ビールは人生を豊かにするエンターテイメント。静岡のビール変態 伏見陽介

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第727回目となる今回は、静岡クラフトビアマップ代表、伏見 陽介(ふしみ・ようすけ)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

大学時代からビールに魅了され、昨年から静岡県静岡市ですごせる酒屋『MUGI』を運営している伏見さん。地元静岡県で活動し続けている経緯とビールの未来への熱い思いを語っていただきました。

外向的に変化したきっかけは、転校生になってから

ーまずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

静岡県静岡市生まれの27歳、昨年独立したばかりの伏見陽介と申します。実家をリノベーションして、地元商店街の一角で、すごせる酒屋『MUGI』を経営しております。

静岡のビール情報を集めてフリーペーパーを作成したり、 ホップの栽培やビールのイベントを企画したり、 ビール講座をしたり、お酒を軸にした活動をしています。

ーそんな伏見さんはどんな学生時代を過ごされましたか?

静岡は海が近いところから山が奥深いところまである県で、自然が近くにあるんです。小学校1年生まで暮らしていた父の実家は山奥で、コンビニまで40分かかるような場所です。野生の猿とも出会うような場所で、活発さや自由な発想が培われました。

小学校2年生のときに、父の転勤で初めて転校を経験しました。転校前は全校生徒が30人の学校で、友達も多くなかったです。急に1クラス30人いる小学校に入って、転校生というだけで、周りから一目置かれる存在になったんですよね。

周りの人からしても、初めて外から来た知らない人なんです。そこから周りを楽しませたい精神が培われて、学級委員長を3年生からやるようになって。なんでも自分から率先してやり始めるようになったなと思います。環境が変わったのが、外向的に変化したきっかけでした。

ビールの世界に魅了されたのは、徒歩1分の醸造所から

ービールとの出会いはいつだったんですか?

大学生のときにビールに出会いました。歩いて1分の場所に、ビールの醸造を始める会社ができました。コンビニやスーパーに行くより近いんですよね。

そこからビールというお酒が、人が集まる楽しい環境を作れる、意外と身近でおもしろいお酒だなというのを実感し、ビールに触れるようになっていきました。

学生時代はバイクでいろいろなところに行けるようになったので、ビールも旅に行く目的のひとつになっています。日本やアメリカ、ヨーロッパにも行きましたね。

ー大学でも静岡を出なかったんですよね?

はい。静岡は人口の流出率が高いんです。大学進学時に65%は外に出るんですよ。静岡あるあるなんですが、大学が少ないので優秀な学生ほど外に出てしまうんです。前職の人材会社では、県外に出た学生のUターンを斡旋する仕事をしていました。

僕も静岡の外に出て、もう少し学んでから帰ってきたいなと思っていた時期があります。静岡にもっと還元できるように成長してから戻ってきたい。まだまだ就活生や自分の後輩たちも似たようなことを言っていて、静岡県外に出ています。

僕は今考えると、静岡から出なくてよかったなと思っています。もっと地元に貢献できることをやっていきたいと思ったときに、ビールのフリーペーパーを作成する活動など、ビールを広げるという点では、もっと地元に根を下ろしてやれることを増やしてくというのが、手っ取り早いなと思ったからです。

大学生のときからは独自性を磨くようになりました。周りと違う存在になりたいとか、周りと違うことをしたいと思いました。周りと違うという点を突き詰めると、このまま勉強しているだけではなく、僕に何かできることがないかなと思っていました。

大学3年のときからビールのお店でアルバイトをしていたんですけど、そのくらいからいろいろ調べるようになり、ビールの審査会にも参加していました。ビールの審査会で交流して、教えてもらうことはすごい多かったですね。