ミュージシャンと会社員。ANDで奏でるオリジナルキャリア・若林純の生き方とは

音楽コンテスト出場を機に表現することの楽しさを知り、本格的に音楽の道へ

ー高校時代にヤマハの音楽コンテストに出場したそうですね。出場のきっかけや当時の状況を教えてください。

ずっと曲作りをしたいと思っていたのですが、当初はなかなか踏み出すことができませんでした。 当時は、自分の書いた曲を見せたり、人前で演奏したりすることは恥ずかしいと感じていたのです。

でも、ヤマハの音楽コンテストが開催されると知り、部活の一環で軽音部の仲間と出場することになりました。大会に参加することになり、初めて本格的に曲作りに挑戦をしたのですが、自分の作った曲を聞いた方から「よかったよ!」とたくさんの声をもらえたことが純粋にすごく嬉しくて。

先輩や経験豊富な方々が大勢集う大会でしたが、東日本の1番上の大会まで出場でき、プロの方からも高評価をいただくことができて。この経験が、音楽活動を続けていく上で大きな自信になりました。

そして、このコンテストを機に「恥ずかしがっていたらもったいないし、もっと曲作りがしたい」と自然と思えるようになったのです。

会社員とミュージシャンANDで紡ぐ自分らしいキャリア

ー大学時代にミュージシャンとして活動していた際、michinaru代表の菊池さんと出会ったそうですね。出会いのきっかけはどのようなものでしたか?

菊池さんとは、私がミュージシャンとしてデビューした時期にお会いしました。当時、CDを出したりお仕事を少しずつもらったりして「このままミュージシャンを仕事にするぞ」と意気込んでいました。

でも、実際に音楽の仕事でお金をもらうのはとても難しかったです。飲食店でアルバイトをしながら音楽活動を続ける中、大学のゼミの先輩に「今働いている会社がすごく面白いからインターンをしてみない?」と紹介してもらいました。

そのときに、菊池さんから「音楽をしながらでもうちの仕事って面白いと思うからやってみない?」とお話をいただいて。

そんな風に捉えてくれる大人の方がいらっしゃるんだと思い、2年半ほどインターンをしたのち新入社員としてmichinaruに入社しました。

ー会社のどのようなところに魅力を感じていましたか?

入社のタイミングで教えてもらった『And(アンド)に向き合う』という会社のポリシーがキャリアを歩む上での指針になっています。

今までの私の思考は、音楽をやめて仕事をするか、アルバイトをしながら音楽をするかの二者択一でした。でも、会社のポリシーを教えていただいた際に「自分自身もアンドに向き合ってきた。仕事も音楽活動も両方やってみたい」と感じたのです。

現在は、成熟企業の中で新規事業を生み出すプロジェクトに伴走しています。これもまさに「And(アンド)」に向き合う仕事です。既存事業がある中で新規事業を立ち上げるのは様々な葛藤が付き纏います。

この葛藤が、まさに今自分の抱えている会社員をしながら音楽活動をする葛藤に近いなと感じていて。

自分の葛藤や奮闘を社会や仕事を通じて伝えることで、成熟企業の中で葛藤を抱えていらっしゃる方の共感やサポートにも少しでも繋がれば嬉しいです。

ーそれぞれの活動で得たスキルや学びをどのように活用されていますか?

ミュージシャン活動をしていると、音楽ができるのが強みと捉えられます。

でも、解像度を上げると 「言語以外のコミュニケーションを取るのが上手=相手の表情をうまく組み取って、場の空気を察知するのが得意」と捉えることもできます。

「音楽が強み=曲が作れる」と捉えてしまうと、企業では活用できないと感じてしまいますよね。一方で「曲やものが作れる=0から1が生み出せる」とも捉えられます。今までの経験を抽象化することで、他の業務や領域でも活かせる汎用性のある強みになると思うのです。

私は就職活動で「自分は何がしたいんだろう」とすごく悩んでいた時期もありました。でも今は仕事を通して「物事の裏側にはいろいろなものや考え方がある」と感じていて。みなさんも自分自身に問い続けながら、自分らしさを深堀ってみてください!

ー最後に、会社や音楽活動での今後の展望を教えてください。

会社員としては、クライアントの新規事業創造のサポートに注力したいです。様々な企業に伴走をさせていただく中で、実際に新たな事業やサービスが生まれる瞬間にたくさん立ち会っていきたいです。

アーティストとしては、11/23に新曲「後夜」をリリースしました。ひとりでも多くの方に曲を聴いていただけたら嬉しいです。これからも音楽活動を通じて、いろいろな人とコミュニケーションを取りながら共感や協創の輪を広げていきたいです。

ー貴重なお話をありがとうございました!​​若林さんの今後のご活躍を応援しております!

▼新曲の公式YouTubeはこちら
お風呂でピーナッツ – 後夜【Official Music Video】

取材:西川莞人(Instagram / Facebook
執筆:中根沙季(Twitter
編集:スナミアキナ(Twitter / note
デザイン:高橋りえ(Twitter