U-29世代女性経営者と考える夫婦生活・パートナーシップ。いい夫婦でいるために不可欠な「プロジェクト視点」

 

今回は、U-29世代の女性経営者を中心に集まり、座談会を実施しました。テーマは、「U-29世代の夫婦生活・パートナーシップ」。パートナーや結婚相手との関係性について話を伺うと、円満なパートナー・夫婦生活を過ごす人が持っている考え方や習慣が見えてきました。

Q.1 「パートナー・夫婦関係において心がけていることは?」
Q.2 「同棲・共同生活の中でどこまで折半、分担してる?」
Q.3 「ライフイベントに関する話し合い、どうしてる?」

結婚を考えている方、パートナー・夫婦生活をより良くしたいと考えている方がいれば、ご覧ください。

 

参加者プロフィール

・尾崎 莉緒

株式会社COREを創業し、代表取締役CEOに就任。キャリアに関するお悩み解決やロールモデルを見つけられる女性限定のビジネス版マッチングアプリ「CORE」を運営。女性ビジネスパーソン同士の新たな出会いや互助が生まれている。自身は結婚3年目、犬を飼って夫婦ともに日々愛でている。
https://core-official.com

・神原 沙耶

Hue-ish株式会社を創業し、代表取締役社長に就任。対話ファシリテーション事業「みなものふたり」、ホームパーティーのプロデュース事業「FamiLink」を運営。夫婦をチームにし、リレーションシップケアを文化にすることを目指している。自身は同年代のパートナーを得て、結婚3年目。
https://hue-ish.com/
https://hue-ish.hp.peraichi.com/familink
http://minamonofutari-21235819.hubspotpagebuilder.com/marriage-blue-mentoring

・本庄 遥

2023年に19年間プレーしたソフトボール選手を引退。現役時代にはソフトボール選手でありながらベンチャー企業数社にも勤務。現在は英語コーチングスクールを運営する90 株式会社で執行役員 CHO(H=Happiness)を務める。自身はアミューズメントポーカーのルームで出会ったパートナーに2ヶ月半で逆プロポーズし、現在2人で世界をまわっている。
https://90english.com

・松岡 磨衣子

株式会社Meditedを創業し、代表取締役に就任した元薬剤師。医療資格保有者専用Webスクール「Medi+」、医療×webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」を運営。”医療資格は、ずっと味方”をテーマに、ライフイベントが起きても資格を生かして柔軟に働きたい医療者を応援。パートナーは7つ下の日系ブラジル人Webエンジニア。
https://medited.co.jp/
https://medi-jump.com/mediweblab/

 

Q.1 「関係において心がけていることは?」

神原:
私たち夫婦は出会った頃から喧嘩が多い関係でした。旦那の方が口数は少なく、気づくと私が打ち負かしてしまうようなこともしばしば…。ある時、「喧嘩したら、解決するまで寝ない(=翌日に持ち越さない)」というルールを作ってみました。

以前は、消化不良なまま、お互いにイライラしてることを無言で示すような場面がありました。今はそれがなくなり、気持ちのいい関係でいられるようになりました。

尾崎:
情報や選択肢が増えて起業する人、新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけになって移住を決断する人が増えました。職業によっては数年に一度は転勤がある方もいます。

夫婦にとっての「起業」「移住」「転勤」は、時にはトラブルの種になることもあると聞きます。突然「起業しようと思う」「移住したい」と言われたら、誰でも戸惑いますよね。私たちも経営者の私と学校教師の夫ということで、互いにこれからキャリア・ライフイベントの変化を控えているので何か工夫が必要だと考えていました。

今はコミュニケーション量を大事にしていて、タイムリーに連絡を取るようにしてます。普段から出来事や状況を何気なくやりとりしておくと、互いのどちらかが新しい挑戦をしたいと打ち明けたとしても、それまでの文脈を共有できている状態になります。「そういえば、■■したいって前から言ってたよね」「■■をずっと大事にしていたもんね」と理解ができるんです。

書籍「デュアルキャリアカップル」、ふたり会議 あつたさんの発信はとても参考にしていました。

 

Q.2 「どこまで折半、分担してる?」

松岡:
うちは日頃から家事を分担しています。私が炊事とお風呂掃除、パートナーがお皿洗いとお金の管理みたいに。

本庄:
うちは真逆!担当は決めてないですね。恋愛についての学びが浅かった数年前までは、当時の彼氏に少し不満を抱える場面がありました。共同生活中に私がやっていることに相手が気づいてくれない場面があって。お礼を言わない相手にイライラしてしまうことがありました。

恋愛について深く考えて行動するようになってからは、「やっておいたよっ」と自分から言うようにしています。察してもらうのではなく、こちらも気づく努力をすることで、すごく気持ちが軽くなりました。毎回お礼をちゃんと言ってもらえるので、嬉しいです。

お互いにお互いのおかげだよねって思えるような関係であれたらいいと思っています。

松岡:
すごくわかります。私たちも「そもそも、気付けないものなんだ」という前提を持ってパートナーと過ごしていて、「これやっといたよ」と伝えることもしますし、「やってくれてありがとう」と伝えるようにお互い意識しています。

神原:
ちょっと違う角度から言うと、「今日は私が料理を作る日だけど、気分がのらないなあ」ってこともありません?そんな時、私は「うっ…お腹の調子が…今日はお皿洗いできないかも…」って言いながら倒れ込むような茶番劇を演じたりします(笑)それを見て、旦那は笑いながら台所に立って、お皿を洗ってくれます。わざと馬鹿になるというか…遊びを入れるというんですかね。

夫婦関係が良好な方々の話を伺っていると、奥さんが結婚生活をひとつのプロジェクトと捉えているケースを多くみかけます。目の前の出来事に一喜一憂しすぎず、互いに役割分担も行い、どちらかと言えば奥さんが主導権を握りながら推進していく感じです。はじめは請け負った担当を旦那さんがうまくできない、忘れてしまうという場合でも、できるようになるまで待つ、別の方法を取り入れながら見守るようにしていると聞きます。

あとは、ツールやサービスをうまく取り入れている方も増えてますね。うちはコミュニケーションツールのslackを夫婦で使ってます。お互いの仕事のこと、雑談、お金管理のことなど、slackでチャンネル別にやりとりする場所を設けてます。

尾崎:
夫婦でslack導入してる方、私の周りにもいます。

松岡:
うちはGoogleカレンダーを同期していて、お金に関してはNotionで整理しています。パートナーがWebエンジニアで、「ツール同士を連携したらもっと使いやすい」という話もしてます。

本庄:
うちは掃除ロボット、乾燥機を使ってます。もう手放せないです。

松岡:
うちでは、ドラム式洗濯機がマスト!

 

Q.3 「ライフイベントに関する話し合い」

松岡:
うちはお互いに「子供はまだ先かな」という話をしています。彼は仕事に打ち込んでいて、私も創業して1期目なんです。「数年後、お互いに仕事が落ち着いたら…」という話をしていると、「受精卵凍結」などの話題にも興味が湧いて調べています。

神原:
うちは「こうしたいね」という話だけではなく、「こうなったらどうする?」という話もするようにしてます。

例えば、「妊活5年間頑張ってみても子どもを授かれなかったとき、どうする?」など。この場合、私たちは「育てていく中でお互いの愛情は育まれるはずだから、養子縁組を検討できたらいいよね。」という結論を出しました。経営やプロジェクトにおいてリスクを検討したり撤退ラインを決めたりすることと同じですね。

本庄:
ほんと、同棲や結婚生活ってプロジェクトですよね。その中で、出産は最大のイベントのひとつ…。うちも「お互いに今やりたいこともあるからゆっくり考えよう」と話していて、すぐに出産…とは考えていないです。

「はやく子供ができると、夫婦2人の時間がなかなか取れない」「産後、生理的に相手を受け付けられないようになってしまうことがある」という話を聞くと、それもまたちょっと怖いというか…踏み出しづらい理由にもなってしまって。

尾崎:
わかります。ライフイベントにおける負担は女性が大きいので、できればパートナーには状況や心境を理解してもらいたいと思いつつ、全てを分かち合うのは難しい、という複雑な気持ち…。

本庄:
そうですね…。
子どもの話しを真剣に話せないままひきづってしまってる方も周りにいますね。

そういう時、私は自分に合った方法で伝えるようにしています。書いて伝える方が合う方がいれば、対面で話す方が伝えられる方もいて、人それぞれに相性がいいコミュニケーション方法がありますよね。それを自分で理解して、合う方法で伝えるようにするといいかなって思います。

あとは、お互いが「話せるモードに入れる場所」を決めておくのもおすすめです。「ここに来たら、こういう話をする」という場所を決めておくんです。例えば、私たちはよくシーシャ屋で真剣な話題を話してます。落ち着いて深い話ができる雰囲気が良いのと、自然とシーシャ屋でそういう話を繰り返しているうちに、セットアップされていきました。

“自分から切り出しにくい話題だけど大事な話”をしたいときがあれば、何か参考になれば嬉しいです。

 

まとめ

今回は、U-29世代の女性経営者を中心に集まり、「U-29世代の夫婦生活・パートナーシップ」をテーマとした座談会を実施しました。

合理的に考えているようでお互いの不合理な部分を受け入れ、対処法としての夫婦間ルールやツールを取り入れている姿が印象的でした。

ご自身に合う考え方やルールがあれば、ぜひ取り入れてみてください。 

座談会出席者の過去記事

・尾崎 莉緒
https://u-29.com/2023/08/16/ozaki-rio/

・神原 沙耶
https://u-29.com/2021/08/18/kanbara-saya/

・本庄 遥
https://u-29.com/2021/08/31/honjo-haruka/

・松岡 磨衣子
https://u-29.com/2021/02/18/mai-matsuoka/

企画・取材・執筆=株式会社ユニーク・山崎