その人の役割や居場所を感じられるような場所を作っていきたい
ー川邊さんが今後挑戦してみたいことはありますか?
やりたいことは、病気や障がいを抱えていたとしても、その人の役割や居場所を感じられるような場所を作っていきたいです。
具体的には、介護やその後の子どものこと、自分ではどうしようもできない心身のことを抱えている方と一緒に、そういう居場所を作っていけたらいいなと思います。
去年は左片麻痺で、30秒ぐらいで忘れてしまう認知症のおばあちゃんと一緒に、サーフィンしに行きました。普段は杖を使って歩いていて、長距離移動は車椅子のおばあちゃんなんですが、海に行って波に乗れましたよ。
「海に行きたいです」「じゃあ行きましょう」って、水着に着替えてもらって。1人がおんぶして、もう1人が後ろで支えて、海に入ってボードに乗りました。対岸にはキャッチしてくれる人が準備して、「波が来たよ」よいしょって。
ーおばあちゃんのやりたいことを叶えたんですね。
そうですね。やりたいけれど病気だから私にはできない。それでも工夫次第で、やりたいことができるよって伝え続けたいですね。
今年も海に行く予定です。
ー最後に、20代でもがいたり苦しんだり、人生の選択に迷ってる方に向けてメッセージをお願いします。
僕もめちゃくちゃ迷うし、迷っていいんだと思うんですよね。僕が一緒に過ごしている、80・90・100歳の人も悩んでいる。その人たちの幸せって何だろうみたいなのを考えながら関わっているけれど、誰も正解はわからない。
「あなたは何をしていたら幸せですか?」って言われても、その時々によって違うし、正解があるようで全くない。
正解のない問いなので、変化することは当たり前だし、変化したほうが健全だなと思います。その都度の最適解を、周りにいる人たちとの関わりの中や、つながりの中で選択していくことができたらいいんじゃないかなと思いますね。
僕もまだわからないことだらけなので、ぜひ教えて欲しいです。このインタビューを見てくれた方で、一緒に喋ってみたいな、会ってみたいなと思ってくれた方がいれば、連絡をください。
ー素敵なお話をありがとうございました!川邊佑詩さんの今後のご活躍も応援しております!
取材:八巻美穂(Twitter / note)
執筆:後藤ちあき(Twitter)
デザイン:高橋りえ(Twitter)