夢はどんどん口に出そう!旅する歯科医・吉野輝のやりたいことの叶え方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第919回目となる今回は、旅する歯科医・とことこあーす株式会社の吉野 輝(よしの・あきら)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

人生という旅を主体的に歩く人を増やすため活動している吉野さん。学生時代は歯学部に進んだものの、決められたレールにモヤモヤを感じていたそうです。そんな吉野さんが居場所を見つけ、旅と人とをつなぐ仕事に携わるまでを伺いました。

ひとつのことを深めたい気持ちは子どもの頃から

ー自己紹介をお願いします。

とことこあーす株式会社の吉野輝と申します。「旅を通して人と学びをつなぐ」をミッションにする旅行会社で働きつつ、シェアハウス・ゲストハウスの運営を通して、人と人を繋いだり新しい価値観の場を作ったりすることに力を入れて活動しています。

ー現在のお仕事はどのようなことをされているのでしょうか?

旅行会社では、主にオーダーメイドの海外旅行を手がけています。旅行が初めてでも安心して海外旅行を楽しめるよう、お客さま一人一人にあった旅行を提供しています。お客さまがどこに行きたいのか、旅行でどのようなことを感じたいかを大切にしています。

またシェアハウスの管理人やゲストハウスの運営をしています。シェアハウスに住んでいるメンバーの管理やイベントの企画、他のシェアハウスとの交流まで幅広く担当させていただいています。

ーそのような働き方をしていて、日々感じていることはありますか?

「こんな体験ができた」「こんな面白い人がいて楽しかったよ」と声をいただけるのは嬉しいですね。旅や人との出会いは一期一会ですから。

お客さまが何を求めているのかを探っていく作業は難しいですが、それすらも奥が深くて楽しいです。特に旅行会社は、相手のテンポに合わせたり、気持ちの良いやりとりができるようにしたりと、コミュニケーション能力が求められる仕事です。僕は旅行会社に入って日が浅いので、まだまだ勉強中です。

ー次は学生時代についてお伺いします。幼少期の吉野さんはどんな子どもでしたか?

好奇心旺盛で、子どもの頃から鉄道が好きでした。鉄道を好きな気持ちは大きくなっても変わらず、中学時代は鉄道研究部に入っていました。いわゆるオタク気質で、「ひとつの物事を深く知りたい・研究したい」という気持ちは強いのかもしれません。

進路にもやもやを感じ、試行錯誤した大学時代

ー大学受験の時、進路はどのように決めましたか。

大学受験の時期を迎える時、やりたいことが見つからなかったんです。父親が医療系の家系だったので、小さな頃から「医者になりなさい」と言われていました。しかし僕自身は医学に興味がなく、違和感がありました。そのような状況で大学受験をし、歯学部にたまたま受かったのです。

浪人することも考えましたが、来年受験しても自分のやりたいことが見つからないのではと考え、歯学部に進学することになりました。

ー大学生活は、どのようなことを考えながら過ごしていましたか。

親に言われて医療系に行った思いもあり、入学当初はかなり落ち込んでいました。

大学に入ってからは、ますます外の世界に出るのは難しいように感じました。狭い世界で生きていると考え方が偏ってしまうので、それではいけないと思いました。自分の世界を広げようと、アルバイトを始めたり人に会ったりと行動を起こしましたが、ピンとくる出会いはありませんでした。

悩み続けていたら大学生活も終盤に近づき、就職活動の時期が来ました。「卒業後は医者をやるのだろうか」と「医者をやりたくない」という気持ちの間で板挟みになり、さらに焦りました。

ー旅や人との出会いが転機となったそうですね。きっかけとなった出来事は何でしたか?

株式会社TABIPPOの開催する『旅大学』というイベントに参加しました。このイベントを見つけたのは本当にたまたまです。

イベントでは、世界を歩き回っている旅人の方がお話してくださいました。「どんな生き方もできるように、本当に自分の好きなことをやったらいいよ」とおっしゃっていて、感動したのです。

当時「歯科医師をやりたくない」と思っていたのですが、悩みを話せる人が周りにいなくて。「ここなら自分も受け入れてもらえる」と思えた居場所を見つけられたことは大きな出来事でした。