。お着物をただ着るだけでなく、そのお着物が表現している国のことをよく知ったうえで「この柄は、この国の伝統のこういうものを表現しているんですよ」とか、「作者はこういう意図や想いでここにこういう柄を入れているんです」といったように、そのお着物のコンセプトや作者の思い、柄や素材なども踏まえてお話をすることで、より深いお話や交流をすることができました。

社会に出て何をしたいのか自問自答し始める

ーその他、大学時代に印象的だった出来事はありますか?

同じ着物モデルをしていた友人に、「人生が変わったから絶対参加したほうが良いよ!」と背中を押されて参加した「G1 college」が強く印象に残っています。

グロービス主催の「G1 college」では、全国から選考や推薦で選ばれた活動的な大学生が集まり、各界の著名な方々の話を聞いたり、様々なテーマについてグループでディスカッションをして発表し合ったりするのですが、そこで普段会うことのなかったような、多種多様なバックグラウンドをもっている同世代の人たちや、個性豊かで活気のある同世代の人たちと交流することができました。

また、G1 collegeに参加、運営をしていた学生たちの中には、スタートアップやベンチャーキャピタルでインターンをしていたり、起業していたりする子たちも大勢おり、このイベントへの参加が、スタートアップやベンチャーキャピタルを知るきっかけにもなりました。

他にも、グローバルリーダー相互育成プログラムや国連協会主催の模擬国連ユースフォーラム事務局運営委員、Campus CollectionCROSS FM学生ラジオパーソナリティなど、限りある学生でいられる時間の中でできる限り様々な学びの機会や出会いに巡り合えるようにと足しげく動いている中で、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。

そして周りを知り、自分を知り、自分がなにがしたいのか?なにができるのか?を走りながら考えていました。

何より圧倒的な行動力や推進力、巻き込み力をもって、自分と変わらないような同世代の子たちが、すでに “自分ならではの価値” や、 “やりたいこと” を見つけて行動している、創り上げている姿を見て刺激をもらい、私も頑張ろう!と、とても背中を押されたのです。

また、その中でとても感銘を受けたのは、 “自分ならではの価値” をもっていると、その価値をもって周りの人たちを助けることができる。そして、そういう人たちが集まって “新たな価値” が生まれていく。

まさにそんな光景を見て、「私がしたいこと、なりたい姿はこれなのかもしれない」と気づき、「これなら役に立てる、という自分なりの価値を探してみよう」「心からワクワクできて、夢中になれるものを極めて、人の役に立てるようになりたい……」「 “自分なりの価値” を見つけたい」そう思い、それは何なのかを様々な活動やインターンシップ、就職活動などを通して探していたのだと思います。

ー幅広く活動していたからこその産物ですね。

ベンチャーキャピタルやスタートアップとの出会いでいうと、G1 collegeの影響ももちろん大きいですが、それからベンチャーキャピタルやスタートアップなどが運営するイベント「登竜門」や「Slush Tokyo」などの運営に携わらせていただいたのも大きかったです。

今はまだない新しいサービスや事業を創ろうとしている起業家や、その起業家を応援するベンチャーキャピタリストを含め、スタートアップエコシステムやそこで挑戦している人たちにとても感銘を受けたのを今でも覚えています。

また、彼ら彼女らのように、誰よりも当事者意識をもって行動して、挑戦している人たちと出会う中で、「私は社会に出てから何をしたいのか?」ということを、改めて意識して考えるきっかけにもなりました。