「好き」をベースに生きる。ENABLE代表・矢木悠太郎が持つ探求心とは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第688回目となる今回は、サウナ不動産を経営している矢木 悠太郎(やぎ・ゆうたろう)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

大学に通いながら、株式会社ENABLEで不動産マーケティングを行っている矢木さん。サウナ不動産を始めたきっかけや今後の展望などを教えていただきます。

サウナ愛が止まらず、自身で事業を始めることに

ーはじめに自己紹介をお願いいたします。

現在早稲田大学教育学部に通いながら、株式会社ENABLEの代表取締役を務める矢木悠太郎と申します。主に不動産マーケティングを行っています。

ー不動産マーケティングとはどのような事業なのでしょうか?

大手の広告代理店に頼らず、自然に目に止まるような広告を不動産会社と一緒に制作しています。それと並行して、サウナ不動産というサービスも提供しています。

ーサウナ不動産とは珍しいですね!事業を起こそうと思ったきっかけを教えてください。

私自身、サウナが好きすぎて(笑)。ある日ネットで「サウナがあるマンション」を検索したのですが、知りたい情報がまったく出てきませんでした。

「ならば自分でサウナが設置されているマンションを紹介してしまおう」と思ったのがきっかけです。

ー矢木さん自身が経験して浮かんだアイデアなのですね!具体的にどのようなサービスなのでしょうか?

共用施設としてサウナがあるマンションや、部屋にサウナがに組み込まれている物件を紹介しています。とはいえ、サウナがついてるマンションは高額で希少性も高いので、サウナがすぐ近くにある物件もご提案しています。

ー不動産マーケティングでは主に動画作成やSNSの構築をされているそうですね。

はい。私の得意領域がSNSマーケティングで、地域密着型の不動産屋がSNSからどのようにコンバージョン(集客)に繋げるかを一緒に考えています。

ー地域の不動産屋だとコンバージョンにつなげるのはなかなか難しいのでしょうか?

不動産業界の共通課題として「大手広告媒体に頼らざるを得ない」現状があります。そうなると毎月大きな金額を広告費にかけなければなりません。

一方、自社でSNSを構築すれば、広告媒体に頼らない集客を実現できるかなと考えました。基本的に不動産業界は、SNSマーケティングの発想が他業界ほど普及していない印象を受けます。

もちろん、現時点で問題なく経営できている状態であれば良いのですが、中には「このままじゃだめだな」と思っている不動産業者さんもいるので、私が新しい選択肢や方法を提案できればと思っています。

大学卒業もビジネスもやり遂げたい一心で大学休学を決める

ー大学に通いながら、事業を始めた理由はありますか?

大学3年生の冬ごろから起業したいと考え始めました。とはいえ、大学は卒業しておきたいと思っていました。

まずは休学して1年本気で事業に集中してみて、芽が出なかったら復学して社会に戻ろうと考えました。

ー卒業してからではなく、大学休学を選んだのは何か理由ありますか?

卒業してから事業にチャレンジするよりも、大学生のうちに始めた方がハードルが低いのではと考えました。もしうまく行かなかったら、大学生に戻れるという選択肢も残せるので。

また、実際に大学生で事業を始めてみたら、たくさんの大人の方がさまざまな知識や経験を教えて下さったり、知り合いを紹介して下さったんです。

早稲田の場合、休学制度がしっかりしているので、もしチャレンジしたいことがあるなら、後回しにせず、一度休学して始めてみるのはアリだなと私は思っています。

ー現在事業を起こしてみて楽しいですか?

毎日楽しく過ごせています。現在行っている事業は、自分の好きをベースにしたものなんです。それを自分の責任でPDCAを回せることがとにかく楽しい。

また、有名な方とお話する機会も増え、その後も縁があれば一緒にお仕事することにつながります。このような選択肢を選ばなければ、出会えなかった世界だと思います。

ー好きをベースにしているからこそ出会えたのですね。チャレンジしたからこそ大変だったことはありますか?

人間関係ですかね。起業したときはメンバーが3人いました。結果として現在は、僕1人で2人とはパートナーとして関わっています。

ー最終的にそのような形になったのはなぜでしょうか?

熱量にズレがあったのが理由です。一緒に働くと、どうしてもお互い期待してしまいます。皆さんはうまく対応するかもしれませんが僕の場合はそれができませんでした。

今は基本的に1人で仕事を行っているので孤独感もあります。人がいる場所へ意図的に行くことで解決はできるのですが、本質的な繋がりが希薄になってしまいます。

でも、事業の楽しさに比べると楽しさのほうが大きいです。一方で、その熱量を共有できる、同じ熱量を持てる仲間に出会う難しさをチャレンジして感じることができました。

ー行動を起こしたからこそ気づきを得たのですね。自身で事業を起こしたいと思ったきっかけが「投資」と友人から誘われた「古着販売」と伺っています。

はい。大学2年生のときに「投資」「古着販売」に携わりました。バイト以外の方法で稼ぎたいと思っていたんです。

ー稼ぐための手段としてバイトを始める学生さんが多いと思うのですが、自分で稼いでみようみたいと考えたきっかけは何だったのでしょうか?

投資の方は単純で、当時仮想通貨がとてつもない勢いで上がったので「おもしろいからやってみるか」と思いました(笑)。私自身、未知なものに時間を使ってみたり、調べたりするのが好きで本格的に投資と向き合いたいと思いました。

ーちなみに、資金はどう用意したのですか?

親に「学費貸してほしい」と頼みました(笑)。「残りの学費は自分で稼いで払うから」と。

意外にも理がかなっていたようで、親は「責任取るんだったらいいよ」といってくれました。結果的に仮想通貨はうまくいき、親の理解があったからこそリスクを取ってリターンを取る経験ができましたね。