選んだ道を正解にする!上杉桃子が語る、困難の乗り越え方

24歳で渡航を志すも、コロナで白紙に。大学院へ進学

ー就職後、24歳の頃にまた海外渡航を志したと聞いています。

ZUUに入社して半年が経った頃、「また海外に行きたい」と思うようになりました。当時は土日を返上して働き、1日10時間以上もオフィスに張り付いて……。もともとやりたかった「国際協力」が全然実現できず、違和感を抱えていたのです。

ちょうどその頃、タンザニアで充電式ランタンを配るビジネスをしているWASSHAという企業を知りました。11月ごろにインターンの合格のお話をもらえたので、翌年4月に渡航できるようにZUUを退職する予定でした。

ーそれが、渡航まであと少しのタイミングでコロナ禍が訪れた、と。

2020年3月、渡航まで2週間のタイミングでした。タンザニア内でコロナ患者が出てしまって、安全が担保されてなかったのでインターンは無期限延期になってしまいました。

結局ZUUに出戻ることになり、2年目以降も同じ部署で働きました。仕事を任せてもらえてありがたい反面、将来が見えなくなってしまってとてもショックを受けましたね。「私、何のために仕事しているんだっけ」と感じてしまいました。

ーその後自ら志願して、部署異動されたんですよね。

仕事にも慣れてきたころ、ふと「将来的に自分でビジネスをしてみたい」「経営に近い仕事に挑戦したい」と思い、経営計画を担うグループ戦略室に異動させてもらいました。

IRやM&A、海外支社のマネジメントなど、経営企画に関するいろいろな仕事に挑戦させてもらいましたね。これまでは自分の部署の売上を最大化することしか考えられていなかったのですが、「自分たちの会社が外からどう見えているか」「業界の中でどういうポジションなのか」を俯瞰的に見られるようになりました

ー一方で、渡航延期後に大学院にも進学されたと聞いていますが、経緯を聞かせてください。

渡航が延期になったのを機に本格的に国際協力を学びたいと思い、東京大学大学院新領域創成科学研究科への入学を決めました。大学院に進学していないと、国際協力系のキャリアを積むのは難しいとわかっていました。ですので、大学院への進学を考え始めたのは自然な選択肢だったと思います。

大学院では、「フィンテックの技術によって途上国の人々の生活や行動がどう変わるか」を知ることができ、知見が広がりました。自分が将来やりたいことに関わる障壁や、重視すべきことが見えてきて、自分にとって大きな出来事になりました。

選んだ道を正解に。今後はアフリカで事業を起こしたい!

ー留学、就職、大学院進学とさまざまな道を歩んできた上杉さんの、今後の展望を聞かせてください。

アフリカでフィンテックのビジネスを展開したいです。アフリカは事業における規制が少なく、ある程度フィンテックの導入が進んでいるため、非常にポテンシャルの高い国だと思います。

アフリカは国土が広い分、物理的な障壁によって解決できないこともあります。でも、インターネットなどを駆使して物理空間を超える仕組みを整えられれば、それを土台にいろいろなことができると思うのです。「M-PESA」という携帯電話で送金できるサービスが、その例としてあげられるかと思います。

今の会社をアフリカに進出させる、自分でイチから事業を起こす、現地の会社に飛び込んで事業を伸ばす……。いろいろな実現方法がありそうです!

ーなるほど。ありがとうございます。最後に、キャリアに迷ってる読者にメッセージをお願いします

自分が納得のいく人生を歩むには、選んだ道を正解にすることが大切です。たとえ自分のやりたいことができなかったとしても、その結果行き着いた場所が自分にとっての最適解かもしれません。

私も就活がうまくいかなかったり、コロナで海外に行けなくなったりしました。でも今考えると、「大手企業に就職しなくてよかった」「当時海外に行かなくてよかった」と思えた出来事が山ほどあります。それは、自分が選んだ道を常に正解にしてきたからです。

今自分がそこにいる意味やそこで見出せる価値を考えて、それを突き詰めてみてください。

その結果「やっぱり違うな」「これって意外と自分に向いているかもしれない」といった発見があるでしょう。今置かれている場所を正解にすれば、「自分の決断に間違いはなかったな」と思えるはずです。頑張ってください!

ーありがとうございました。今後の上杉さんのご活躍を応援しています!

取材:山本佳奈(Twitter
執筆:まあや(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter