映像制作で人を喜ばせたい。Miliyahが語るソサイチの魅力とは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第673回目となる今回は、ビデオグラファー・Miliyahさんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

福祉イベントを通じて動画制作をはじめ、現在はソサイチチーム・エルアグア東京の映像制作やSNS発信を担当するMiliyahさん。なぜ映像制作に携わるようになったのか、ソサイチの魅力について話してもらいました。

震災を経験して日本を大切にする思いが芽生える

実際にボランティアで行った釜石市の写真(2011年4月2日)

ー簡単に今どんなことをされているのか、ご紹介いただけたらと思います。

一般企業で働きながらいろんな撮影をし、編集をして動画を作っています。過去にはいろいろな団体に携わっていました。

今は7人制のサッカー『ソサイチ』というスポーツの『エルアグア東京』というチームで広報として映像制作をしており、SNS等にアップする活動を通し、『ソサイチ』の発展活動を行っています。

『エルアグア東京』はソサイチ関東1部リーグに所属しているチームで、今年の5月の全国大会で全国優勝2連覇をした強豪チームです。

ー高校卒業した頃に、東日本大震災でボランティアを経験したと伺っています。

私は当時川崎に住んでいたのですが、高校を卒業してすぐに東日本大震災がありました。震災の3週間後くらいに、被災地へボランティアに行きました。私の家族の友人が、岩手県釜石市の港で水産加工業を営んでおり、工場が被災してしまったので、何かできることはないかと思い、現地に飛んでいきました。

ニュースで見てたものが目の前にあり、怪獣が通った後のような光景でショックを受けたのを今でも覚えてます。作業をした場所からご遺体が発見され、とてもショックが大きかったです。

ーボランティアを経験したことで気持ちの変化はありましたか。

今後の人生で「日本をもっと大切にしなければならない」「もっと地元や自分の国を大切にしていかなければならない」という思いが芽生えました。

学びを得たイスラエル留学

ー高校卒業後は大学に進学してどんなことをされていたのでしょうか?

大学の学部は理学部でしたが、留学生のコミュニティに参加したり、イスラエルへ留学に行ったりと専門以外の活動もしてました。

ーなぜイスラエルを選ばれたのでしょうか。

イスラエルは0から1を作るのがすごく得意な国で、ITが特に発展していたり、ヨーロッパからするとリゾート地でもあり、そして歴史が深い国で魅力がいっぱいです。

また、私の父は高校を卒業して12年間イスラエルに留学をし、母と出会い結婚をしました。父は日本語からヘブライ語に翻訳する辞書を作るのに携わるなど、とてもイスラエルが好きな人です。

今はイスラエルと貿易が強い会社を経営しており、家でも仕事でイスラエルの人とヘブライ語で連絡をとったり、時たまイスラエルを感じられるほど、イスラエルが身近にある家庭で育ちました。

イスラエルの魅力に惹かれた事と、父の留学、結婚、仕事といったあらゆる場面でイスラエルが登場しており、私の家のルーツはイスラエルにあると思い、留学をしました。

ー1年間イスラエルに留学してみていかがでしたか。

「あの1年間に比べたら今やってることなんて全然軽いな」と思えるようになりました。

私がイスラエルで通っていた学校では、世界中に離散したユダヤ人がイスラエルに戻り、ヘブライ語を学ぶところでしたので、いろんな国からきたユダヤ人がいました。南米の地域の人や、アメリカ圏、ロシアといったさまざま国で育った方達でしたが、みんな英語ができるので私以外の人たちはお互いコミュニケーションが取れるのです。

クラスのみんなとコミュニケーションを取るためには、ヘブライ語を猛勉強しなくてはなりませんでした。人生で一番勉強したと思います。(笑)

危険な経験もしました。

首都のエルサレムに住んでいる時に、100メートル位先にあるバス停で自爆テロがあったり、隣の国のシリアで邦人が拉致された事件があったりと、日本では考えられない危険なことがありました。

日本に帰り、平和に暮らしているとあの大変だった時期に比べれば、大したことはないなと
思うことができ、何事もチャレンジできるようになりました。

ー自分が日本人であることを誇りに思う人がいますが、Miliyahさんも日本のルーツは大切にされているのでしょうか。

「日本が大好き」という思いは過去より増していると感じてます。イスラエルに行ったときに自己紹介をしたのですが、なかなか答えられなかったことがありました。

学校のクラスメイトのユダヤ人は、今まで育った国の魅力や文化、歴史を話すことができ、育った国もイスラエルのことも大好きで、拙いヘブライ語で育った国を紹介する出し物や魅力を語っている姿を見た時、愛国心があるなと感じました。

留学前に日本で飲食店のアルバイトをしている時、場所が渋谷だったので旅行で日本に来ている外国人のお客様がよく来られて。接客の中で、東京の観光地はどこ?日本で有名なものは何?などの質問もありましたが、聞いてくれたお客様が満足できる説明ができていないのではないかと感じることもあり、もっと自分の国について学ばなければならないと見つめ直しました。