一歩踏み出す勇気が未来を切り開く。邉見裕美の大切にしていること

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第857回目となる今回は、会社員兼個人事業主として活動中の邉見 裕美(へんみ・ひろみ)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

介護職から転職し現在は製造業をメインとしながらもベンチャー企業の広報に携わり、さらに趣味であるカメラでも活動の幅を広げられている邉見さん。同世代の生活や環境の変化から、何を感じ、どう行動に移していったのかを話していただきました。

いきなり直面した社会人の理想と現実のギャップ

ー自己紹介をお願いします。

邉見 裕美(へんみ・ひろみ)と申します。高校を卒業して2回の転職を経験しました。社会人として働くなかで高校の友人の結婚や出産ラッシュを目の当たりにし、自分の人生について考えるようになりました。

会社中心の生活で「このままでいいのか」と考えるようになってから個人でも事業を始め、現在は福島県を拠点に会社員と個人事業の2つの軸で活動をしています。

ほかにもみなさんが交流する場となるオンラインイベントの開催や、趣味であるカメラの活動にも力を入れていこうと準備中です。

ーここからは今までの経緯について伺います。18歳の時に社会人の働き方にギャップを感じられたそうですね。

高校生の時に抱いていた大人のイメージは「自由で好き勝手にできて、かつ責任をとる」でした。そんなふうに思っていたので、もっと遊べる時間があると思っていました。

高校を卒業後、介護施設で働くことになりましたが、そこはシフト制の3交代制でした。早番・夜勤・遅番と本当に時間がなく、友達の多くが進学していたため、予定が合わず遊ぶ時間も減ってしまいました。

1人暮らしもはじめ、家事をしながら仕事をすることは本当に大変でした。

ー介護福祉施設で仕事を始めてすぐに、号泣してしてしまったそうですね。

仕事内容を覚えるために先輩方が付き添って仕事を教えてくださっていたのですが、ある日の私の担当がいわゆるお局さんだったのです。言葉もですが、怖い雰囲気を感じ取ってしまい「ちゃんとやらないと、怒らせないようにしないと」と萎縮しながら仕事をしていました。

退勤時間の前に、先輩より先にまだやっていない仕事をやっておこうと思っていたのですが、「もう終わらせたし」と怒られてしまいました。周りにも自分のことを話されていたので気分が落ちてしまい、退勤時に泣いてしまったのです。

施設内でも泣いていたことが広まって、それからは配慮していただき何もなく過ごすことができました。数ヵ月もしたら「仕事ってこういうものなんだな」と思うようになり、仕事を始めたばかりだったためやめる勇気が出ず、ずるずると続けていました。

燃え尽き症候群になってしまい介護職から離れることに

ー介護の仕事は何年続けられたのでしょうか。

3年間続けて介護福祉士の資格を取ったところでやめました。仕事を続けていれば、資格手当も出て立場的にも働きやすくなるはずでしたが、燃え尽きてしまいやる気がなくなってしまったのです。

次の仕事として当時興味のあった脱毛サロンに面接を受けにいったものの、二次面接で落ちてしまいました。社宅に住んでいたため、介護の仕事をやめたことで家と仕事がなくなってしまいました。その後、自分でアパートを借り、ニートとして2ヵ月間過ごすこととなります。

この期間は自分に自信が持てなくなっていた時期で、転職活動で見つけた事務職の仕事も半年でやめてしまいました。そこから実家に戻り製造業の仕事に就くことにしました。

ー脱毛サロンに興味があったのはなぜでしょうか。

当時お客さんとして利用するなかで、スタッフの方が輝いて見えたからです。きれいな制服と丁寧な接客で、親身に接してくれる人たちを見て「自分もやってみたいな」と思いました。

ーそこから製造業の会社に就職されたのですね。仕事内容を教えてください。

アルコールやシャンプーで使われる容器のノズルを作っているニッチな仕事です。グループごとに分かれて手作業で行なっています。環境にも人にも恵まれ、かれこれ4年が経ちました。

ただ年末やお盆のシーズンなどは忙しく、翌日が残業になったり土曜日も出勤になったりと突発的に日程が変わることもあり、「大変だな」と思う部分もあります。

ー急に注文が入り、対応しなければならないということでしょうか。

そうですね。あとは1日の制作数が予定よりも少ないと納期に間に合わないため、残業することもあります。

立ちっぱなしで細かい作業をするため、首や肩が凝ることもあり、今までとは違う疲労感があります。様々な疲労を感じ、大変だと思っても仕事を続けられているのは人間関係に恵まれているからです。

「大丈夫?」や「疲れたね」など声をかけてくれて、職場で支え合いながら仕事ができているので、 ありがたいなと感じています。

ーコミュニケーションが活発な職場なんですね。

女性しかいない職場ですが、休憩時間にお菓子をいただくこともあり、皆さんがやさしいので楽しく過ごしています。そして「やっぱり人間関係だな」と思っています。