選んだ道を正解にする!上杉桃子が語る、困難の乗り越え方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第731回目となる今回は、株式会社UPSIDER・グロスパートナーの上杉 桃子(うえすぎ・ももこ)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

幼い頃から途上国支援に興味を持ち、留学・インターン応募・大学院進学と多くのアクションを起こしてきた上杉さん。コロナ禍でのインターン中止など困難に直面しつつも、自分の人生を切り開く秘訣を伺いました。

幼い頃から途上国に興味をもち、19歳で留学を決意

ーまずは自己紹介をお願いいたします。

上杉桃子です。株式会社UPSIDERでグロスパートナーとして働いています。

ー株式会社UPSIDERとはどのような会社なのでしょうか。

主にスタートアップ企業向けに法人カードを提供している会社です。全てをソフトウェアで管理していて、カード発行や申し込みから審査まで、すべてオンラインで行っています。

今までカードを作成できなかったスタートアップ企業でも、銀行口座の情報があれば高い限度額を設定できますし、カードを何枚も発行できます。今の時代に合った新しいサービスとして注目されており、2022年5月には、150億円の資金調達に成功しました。

ー中でも上杉さんはどのような役割を担っているのでしょうか。

サービスを使ってくださってるユーザーさんを成長させる役割を担っています。営業とカスタマーサクセスのようなイメージですね。カードをお客様に提供しつつ、サポートやアドバイスも行っています。

ーそんな上杉さんですが、19歳の頃にインドとデンマークに留学したと聞いています。

幼い頃から途上国支援に興味があり、「どうして世界で格差が生まれるんだろう」「生まれた環境が違うだけで、受けられる待遇が違うのはおかしい」と思っていました。ただ、地元は田舎だったので海外に行くという選択肢はなく……。

高校卒業後は大阪大学の外国語学部に進学したのですが、地元とは違い、海外から帰国した人がたくさんいたのです。そこで自分が興味を持っていた「国際協力」をキャリアの選択肢に入れるため、「実際に途上国を見てみよう」と思ってインド留学を決めました。

ー実際のインドの実態はどうでしたか?

デリー近郊ではデリー・メトロという鉄道が開通しており、思ったよりもテクノロジーが進歩しているなと思いました。一方で同じインドの中でも格差があり、恩恵を受けている人とそうでない人の差が如実に現れていました

現地の人は、今の状態が当たり前だと思っているのですが、「日本であればこういう仕事ができたのに」「このような病気で亡くならずに済んだのに」という状況を山ほど目にしてきました。一筋縄ではいきませんが、世界をよりよくしていくために、この問題にフォーカスしようと決めました

ーその後はデンマークに留学したんですよね。

インド留学を終えたあと、半年間デンマークに留学しました。もう少し英語を勉強したいと思い、目をつけたのがデンマークの「​フォルケホイスコーレ​」です。ギャップイヤーが浸透しているデンマークでは、高校卒業から大学入学までの間に通うインターナショナルスクールがあって、このフォルケホイスコーレにも同年代の方がたくさん通っていました。

そこで英語と並行して国際情勢や国際協力についても学びを深めました。市民と社会に関わるにはどうすればいいかを教わり、視野が広がりましたね。

留学後は、フィンテック系のスタートアップ企業に就職

ー続いて、上杉さんの就職活動についてお話を聞かせてください。

大学3年の後期が始まるタイミングで帰国し、就職活動を始めました。最初は「JICA(国際協力機構)」の職員か、ジャーナリストになろうと思っていました。いずれも「公共のための仕事」という点に魅力を感じたからです。

反対に、避けていたのは金融系の企業でした。じつはデンマークでリーマンショックやサブプライムローン問題などを学ぶうちに、金融に対して嫌悪感を抱くようになったのです。「貧富の差を生むマネーゲームに、加担したくない!」と躍起になり、なかなか内定がもらえず苦労しましたね。

ー最終的にはどのような企業に就職したのでしょうか。

社会課題の解決に携わるスタートアップ企業を探し、株式会社ZUUにご縁をいただきました。金融メディアを扱うフィンテック企業で、「90億人が非常に夢を追える世界にする」というビジョンを掲げています。

「金融を毛嫌いしていたのに、どうしてフィンテック企業に就職したのか」と思われるかもしれません。でも就職活動を通して、金融を正しく利用すれば、誰もが夢にチャレンジできるチャンスを与えられるのだと気づきました。貧しい人に資本をアロケーションすれば、誰もがやりたいことにチャレンジできる機会を得られる。そう思って、入社を決めました。

ーそうだったのですね。実際に入社してみていかがでしたか?

新卒4期目のフェーズで上場したばかりのスタートアップ企業でしたので、一人ひとりの裁量は大きかったですね。私は、金融機関や大手企業のメディアのコンサルティングを行う部署に配属されました。大きいメディアの立ち上げや会社で一番大きいプロジェクトに所属し、「新卒なのに、こんなに任せてもらえていいのか」と思うほどの仕事を任せてもらえました。