器用貧乏も活かし方次第。5回の転職を経験した原口 遼に聞く、キャリアの可能性を広げる方法

広告代理店へ転職。力を蓄えてステップアップできるように

ー昨年末から広告代理店へ転職されたとのことですが、どのような経緯で決断したのでしょうか。

フリーランスとしての働き方は自分に合っていて、このままでも2〜3年は生きていける気がしたのですが、その後どうするか考えたときに、少し心にしこりがありました。

ではどうするか?ということで、フリーランスとして単価を上げていく方向や、フリーランスの内容で会社を作り人材を雇用していく、プロダクト開発に専念して労働集約から卒業するなど、いろんな選択肢を考えてみました。

そんな中、今はホップ・ステップ・ジャンプのステップのように、広い世界を見て力を蓄えてから次のキャリアを考えていくことにしました。29歳の今だからこそできた決断かもしれません。

ーもう少し詳しくお聞かせください。

まず、年齢の観点ですが、大手広告代理店へ転職するとなると、29歳の今と30代では難易度が変わると思いました。30代の転職はグッと難易度が上がるとされますし。

逆にいうと、フリーランスはいつでもできてしまう働き方なので、時代には逆行しているかもしれませんが、今はあえて就職の道を選ぼうという決断です。

そして、なぜ広告代理店かというと、今までベンチャー企業での就職を繰り返してきたものの、より予算感の大きなプロジェクトに携わりたい、ロジック中心もありつつ、より右脳を使ったアプローチをしていきたいと思ったことが大きいですね。

友人から、起業しないの?と聞かれることもあるのですが、立ち上げ初期の難しさを社員としてもフリーランスとしても味わったことから、まだその選択を取る覚悟がないなと思ったのが正直なところです。

実はフリーランス時代に一度チャレンジしてみたこともあったのですが、様々な要因も重なり、とても中途半端な形で終わってしまいました。

ー「自分は何者なんだろう?」という問いに対して、20代で答えは見つかりましたか?

今でも明確な答えはないですが、器用貧乏の活かし方があると気づけたのは大きいですね。

器用貧乏だからこそ、メインの仕事がマーケティングだったとしてもPRやHRで気づいたことがあれば他部署・他チームを積極的にサポートできますし、そこの役割を担う人材がいなくなったときにも大方のカバーができます。

また、現在はクライアントの事業に対するコンサルティングを行うという、今までやってきたことが存分に活きるであろうポジションなので、点と点がうまくつながった感覚があります。

ー原口さんの今後の展望についてお聞かせください。

短期的には、勤め先の会社で起こる一つひとつを楽しむことで自分の糧にしていきたい。そして長期的には、起業やフリーランスも考えていますが、選択肢は幅広くもっておきたいと思っています。

今は何年後に必ずこれをするというのは決めず、これからも探し続けるつもりです。

ー最後に、29歳以下の世代に向けてアドバイスをいただきたいです。

まずはやってみるのが一歩目として大事だと思います。ただ、私のように転職回数が多いのは決して望ましいことではないので、まずはやってみるのとセットで、やりきるのを意識すると、より高みに行けると思います。

一つひとつやりきってどんどん自信をつけて、ぜひ素敵な道を歩んでいってください。

ー幼い頃から挑戦をし続けてきた原口さんのお言葉、説得力がありますね。本日はありがとうございました。原口さんの今後のご活躍を心よりお祈りしています。

取材:黒澤朝海(Twitter
執筆:もりはる(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter