「会話力」は今日から身につけられる!インタビューライターが教える“5つの習慣”

20代は仕事やプライベートで特に変化が多い時期。新社会人だけでなく、入社して数年経った方でも「会話力に自信がない」「自分はコミュ障だから」と悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

でも、「会話力」は社会人になってからでも身につけられる——そう語るのは、現役でインタビューライターとして活躍するいしかわゆきさん。

そんな彼女も、実は人と話すのが苦手な“コミュ障”なのだとか。今はインタビューライターとしての活動や、イベント登壇などもしているいしかわさんが、 “聞く力” を身につけるために意識したことや、今日からできる5つの習慣をご紹介します。

いしかわゆき/インタビューライター・作家

早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系卒。Webメディア「新R25」編集部を経て2019年にライターとして独立。取材やコラムを中心に執筆するかたわら、声優やグラフィックレコーダーとしても活動中。
ADHDとHSPを抱えながら、生きづらい世界をいい感じに泳ぐために発信している。

著書『書く習慣〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』は3万部超でベストセラーに。その他著書に『ポンコツなわたしで、生きていく。』『聞く習慣』など。「書く+a」のスキルを学ぶスクール「Marble」運営。
Twitter:@milkprincess17

人見知りでコミュ障。変わったきっかけは“インタビュー”だった

ー現在インタビューライターとして活躍するいしかわさんですが、昔から人と会話をするのが得意だったのでしょうか?

いしかわさん(以下、敬称略):いえ。実は私は昔から極度の人見知りです(笑)。学生時代はあまりに喋らないので飲み会で隣の席の子に「隣にいるのつまんない」と言われたり、「しゃべらなきゃ」と思うとからまわってしまい、変なことを言って場がしらけたり……ということがよくありました。

いつも家に帰って、「あのときどうすればよかったんだろう?」と考えていました。コミュ力は生まれ持ってのものだと思っていたので、自分はまともに会話することなんて、無理なんじゃないかと。

だけど、気づいたら周りから「聞き上手だね」と言われるようになって、 “聞く力” は後天的に身に付けられる能力なんだと身をもって感じました。

ーいしかわさんに変化が起きたのは、何がきっかけだったのでしょうか?

いしかわ:インタビューライターになったことが一番影響していますね。

様々な人の話を聞くなかで、人と会話をするときは「“自分起点”で話すべき」と考えていたのが、インタビューでは「自分がたくさん話してはいけないんだ!」という考えに変わりました。

インタビューは大体1時間です。限られた大切な時間のなかで、相手から話を引き出さなければいけない。それに気づいたときから、仕事中だけでなく、プライベートで会話をするときも “話し手”から “聞き手”になるように意識していきました。

すべての会話って、ひも解いていくと「質問」と「答え」で成り立っていて。シンプルに聞いて、答えての繰り返しなんですよね。話すのが得意でなければ聞き手側に回ればいいんだと思い、私が聞く側を担うことで、相手がみずから話すようになると、会話が楽になっていきました。

「聞く力」と「会話力」を身につけるための5つの習慣

そんないしかわさんが、周りに「聞き上手だね」と言われるようになるまでに、意識して行なってきたことについて聞きました。

習慣1. 知っていることも一旦“忘れる”

いしかわ:人にたくさん話してもらうために意識しているのは、「知らないから教えてもらう」というスタンスです。

たとえば、取材前には相手のことをよく調べるので、その人や会社についてある程度知った状態で取材に挑みますが、インタビュー中は知っていることでもあえてもう一度聞きます。

なぜかというと、「〇〇って知ってる?」と聞かれて「知ってる」と正直に答えてしまうと、それ以上の情報は教えてもらえなくなるから。だけど、「知らないから教えてください」と聞くと情報を聞き出せるし、会話の主導権が相手に移ります。

相手から聞ける情報を狭めないためにも、知っていることも“忘れたつもりで”会話するようにしていますね。

習慣2. 視点を「私ではない誰か」にずらして質問する

いしかわ:会話って、必ずしも自分が興味がある内容になるわけではないと思うんです。ときには自分が詳しくない分野の話になることもあります。

そんなときは、聞き手を“自分”からずらして質問してみるのがおすすめです。

たとえばパン職人の方とお話をするとき。私はパンがあまり好きではないので、「パン好きなお母さんのために、おすすめのパンを聞いておこう」と考える。そうすると、興味がなくても質問が思い浮かぶようになるんです。

みなさんも興味がない話題にぶち当たったときには、一旦自分の感情は置いておいて、「この人だったらどういうことが聞きたいかな?」と、情報を受け取って嬉しい “誰か” を思い浮かべて質問してみてください。それを繰り返していくと、どんな話題でも会話が続くようになると思います。