自分らしく活躍できる場所は、自分で探す。キャラクター作家あまがみねこの生き方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第898回目となる今回は、キャラクター作家 あまがみねこさん。

皆さんは、自分の苦手なこと、得意なこと、好きなことを認知できていますか。自分自身に向き合うことは簡単ではないかもしれませんが、その一つひとつが、人生の選択における決め手になる場面が往々にしてあります。

自身の苦手なことを知ったあまがみねこさんが、自分らしく活躍していくためにどのようなチャレンジをし、その過程でどんなことを考えていたのでしょうか。

今につながっている、幼少期のオリジナル小説づくり

ー簡単に自己紹介と、幼少期のあまがみねこさんについて教えてください。

『けさぱさふれんず』というぬいぐるみを販売しています、あまがみねこと申します。小さい頃は、絵を描いたり漫画を読んだりすることが多く、友人と絵の交換日記もしていました。

ー13歳の頃に転機を迎えたそうですね。

はい。小学校6年生くらいにインターネットが普及し、オリジナル作品を投稿できるサイトを見つけ、探偵や怪盗のジャンルの小説を投稿したり、ホームページを自作したりしました。

ー小説を公開するといろんな反応があったと思いますが、いかがでしたか。

様々な反応をもらえたのは嬉しかったですし、ランキングで上位になっていくことを楽しみながらやっていました。しかし、上位になるにつれて、ネガティブなことを言ってくる方もいて、傷つきながらも、そういう人もいるのだと知っていきました。

ーそこから年齢を重ねていく中でも、作品づくりは続けていきましたか。

大阪に就職して、しばらく作品づくりはやっていませんでした。自分で作るというより、誰かが作ったものを享受する側にまわることが多かったです。

苦手なことに気づいた、最初の就職

ー大阪の会社への就職で、何か感じることがあったそうですね。

デザイン会社の事務職で就職したのですが、留学から帰ってきて、すぐに就職活動をしなくてはいけないという思いから、自分の好きなこと、得意なことを分析せずに就職活動をしていました。

おもちゃ系の会社に行きたかったので、その業界を中心に受けていましたが、第一希望の会社の最終面接で不採用となってしまい……。そのとき、少し自暴自棄になり、働くならどこでも一緒だろうと思い、大阪のデザイン系の会社に入社しました。

しかし入社したものの、事務職が自分には合わないことに気づき、職場近くのUSJへ通いながら気分を紛らわしていました。

ー多少後悔しているように感じますが、当時こうしておけばよかったと思うことはありますか。

自分の好きなこと、苦手なことを理解し、自分の苦手な方面に進まないようにすればよかったと思います。

東京にいたら、いろいろな業種でインターンができたり、多くのジャンルでアルバイトや社会経験ができると思います。でも、わたしが通っていた大学のある山口だと、限られた業種のなかでしか経験できなかった。自分が知っている世界は狭かった気がします。

ー最初の就職はうまくいかなかったとお話ししていましたが、通っていたUSJでハマったことが次の転機につながったそうですね。

USJのショーにはまって(笑)。TwitterでショーやUSJに関して発信を続けていくうちに、人とのつながりが生まれたり、一緒にUSJにいく仲間と出会いました。

そして、経緯は覚えていませんが、USJのショーを作っている人とお話をする機会をいただいたんです。

話をする中で、テーマパークのアトラクションを作る会社があることを知り、自分の中でワクワクする気持ちが生まれ、求人に応募して東京に行くことになりました。

ーUSJのショーのどこにハマりましたか。

好きな漫画であるONE PIECEのショーにハマりました。好きなキャラクターが2.5次元で動いていて、自分の近くに来てくれてサービスをしてくれるのが嬉しく、何度も通っていました。

当時、精神状態はあまり良くありませんでしたが、心の穴を埋めてくれたのがONE PIECEのショーでした。

東京に拠点を移したことで

ーその後、東京のテーマパークの企画会社に転職が決まったということでしたが、今までと変わったことは何かありましたか。

転職を機に、東京に出たことが一番のポイントでした。『朝渋』というオンラインサロンでいろいろな人と出会い、いろいろなところへ行ったことも大きかったです。

仕事は、企画営業だったので、いろいろなテーマパークの企画を考える際に、現地に行ったり、テーマパークの裏側を知ったりしました。企画を書くことや考えることは楽しかったのですが、人前で提案することが苦手で、精神的に疲れることも多かったですね。

ープレゼンや事務が苦手と分かる中で、自分の強みや好きに気づいたのでしょうか。

細かい作業や、人に対して提案するのが苦手だと気づいた上で、自分には何が残っているのだろうと考えました。そして、絵を描くこと、発信すること、エンターテイメントに触れること、さらには新しく始めたカメラを通じて、人を撮ることが好きなんだと思いました。