「何を選ぶかよりも“選んだ後に何をするか”」石井優也に聞く、選んだ道を正解にする考え方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第910回目となる今回は、株式会社PAM代表の石井優也(いしい ゆうや)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

現在PAMの代表として、学生・第二新卒のキャリア支援や企業の採用支援を行う石井さん。起業に至るまで、そして起業後もたくさんの挑戦と失敗を繰り返してこられたとのこと。そんな石井さんに、失敗の捉え方や選択と行動を起こし続けていくコツを教えていただきました。

大学生向けに長期的なキャリアを見据えた支援を実施

ーまずは自己紹介をお願いいたします。

株式会社PAM代表の石井と申します。現在、学生・第二新卒向けのキャリア支援と、企業様向けの採用支援を行なっています。

キャリア支援は主に大学生向けの就活前・就活中のサポートをしています。就活前はインターンシップの紹介やプログラミングスクールの運営。就活中は選考対策や求人の案内などですね。

企業に向けては採用のコンサルティングとして、学生や第二新卒へより魅力的な企業に映るようなブランディングの支援や、学生のご紹介を行なっています。

ー大学生へのキャリア支援というと、エントリーシートの添削や面接対策のイメージが大きいです。石井さんはプログラミングスクールやインターン支援など、幅広く支援されているのですね。

いわゆる就活対策として想定されるエントリーシートの添削や面接対策は、もちろん就活を成功に導くためには必要な支援です。一方で、就職後のキャリア形成にも活きるかというと、難しいと思っています。

長期的なキャリア形成を見据えて、就職後も活きるスキルの習得や考え方のインプットなどができればと思い、一般的な就活対策以外も幅広く支援しています。

ーなるほど。学生さんに接する際に大事にしていることはありますか?

大学生からいただくご相談で多いのは「何をしたらいいかわからない」「どういうキャリアを歩んだらうまくいくのかわからない」というもの。でも私は「何を選ぶかよりも、意思決定の後にどんな行動をとるかが重要だ」といつも伝えています。

選択した後の行いでどんな道も正解になりうると考えていて。だから学生がどんな選択をしても、前向きに頑張れるように背中を押せる存在になりたい。そんな思いで向き合うようにしています。

「失敗を失敗で終わらせない」人生で最初の挑戦だった大学受験から学んだこと

ー現在は多くの大学生を支援している石井さん。ご自身は高校生のときに人生で最初の大きな挑戦をしたそうですね。

中高一貫・大学附属の高校に通っていたので、大学受験をする人はほとんどいませんでした。自分も高校2年生までは特に何も考えず、みんなと同じ大学に進学するのだろうなと。

そう考えていた頃、外部の大学を受験する同級生と話したんです。彼らと話す中で、自分も外部の難関大学の受験を決めたのが、最初の挑戦でした。

ー同級生の影響があったのですね。外部の大学を受験する方は少数派だったかと思いますが、あえて外部の難関大学を受験する決意をしたのはどんな心境からだったのでしょうか。

高校生活、全体的になんだか不完全燃焼に感じていて……。「もっと何か大きなことに挑戦したい、頑張りたい」と思っていたのですが、何を頑張ったらいいのかわからずモヤモヤした日々を送っていたのです。

悶々としていたとき、同級生が外部大学の受験に挑戦する話を聞いて、自分も挑戦してみたいと思い立って。どうせ外部の大学を受験するなら、進学予定だった附属の大学よりもレベルの高い大学を目指そうと決めましたね。

ただ、不安もありました。自分で決めたものの受験するメンバーはやはり少なかったですし、中高一貫校だったので中学受験以降はほとんど勉強をしておらず、本当に受かるのかなと不安でした。

ーあえて険しい道を選ぶ、思い切った挑戦ですね。結果はいかがでしたか?

現役時代は失敗に終わりまして(笑)。1年間浪人することになりました。

ですが浪人が決まったときネガティブな感情はあまりありませんでした。現役時代はずっと焦っていたので、むしろ1年間もあればなんでもできるのではないかと可能性を感じましたね。家族の協力あってこその、勉強だけに集中できた贅沢すぎる1年間だったので、両親と兄には本当に感謝をしております。

周りは現役で附属大学や外部の大学に進学していく中、大学進学が1年遅れることに最初は少し抵抗があって……。ただ、時間をかけて自分のやりたい方向に向かい、結果自分が最良だと思える方向に進めるのならむしろ最善の選択だと思えるようになりました。

ー素敵な考え方ですね。大学受験への挑戦から学んだことはありますか?
1年間遠回りした結果、第1志望の大学に合格しました。現役時代は結果だけ見たら失敗しているのですが、さらに1年努力を重ね、2年間で見ると自分が1番希望する道に進めています。

目先の状況や結果だけでなく、長い目で見てどのタイミングをゴールに置くかで何でも正解にしうる考え方はその後の人生にも、今にも活きていますね。