マイナス10キロのダイエットに成功し起業!立石有香莉の人生を変えたトランポリンとの出会い

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第783回目となる今回は、クッション型トランポリン『ゆかぴょん』製作者の「ゆかぴょん」こと立石 有香莉(たていし・ゆかり)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

メーカーでの営業職を経て、トランポリンで起業し販売活動をしているゆかぴょんさん。起業に至るまでの経緯や、トランポリンと出会って得られた経験について語っていただきました。

とにかくまじめに吹奏楽と勉強に明け暮れた学生時代

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

私は会社を辞めてトランポリンを作ったゆかぴょんと申します。家に置きやすいクッション型のトランポリンを製作し、2022年2月に起業しました。本名の有香莉(ゆかり)と「床でぴょんぴょん跳ねる」を掛け合わせた『ゆかぴょん』という商品名で販売しながら、SNSでの発信活動にも力を入れています。

ー今はトランポリンを製作し起業したゆかぴょんさんですが、どんな学生時代を過ごされていましたか?

中学時代から吹奏楽部に所属していて、マーチングという隊列を組んで歩きながら演奏をする音楽活動をしていました。

中学1年生の頃は先輩が怖くて毎日泣いてたくらい、部活動はとても厳しかったです。吹奏楽はしっかりと言われたことを真面目にやるのが正義だったので、とにかく物事にまじめに取り組む忍耐力がついたと思います当時は1年間のうち360日くらい吹奏楽の練習をしていました。

その習慣が染み付いて勉強もとにかくまじめに取り組み、そのおかげで地元では少し偏差値の高い高校に進学することができました。

ーとても厳しい部活だったんですね……。吹奏楽や勉強を頑張るなかで、挫折や辞めたいと思うことはあったのでしょうか。

吹奏楽を辞めたいとは思いませんでしたが、高校1年生のときにつらい時期を過ごしました。高校では0時間目という授業があり、朝の7時半から授業開始。夜は21時頃まで部活動というかなりハードな生活で……。

高校ではさらに勉強も部活も周りのレベルが高く、肉体的にも精神的にもやられていました。そこに追い討ちをかけるように母が癌で入院してしまい、あのときはとてもつらかったです。

どうして自分だけこんなに災難が降りかかるのかと、泣きながら通学するときもありました。そんな私を同じマンションに住んでいた親友が助けてくれて、彼女にかけてもらった言葉がスッと受け入れられたんです。

「人はつらい思いをした分、優しくなれるんだよ」

この言葉を聞いてから、きっと未来の自分はもっと素敵になっていて、今はそのための時間なんだなと思えるようになりました。人生で一番つらかった時期でしたが、このときの経験があったからこそ、こうして起業した今があると思っています。

ダイエットに成功し、トランポリンの可能性を知ることに

ー就職してからなぜトランポリンに目をつけたのか、そのきっかけを教えてください!

新卒で入社した会社で営業をしていたときに、仕事のプレッシャーによるストレスから暴食をして10キロ太ってしまい……。私は運動が苦手だったので、エクササイズをする習慣がありませんでした。

そこで元体育教師の母に相談したら、全身運動がいいとアドバイスをもらいました。ちょうどその頃、なにかの記事でトランポリンは全身運動だからダイエットにいいと目にして、試しに買ってみたんです。すると継続することができて、約1年かけて10キロ痩せることに成功しました。

しかも基礎代謝が上がり体幹が鍛えられたのか、リバウンドをしなかったんです。私はこれまで太ったり痩せたりを繰り返していたので「トランポリンの力、まじすごい!」と思い、トランポリンが大好きになりました。

ートランポリンが大好きなんですね!その当時使っていたトランポリンは、従来の丸くてバネのついたものですか?

よくあるみなさんがイメージするようなものです。防音対策がしっかりされたマンションだったので、ガンガン飛び跳ねていました(笑)。

友人にトランポリンにハマり痩せた話をしたら、9割近くの人が「音は大丈夫なの?」と聞いてきたんです。

みんな興味は持ってくれるけど、音の問題を解決しないとトランポリンをやろうとはならないんだなと。ならばその「音問題」を解決した商品を作ろうと思い立ちました。

ーダイエットに成功してから起業を決意するまでの3年間はどのような気持ちで働いていましたか?

高校時代のつらかったときのように、いまの仕事での経験は必ず未来に活きると思っていました。むしろ「この仕事で得たスキルや経験を必ず未来に活かすぞ」という気持ちで働くようになりました。営業の数字も社内評価も上がり、仕事が楽しくなっていきましたね。

ーそんなに前向きに変わるんですね!

太ったことで自己嫌悪に陥っていましたが、トランポリンでダイエットに成功してからは自信がつき、明るくなって自己肯定感が上がりました。

お菓子をたくさん食べることもなくなり、運動習慣が身についたことで体調もよくなったんです。そのおかげで仕事に対しても前向きに取り組めるようになったと感じています。

トランポリンは本当に人生を変えてくれました。

ー仕事がうまくいきはじめたなかで、起業しようとスパッと切り替えることはできました?

実は全然切り替えられませんでした。根は石橋を叩いて渡るようなタイプなので、やはり会社員を辞めることによるお金の面で不安は大きかったです。

本業とトランポリン製作の準備を並行してやっていて、はじめはうまく本業と両立できていましたが、だんだん忙しくなり本業との両立が物理的に難しくなってきて……。

本業は絶対に手を抜きたくなかったので、これはどちらをとるか決断のタイミングだと感じました。

ーそこで本業を辞める決断をするんですね……!

普通の人ならここで本業をとるかと思いますが、やはりトランポリンを商品にしてみたかったんです。あとはタイミングですね。

幸い両親も今は健康に暮らしていますし、私は独身ということもあって身軽な状態です。将来もしかしたら親の介護や、パートナーができたり子供ができたりする可能性もあるかもしれない。そう考えるとずっと言い訳し続けてやらないだろうなと。

仮にうまくいかなくても、お金を稼ぐことなら会社員としていつでもできる。だったら今が起業するラストチャンスだと思い、おもいきって会社を辞めてチャレンジすることを決めました。