看護師から会社員にキャリアチェンジしたみゆこんの、納得のいく転職活動

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第943回目となる今回は、ITコンサルティング会社に勤めながら、ArchNurseの運営に携わるみゆこんさんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

第二新卒で、看護師からITコンサルティング会社へ転職された、みゆこんさん。現在は、キャリアに納得されている印象ですが、臨床現場に留まるか一般企業に転職するか、葛藤した時期があったそうです。

今回は、みゆこんさんの経歴を伺いながら、転職活動を充実させる方法に迫ります。

看護師以外のキャリアを模索した学生時代

ー早速ですが、簡単に自己紹介をお願いします。

みゆこんです。大学卒業後は、大学病院で看護師として働いていました。看護師2年目に、ITコンサルティング会社に転職し、もうすぐ会社員3年目に突入します。社内の会議やクライアントとの打ち合わせで使用する、資料や議事録の作成を主に担当してきました!

ArchNurseの運営としてSNSの情報発信にも携わっています。ArchNurseのモットーは「笑顔で働く看護師を増やす」。看護師や看護学生の、キャリアの選択肢を広げるような情報発信やイベント開催を行うコミュニティです。

ー看護師から一般企業への転職は、まだまだ珍しいですよね。転職を意識したのは、いつごろですか?

学生時代から看護師以外のキャリアを模索していました。どうして看護学部に進学したの?と、よく聞かれます(笑)。

大学に進学する段階では、明確な目標がなくて。医療、人体、心理学、カウンセリングなどの、興味のある分野が学べる看護学部に進学を決めたのです。安定した収入が得られる医療資格にも心惹かれました。

勉強自体は楽しかったのですが、看護師になりたい気持ちはあまり強くなかったので、病院実習が始まると違和感が大きくなって。様々なイベントに参加し、医療職のキャリアについて情報収集していましたね。

ー学生時代から情報収集していたのですね。当時のイベントで、印象に残っているものはありますか?

印象に残っているのは、医療系学生団体メドキャリが開催した、ビジネスコンテスト型ワークショップです。

「人生100年時代」をテーマにまちづくりの事業を考え、発表するコンテストでした。ペアの方と2週間かけて事業を考えました。私たちは「高齢者が楽しく暮らせるまちづくり」をテーマに発表して、2位に入賞できたのです!

これまで、考えを人に評価される経験がほとんどなかったので、素直に嬉しかったです。何か企画するのも楽しいと感じました。

キャリアチェンジに必要なのは、一つひとつの納得感

ー2位に入賞したなんて、すごいです…。学生時代からキャリアを模索していたみゆこんさんが、新卒で看護師になったのはどうしてですか?

実際に臨床現場で働くと慣れるかもしれないと思い、看護師になりました。でも、働き始めてからも、看護師をしている自分への違和感は消えませんでした…。

すぐにキャリアチェンジをする勇気もなく、隙間時間で自己分析や情報収集をしていました。ArchNurseや、一般企業が求職者に求めるスキルを医療従事者に教えてくれるHandLを知ったのはこの時期ですね。

ー後悔して落ち込むだけでなく自己分析や情報収集を続けるなんて、しっかり者ですね。

不安で、何かしていないと落ち着かなかったのです。

臨床現場に留まるかキャリアチェンジをするか葛藤しながら、まずは自分が何を考えているのか整理しました。看護師以外のキャリアを選べなかったのは、肝心の「自分がどうしたいか」がわかっていなかったからだと思いまして…。

ーキャリアと真剣に向き合うには、自己分析が足りていない…と。キャリアチェンジは、どのタイミングで決断しましたか?

2ヵ月ほどの休職から復職後に、決断しました。

実は、働き始めてすぐに心身に不調が表れてしまって…。不調を抱えながら働き続けた結果、限界を迎え休職したのです。休職中は、とにかく休みました。

体調が回復してきたときに自己分析を再開して、臨床現場から離れる方向に気持ちが固まっていきました。10年後の自分の気持ちを想像するワーク「10/10/10テスト」に取り組み、このタイミングでキャリアチェンジしなかったら後悔する!と気づいたのです。

適切な判断か確信を持ちたくて、復職してから離職を決断し、転職活動を始めました。

ーみゆこんさんは、一つひとつの判断が慎重ですね…。転職活動は、すんなり終わりましたか?

短期間で終わりましたが、すごく苦労しました。

転職活動中も、臨床現場か一般企業、どちらで働くかまだ葛藤していましたしね。頼りにしていた転職エージェントの方にも「どちらが良いか決めるのは難しい」と言われて。それはそうだと思いました。最終的な決断は、私がすべきですよね(笑)。

キャリアチェンジは自分の人生に大きな影響を与えるもの。納得感を大事に慎重に進みました。たくさん書類を書いて応募して、面接を何個か受けながら自己分析を繰り返して…。

当時は、治験を支援する会社や医療機器メーカーだけでなく、医療脱毛やアートメイクなどの美容医療、訪問看護など看護師としての道も考えていました。以前から興味のあったIT企業でも、エンジニアとコンサルタントの両方が選択肢にありました。

ー選択肢が多いと、決めきれないですよね。最終的に、何に納得して現在のお仕事を選んだのですか?

面接を通して想像できた、「入社後の自分の姿」に納得したのです。

IT業界への関心から、独学でプログラミングを学んでいました。実際に手を動かして働いている自分を想像できれば、納得感を得られると思ったからです。

エンジニアのお仕事に興味を持ちつつコンサルタントになったのは、現在勤めている会社の採用面接で行った議論が、とても楽しかったから!「ここで働いたら楽しいだろうな」と感じたのです。