自分の声を大事に、文化の継承となるヒントを探し続ける伝統工芸とらくら代表・佐伯葉奈

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第979回は伝統工芸とらくら代表の佐伯葉奈さんです。現在はニュージーランドでマオリの研究するべく留学中の佐伯さんが、伝統工芸に興味を持つようになった経緯と、現在取り組まれていることについてお伺いしました。

日本の伝統工芸の魅力を若者に伝える、伝統工芸とらくら

ーまずは簡単な自己紹介をお願いします。

立教大学コミュニティ学部の2年生で、現在は休学してニュージーランドのWaikato大学マオリ学部に留学中の佐伯葉奈です。日本の伝統工芸を世界と若者に伝えるべく、「伝統工芸とらくら」というサークルの代表を務めています。

ー伝統工芸とらくらとそこでの活動についてもう少し詳しく教えていただけますか。

伝統工芸とらくらでは、伝統工芸に対して若者が持つ堅いイメージを変えること、そして伝統工芸の魅力を知ってもらうことを目的に活動しています。別の方が立ち上げられたサークルなのですが、2年前に代表を引き継ぎました。

現在は全国から学生を募集し、工房に取材に行く企画を活動の中心として行っています。

挑戦が成長に繋がると知った中学時代

ー伝統工芸とらくらへの関わりは大学生になってからかと思いますが、それ以前から伝統工芸に関わる活動をされていたのですか。

伝統工芸に関わるようになったのは大学に入ってからのことです。

中高時代は英語演劇部という部に所属しており、英語で歌って踊って演じることに全力を費やしていました。高校に進んでからは、演出や舞台制作、後輩指導が中心になりましたが、中学時代は毎年開催される学園祭での大舞台に向けて練習する日々でしたね。

ー英語演劇部での印象的な出来事があれば教えてください。

オーディションで役を決めるのですが、中学3年で初めてアラジンのジャスミン役として主演を演じることができたことは中高時代で最も印象的な出来事だったと思います。

それまでは名前のない役しかいただくことができず、主演を演じる先輩のキラキラとした姿や中学2年で主演を演じる同輩をみて、自分もいつかは主演を、と思っていたので選ばれた時はとても嬉しかったです。

膨大な量のセリフを覚えるなど大変なことも多かったですが、初めて人前で自分を表現するという経験をしたことで自分に自信を持つことができた経験でした。

ー自信を持つことができたとのことですが、主演を経験したことで得た変化は他にもありましたか。

自分には挑戦を応援してくれる人が周りにたくさんいることを知ることができたのも大きな気づきでした。

振り返ると、挑戦に意欲的になることができた、挑戦することへのハードルが少し下がった大きなターニングポイントになったと思います。

全国の同世代からの刺激がターニングポイントに

ー高校時代でもう一つターニングポイントがあったようですが、その話も聞かせていただけますか。

AO入試での大学進学を予定していたので、外部での活動実績を作りたくていくつか応募する中でHLABというサマースクールに参加しました。1週間、全国から集まる高校生と徳島で過ごしたのですが、ここでの経験が今の自分を形作っていると思います。

ー具体的にどのような経験をされ、どのような気づきや学びがあったのですか。

友達とは何か、など答えのない問いを同世代で考えるという初めての経験をしました。学校の友人とは深い話をすることがなく、ただ笑って楽しく過ごしていたのに対して、HLABでは深い話をする機会が多くありました。

参加生の中には既に起業している同級生など自分とは全く異なる環境で育ってきた人がいて国内だけど留学したような感覚でしたね。大変刺激になった1週間でした。

ー参加後の変化についても教えてください。

環境が許してくれる限り挑戦しないともったいない、と思うようになり、積極的に動くようになりました。

例えばミュージカルの経験を活かして、老人ホームや福祉施設を回ってオリジナルミュージカルをするボランティをスタート。また、高校3年はコロナ禍で行動が限られていた中でしたが、全国の高校生と繋がれるオンラインプログラムにも参加しました。

HLABで自分のやりたいことや気持ちに素直な同世代や失敗を恐れずに挑戦し続けている同世代に出会えたことでやっと自分の人生が動いたと思います。