様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第755回目となる今回は、株式会社IKETEL代表 松本 栄祐(まつもと・えいすけ)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
ワーケーションや地域活性化事業を広く展開する会社「株式会社IKETEL」を設立した松本栄祐さん。今回はワーケーション事業に懸ける思いやこれから目指していきたいビジョンまでお話しいただきました。
「work+co-creation」で目指す株式会社IKETELのワーケーション事業
ーまずは、自己紹介をお願いします。
株式会社IKETEL(以下:IKETEL)代表の松本栄祐です。IKETELでは、ワーケーションや地域の活性化に関わる事業を広く展開しています。
ワーケーションとは、元々は「Work(仕事)」+「Vacation(休暇)」からなる造語で、広義には、仕事や休暇等を組み合わせ、働く場所(時間)を柔軟に選択する新たな働き方と言われています。
しかし、最近ではさまざまなニュアンスや定義、解釈も出てきていて。例えば、「Work」+「Location(場所)」や、「Work」+「Communication(交流))」等といった「Vacation」以外の「~ation」も注目されるようになってきています。もはやワーケーションは旅行・観光分野だけのキーワードではなく、多様で豊かな生活や地域・社会の活性化を実現するひとつの手段と言えます。
その中でもIKETELでは、特に「Work」+「Co-Creation(共創))」という文脈を大切にしています。地域内外のプレイヤーが協力・協業することで、そこからイノベーションを生み出し、地域課題を解決。そして、社会全体をより良くしていく。そんなビジョンを掲げています。
具体的な事業は、ワーケーションの環境整備支援や誘客支援、お試しワーケーションツアー/イベントの企画です。また、「地域内外連携プラットフォーム」というWebサービスの開発等を行っています。
ー学生時代から、観光を専攻されていたのでしょうか?
大学生の頃は環境工学という学問領域を専攻していて、自然環境や人間環境について学んでいました。とくに水を綺麗にしたり分解したりする研究を行っていて。大学院生の時には、後にも先にも世界で唯一フグの毒を水で分解する研究を行っていました(笑)
環境工学を専攻した理由は、小さい頃から環境問題が自分の身の回りで騒がれていたのを身近に感じていて、これからは環境が大事な時代だなと思ったからです。
ーご自身が旅行を好きになったきっかけはありますか?
大学時代のサークルの先輩が旅行好きだったことがきっかけです。始めは旅行に連れて行ってもらっていましたが、少しずつ自分でも計画しながらいろいろな場所に旅行するようになりました。
現在は国内47都道府県はどこも3回以上、海外は5大陸、40〜50カ国の渡航経験があります。
旅行は、新しい出会いや発見がありますし、リフレッシュになります。また、予期せぬハプニングもたまにあって。すべて含めて、思い返してみるとだいたいいい思い出ですね(笑)
ー旅行する時に気をつけていることはありますか?
「楽しむ心」を持つことですかね?荷物がなくなっても、寝る場所がなくなっても、晩ご飯が食べれなくても、近くで銃声が聞こえても、楽しむ心さえあれば、すべいい思い出に変えることができると思っています。
安定した仕事で老後を過ごすよりも、今世の中に自分ができるこを
ーワーケーション事業を始めようと思った理由はありますか?
旅をする中で、廃れている地域が存在する現状を知ったからです。
地方には、ターミナルの周辺ですらシャッター街や空き家が多く、人も観光客もいない現状がある現実に衝撃を覚えました。
教科書や社会の資料集に載っているような歴史的に有名なスポットでさえ、街が廃れてしまっている現状があって。ひと昔前は人気だったであろう温泉街や県庁所在地でも「意外と駅前ってこんなに人がいないんだ」と思いました。
また、自分が旅行が好きだったことから、将来的に色々な地域に関わるを仕事をしたいと考えていて。コロナがきっかけで、「とくに大打撃を受けた地域をなんとかしたい」と思い起業をしました。
ー地域活性化の課題にアプローチしていこうと思ったきっかけはありますか?
今では活気のない町でも、歴史や文化があって、温かい地域の人もたくさんいます。
そんな魅力的な地域がなくなっていくのはすごくもったいないです。しかし、地域の内外の人材がつながり共創することで、地域課題の解決や地域の活性化になり、社会や日本全体としてももっとプラスになると思ったからです。
ー社会人になる前は、仕事についてどう考えていましたか?
社会人になる前は、起業なんて1ミリも考えたことがありませんでした。安定した仕事でゆるく生きていきたいなと思ってました(笑)
でも、社会人になって安定がそもそも存在しないと思いました。また、色々な人と出会う中で、起業も人生の選択肢のひとつだなと思うようになってきて。そこから段々と起業してみたいと思うようになりました。
何か1つの大きな原体験があったというよりも、小さな体験の積み重ねが自分の背中を押したような感覚です。