複業を通した自己実現を目指す黒田瑛子。怖さを超えて挑戦し続ける秘訣

今回は、「圧倒的なNo2」を目指して社長室 社長秘書を務める傍ら、女性向け就職支援サービスのメンターやキャリア授業登壇にも携わっている黒田瑛子さんをお招きしました。

これまでのキャリアの歩みと複業を通して実現したいことについて伺います。

 

挑戦したい気持ちを諦めて欲しくない

–自己紹介をお願いします。

本業では株式会社Another worksで社長室/社長秘書を務め、若手・学生向けの文化啓蒙、新しい働き方の推進、組織内の文化浸透の他、YouTubeチャンネルのディレクションなど会社全体を前に進めるための業務を担当しています。代表を支えながら、「圧倒的なNo.2を目指して、代表や組織にとって不可欠な参謀でありたい」と思っています。

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誰かと共に挑戦をして、その過程の大変さ、実現した時の達成感などの感情を共有できた時にやりがいを感じます。自分1人で何かを達成してもあまり達成感はないですね。

本業以外では、東京都が運営する出産や育児などの理由で離職後に再就職を目指す方を対象とした就職支援サービス「女性しごと応援テラス」でメンターを務めています。探究学習、キャリア授業において登壇・講演も行っています。

–携わる仕事や取り組みにおいて、心がけていること、意識していることはありますか。

日々の業務やメンター活動を通じて多くの悩みや苦悩、不安に触れることがあります。悩みや不安の裏側には計り知れない感情や千差万別なバックグランドがあるため、私にできることが本当に少ないですが、少しでも自分の経験や現在の働く姿が「誰かの一歩先が明るくなる」そんなきっかけになりたいと思っています。

というのも、「挑戦したかったけど諦めた」という経験は心に残ってしまうと思うんです。例えば、私は(小学校時代に)学年代表に立候補できるチャンスがありながら手を上げられず、諦めました。手を挙げられなかった理由は些細なことです。「恥ずかしい」という感情だったり、「挑戦を笑われたらどうしよう」「失敗したらどうしよう」という起きていないことへの不安だったり。このことに限らず、これまでに決断できたこともあった一方で決断できなかったこともありました。

だからこそ「挑戦したい」と思っている方を微力ながら応援したいという想いが強いですし、挑戦できなかったことを後から後悔してほしくないと願っています。

 

目指したい将来像にヒントをくれた母親の存在

–今のキャリアを選んだきっかけを教えてください。

将来自分がなりたい姿を言語化した時、私が一番大切にしたいことは「楽しく働く」ことだと気づきました。

人生の多くの時間を費やす仕事。自分が誇りを持ちながら、当事者として心から携わりたい事業や人と仕事をしたいという想いが強くありました。「楽しい」と「楽」は似て非なるものであり、楽な仕事をしたいわけではありません。困難で苦しいたくさんの失敗の先にある成功を掴み続けたい、それが私にとっての「楽しく働く」ことです。

また、憧れる大人について考えていくと、いくつかの要素が出てきました。例えば、

「仕事・私生活を両立している人」

「辛そうに仕事をしていない人」

「周りから働きが認められ、良い噂が広がっていく人」

この憧れの大人像は、私の母とぴったり当てはまります。

後から振り返ると、ずっと漠然とした憧れはあったのかもしれません。母親と同じ部活動をしていたり同じく海外との接点を持っていたり。学科も偶然一緒。秘書の仕事は母親がしているのを知って興味を持ちました。

そして、私のどんな挑戦も応援してくれる父。私が「挑戦」という言葉を大切にし、この仕事を選んだ根底には、挑戦を一度も否定せずに必ずいつか成功すると応援し続けてくれたからこそだと振り返ります。両親への憧れそして感謝が確実に今のキャリアに繋がっています。

–「圧倒的なNo.2」を目指しておられるとのことでしたが、以前からNo.2ポジションには縁があったのですか。

今思えば、これまでもそうした役割を担うことが多かったと思います。実際、中学では部活動の部門リーダー、高校では選手兼マネージャーを務めていました

私が目指すNo.2はリーダーを一歩後ろで支える受け身な存在ではありません。リーダーと共に目指す未来を描き、自分も最前線で動き続けながら、共に実現し続けられる人でありたい。当時からそんな想いが強くありました。

–株式会社Another worksとは、いつ出会ったのでしょうか。

大学1年生の頃、当時創業1期目のAnother worksにインターンとして入社させていただいたことがきっかけです。当初は何もできない私でしたが、たくさんボールが転がっているのがスタートアップ。とにかくチャンスがあれば手を挙げ続け、できることを増やし続けることで一つひとつ任せていただけるようになりました。今でも未経験なことばかりですが、まずやってみて、やりながら学び、もし失敗しても同じ失敗を繰り返さないようにするというサイクルを高速で回すことで吸収していきました。

想いと熱意しかなかった頃の自分を信じて機会を与えてくださり、社員として入社する時には社長室という部署を作り期待していただいた代表にはいつも心から感謝していますし、これからも共に前に進み続けたいと強く思っています。

–ベンチャー企業で働く中で意識してきたことはありますか。

Another works入社直後に代表からいただいた堀江貴文さんの言葉…「失敗は部分的成功である」を大切にしています。失敗したことを恥じ、立ち止まるのではなく、失敗を失敗とも思わずに糧とし、徹底的に振り返り、成功するまで進み続けること、そして圧倒的な行動からしか成果は生み出せないと確信しています。

また、「分からない」ことを素直に伝えることを大切にしています。日々新しい情報や課題、業務が増えていくベンチャーで、未経験の業務を担当することは日常茶飯事です。その時に僅かな恥から分かったふりをしてしまっては成長機会を失うだけでなく、プロジェクト全体のスピードとクオリティが低下していきます。とにかく素直に教わること。貪欲に聞きにいくことを大切にしています。

–本業とそれ以外の仕事を両立するために工夫していることはありますか。

前提として「両立をする」という捉え方をしていません。複業においてはどれかがメインで他がサブというのではなく、全てがメイン。目指す未来に向けて一直線に進んでいるというシンプルな感覚です。だからこそ複業で得たスキルやノウハウが本業に活きる場面が多くあり、それぞれに還元することができています。

その上で、時間は有限なので、スケジュール管理はとても大事なポイントです。私の場合は、心からやりたいと思える会社、人と仕事をすると決めています。本業を200%やりきりつつ、自分の限界値を超えないように適度な余裕を作るようにしています。余裕があることで、ふとした時に訪れたチャンスを掴むことができると思います。

 

日報から生まれる「自信」「改善」「成長」

–一歩踏み出せる自分、挑戦できる自分になるためにアドバイスをいただけますか。

私自身もまだまだ成長途中ではありますが、自分でやってよかったと感じている習慣のひとつに「日報」があります。

私がインターン時代から書いている日報には次のような項目があります。

・1年後になりたい姿

GOOD

・MORE

・NEXT

「1年後になりたい姿」は期毎にぼんやりとしている1年後の姿をアクションベースで言語化したものを書いています。毎日目に触れる場所に書いておくことで常に意識することができ、目標との差分を認識し、1日1日を達成に向けて過ごすことができます。

「GOOD MORE NEXT」にはその日の「よかったこと」「改善できること」「具体的な次の行動」を書き入れます。1日毎に書いているため、何か1つでも変化を起こさなければ日報が白紙で終わってしまいます。1つでも昨日より+1できるように、常に「明日が今日を超えている」ように意識しています。また、2回以上同じ内容を「MORE」に書くわけにはいかないという緊張感が自然と生まれ、具体的なネクストアクションに落とし込む習慣も身につきました。

日報を通じて重要さに気づいたことの中に「自己認知」があります。自分自身を客観的に捉えることで改善点が見えることはもちろんですが、自分自身が持つ強みを言語化し、次のプロジェクトで活かすという再現性のあるスキル習得に繋がりました。

昔の私のように「自信がない」という人も多いと思いますが、この習慣を取り入れることで必要以上に自らを卑下することが減っていきました。常に「謙虚」で至らないと思い続け、学び続けることは非常に重要であり私が大切にする価値観の1つですが、必要以上に「謙遜」する必要はありません。強みを言語化し、期待に応え続けること、日報の習慣が私の「挑戦への一歩」を軽くしてくれています。

–これから何かに挑戦しようとしている若者の読者へメッセージをお願いします。

今、挑戦するか否かを迷っている人がいれば、絶対に後悔しない方を選んでほしいです。もちろん全員に異なるバックグランドがあり、懸ける想いがあると思います。しかし、私は他人軸で本心とは異なる方を選んだり勇気が出ずに本来選びたかった方を諦めたりすると、頭のどこかに消えない後悔が残ると思っています。たとえ上手くいかないことがあっても、それは失敗ではなく部分的な成功である。私の経験が少しでも一歩踏み出す際の活力になっていれば嬉しいです。

–今後さらに挑戦していきたいこと、実現していきたいことはありますか。

「挑戦するすべての人の機会を最大化する」を掲げる株式会社Another worksの社長室/社長秘書として代表と共に、大義の実現に向けて前に進み続けていきます。これからもワクワクする未来を共に描ける存在であれるよう、いままで以上に常に非連続な成長をし続けることが欠かせません。常に至らないと思い続け、当事者である範囲を広く持ちながら圧倒的に成長していきたいです。

また、”挑戦したい”という想いを、口にすることは簡単なことではありません。人知れず心に秘めている人もいれば、自分で気づいていない人もいると思います。私自身がそうであったように、”挑戦したい”という想いはあれど「どこに向かったらいいのか」「そのためにどんな手段があるのか」が分からないケースもあると思います。だからこそ、「私の経験」が誰かの一歩を踏み出す活力になれたら…。そう願い、これからも発信を続けていきたいです。

 

取材・執筆=山崎 貴大