「世界中の人を幸せにする!」と語る黒瀬絵理香が複業生活を選んだ理由

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第453回は外資系企業のコンサルタントとして働きながら、複数の複業をされている黒瀬絵理香さんです。「世界中の人を幸せにする!」を人生のスローガンとしてご活躍中の黒瀬さん。医学を勉強された後、日系大手企業で新規事業を経て外資系で戦略コンサルタントとして働くことになった経緯や複業をされている理由をお伺いしました。

フルタイムの本業と複業との多忙な日々

ーまずは簡単な自己紹介をお願いします。

現在はBig4の外資系企業でコンサルタントとして働いています、黒瀬絵理香です。大学院卒業後は日系大手企業に新卒で入社し、その後現在の会社に転職しました。本業の傍ら、複業としてコーチングを融合させた複業塾の運営・講師、イベントの運営などを行っています。

ー本業であるコンサルタントの具体的な業務内容を教えていただけますか。

医療分野の戦略立案を担当しております。医療分野におけるデジタル化を導入・活用した新規戦略立案サポートや事業全体のマネジメントなど多岐にわたる医療関連の戦略立案が主なな業務になります。

前職の日系大手企業では電子カルテのデータを活用したAI解析・マーケティング・企画など新規事業を担当していました。学生時代の医学の学びを元に前職でのIT関連の知識を追加して、日々働いています。

ー複業で行われている活動についても詳しく教えてください。

元々は最大15個ほど複業をしておりましたが、現在は複業を始めたい方への支援を目的としたコーチングを融合させた複業塾の運営・講師、イベントの運営、サラリーマン×事業主向けのコミュニティ運営などをしております。また、SNSでは仕事術・生活が向上するTipsの発信も日々行っています。

 

女優を目指したのは影響力のある人になりたかったから

ー現在のような働き方を選ばれるまでの経緯も教えてください。どのような幼少期を過ごされていましたか。

小さい頃は女優になりたいと思っていました。その理由の1つは、1度の人生でしたいことが多かったため、全ての仕事ができるのは女優じゃないかと思ったこと。もう1つは、女優になって有名になれば、影響力を持てるからということでした。誰かにポジティブな影響を与えたいという思いはこの頃から今も変わっていないかもしれません。

私は熊本出身なのですが、小学生の時から熊本城のガイドを英語で行ったり、世界の恵まれない子供に寄付をするボランティアをしたりと多様性に触れる機会の多い幼少期を過ごしたなと思います。また、授業で出会った”ごんぎつね”の話から、いいことをしてもあっけなく死んでしまうことに衝撃を受けました。このような沢山の経験から、後悔して死にたくない、自分にとって幸せって何だろう、どのように生きて行きたいかを考えるようになりました。この質問を社会人の今でも15年間、自問することで、さらに人生を深めてきたように思います。

ー小学生の頃からとても貴重な経験をされていたんですね!中高時代はいかがでしたか。

高校は地元の進学校に進んだのですが、仲の良かったグループからハブられてしまい、高校2年生の時は学校を休みがちになりました。この時に信頼を裏切られたことで軽度な人間不信になりました。しかしながら、学校での居場所がなくなったものの、家や塾があったのはよかったなと思います。高校3年生になってクラス替えを期に学校へ前よりも通えるようになりました。

ー高校卒業後の進路についてはどのように考えられていましたか。

映画監督の元で自主制作の映画を作成し、完全英語で脚本・主演をしました。この経験から女優になるのは難しいと自覚し、他の有名になって人に役立てる手段として、ノーベル賞受賞者を目指すようになっていました。

たまたま学校に母校訪問として講演に来てくださった方が熊本の大学教授の女性で、癌の研究をされている方でした。女性の方で活躍されている方の話を聞くことができ、その先生の大学に行きたいと思い、大学では医療の勉強をすることに決めました。

 

医療・IT・経営の3つを軸に決めるまで

ー大学生活はいかがでしたか。

自由な時間が多い分、たくさんの挑戦をできた大学生活でした。特に大きかったのは短期留学でアメリカ、ドイツ、台湾に行ったことです。同じ高校に行こうと約束した幼なじみが高校からスイスに進学したことで、置いていかれるという焦りがありました。しかし、英語が苦手だったこともあり高校の時は挑戦することができていなかったため、大学では絶対に毎年行くんだと目標を決めていました。目標を叶えるためにお金を自分で稼ぐという経験や留学を通して各国に友達ができたこと、自分の英語力の未熟さと意外と生きていけるという自信など沢山のことを得ました。また、数多くの留学を経験したことで、留学国家プロジェクトの学校リーダーを任され、苦手だった人前での発表の場数を踏めました。この経験が、現在の司会業や講師業の礎になっていると思います。

ーその後、大学院にも進学されるんですね。

はい。大学時代はノーベル賞を目指していましたが現実は難しく、コメンテーターと大学教授の2軸を目指し大学院に進学しました。本来であれば大学院は研究に没頭する2年間のはずなのですが、私は1つのことよりもいろんなことに挑戦したくなるタイプなので、大学院でも研究以外の活動も行っていました。大学時代に日本初の起業部を創設し、ビジネスプランを練った経験から、アカデミアとビジネスの架け橋になりたいと、熊本イノベーションラボを立ち上げ、異分野交流を図る活動やシリコンバレーのIT企業への短期インターンなどを行いました。

このことで、進路として医者が最高峰の医学領域だけの世界で戦うのではなく、医療・IT・経営を組み合わせて医療の道で影響力を持てるベンチャー投資家になろうと考えました。

ー医療・IT・経営の3つをキーワードに就職活動もされたのですか。

まずITをもっと勉強したいと思い、1社目に医療分野も取り組んでいる日系大手のIT企業を選びました。数あるIT系企業の中から選んだ理由は日系大手に入社するには新卒入社が一番だと思ったことと、大手日系企業には自分のようなタイプの同期が少ない分、チャンスが回ってくるかも思ったからです。

結果として新規事業を担当させていただき、医療データを活用したAI解析や、協業先を探して自身で企画・マーケティングなどをすることができ、とても面白く学ぶこともできました。しかし、日系大手ということもありマーケティングや経営に関して学ぶ機会が少なかったことから、もっと経営を学べそうなコンサルティング会社に転職を決めました。

 

幸せは回り回ってやってくるもの

ー本業で十分お忙しい中で黒瀬さんが複業をされる理由は何なのでしょうか。

自身のエゴとしては有名になりたいという気持ちがありますね(笑)ただ、それと同じくらい日本や世界に恩返しがしたいなと思っています。そのため、まず当面の目標は日本の競争力をあげようと思い、実現には本業だけでは難しいと思っています。確かに本業だけでも十分忙しいのですが、やりたいことがあるので頑張れています。自分が必死になって様々な活動をすることで、面白いことをしている人がいると思ってもらい、そこからもっといろんな活動をする人が増えていったらいいなと思っています。

また、複業をしているおかげで、短時間で効率よく成果を出す能力なども鍛えられていますし、辛い時でも頑張る力が湧いてきます。複業することは良い相乗効果が生まれると思います。

ーまだ複業されていない方にも、複業を勧められますか。

そうですね。複数の仕事を持つということは複数の収入源と居場所を持つことだなと思っています。本業だけに依存すると収入に対する不満、上司との関係や自身のスキルに対する劣等感などの不安定になる要素が多いと思います。本業以外の収入や居場所を持つことは自身の精神的にも経済的にも安心に繋がると思うんですよね。また、複業ができない会社に所属されている方は、ぜひ趣味やボランティアあるいはキャリアアップに繋がる経験を積むことをおすすめします。

ーやりたいことが思いつかない人はどうすればいいのでしょうか。

ありきたりですが、まずは自分を知ることに時間を使ってみてはいかがでしょうか。私のコーチングの受講生にも多いのですが、結構やりたいことがわからない人は多いです。しかし、自分が経験したもの知っているものからしか、やりたいことは見つからないです。そのため、自分の好き・嫌い、理想の生活や状態を考えた上で、何でもいいから自分がしたことないことを毎月3つずつ経験してみることです。ちなみに、私自身は挑戦し続けることで細かい理想が変わるため、毎月100個叶えたいこと書いて振り返っています。人生を最高にする近道って一歩ずつ進むこと、なんだと思います。

ー最後になりますが、黒瀬さんの今後の展望や目標などをお聞かせください。

周りを幸せにするには自身が溢れるほどの幸せであるべきだと思っています。幸いにも、現在は満たされているので更に挑戦しつつ周りにどんどん還元して、私の関わってくれる人から少しずつ輪を広げようと思っています。なので、一緒に幸せになりたい人は関わってください(笑)今後の目標は今まで通り、世界中の人を幸せにすることなので、

まずは幸せに直結するのは自由に生きられる、働ける環境として「複業に挑戦したい方」や「自分らしいキャリアを歩みたい方」のサポートを複業塾を通して行っていきたいです!

 

インタビュー:新井麻希(Facebook )
執筆者:松本佳恋(ブログ/Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter