違和感を大切に、心の赴くままに歩む。岡山大学大学院 保健学研究科看護学分野助産学コース、佐藤芙優子

性教育ができる助産師を増やしていきたい

ー闘病生活の後大学に戻られて、現在は岡山大学の大学院で助産師を目指されていると伺いました。改めて、現在の活動や目指していることについて教えてください。

複学をしてからは、自分が理想とする助産師になるために、『国際NGO Plan International』の日本ユースメンバーとして、若者に身近な性に関する問題についての調査・提言活動や、女の子が安心して過ごせる居場所支援事業の立ち上げにも関わってきました。

例えば、早すぎる妊娠に対して若者の意識調査をする中で、途上国だけの問題だと思っていた性に関する問題が、日本にもあることに気づきました。

「それってなんでなんだろう」と考えたときに、1つの理由として知識不足があるんじゃないかと思っていて。だからこそ性教育が大事なんじゃないかなと思い、今は『NPO法人 ピルコン』で、性教育の講演を一緒にやらせてもらっています。

もっと性教育ができる助産師が増えることで、意図しない妊娠や性トラブルを防ぎ、誰もが自分らしく生き、性の健康と権利を実現できるんじゃないかと考えています。

そういう助産師を増やしていきたいなと思い、大学院で包括的性教育の研究を行っています。

ー今後挑戦してみたいことやビジョンはありますか?

はい。大学院を2年で卒業して助産師資格を取った後は、まずは助産師としての臨床経験を積みたいと考えています。その後は、先ほどもお話しした包括的性教育の普及に携わっていきたいです。

まだ先のことは見えていませんが、NGOに就職するとか、 助産師の育成プロジェクトに関わるとか。そういう形で、助産師の育成に関わっていきたいなと思っています。

ー最後に、人生の選択に迷っている方やU−29世代の読者の方へメッセージをお願いします。

私が人生に迷ったときは、なんとなくこっちかなみたいな、心の赴く方向に進むようにしています。

いくらでもやり直せるし、やり直せないことはほとんどない。違ったら違ったでいいし、常に前に進んでいかないといけないわけでもなくて、立ち止まってもいいと思うんですよね。

私も立ち止まったことによって、今まで見えていなかった景色が見えたり、考え方や価値観が変わったりした経験があるので。

そのことが、次の方向に進むために必要ときもあると思うので、 そこまで気負わずに、違和感があったら一度立ち止まってみようかな、みたいな感じで歩んでいく。

難しいことだとは思うのですが、違和感を大切にして心の赴くままに歩むことを意識して活動しています。

ー素敵なお話をありがとうございました!佐藤芙優子さんの今後のご活躍も応援しております!

取材:八巻美穂(Twitter / note
執筆:後藤ちあき(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter