全ての人に平等な機会を。学生起業家・仲谷崚の人生のミッションとは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第561回目となる今回は、仲谷崚さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

現在、横浜市立大学で学業に励んでいる傍ら、2つの事業と学生団体を立ち上げた仲谷さん。事業を始めようと思った理由や、現在の生き方に至るまでの経験を語って頂きました。

大学生×3つの事業!横浜の学生をサポートしたい

ーまず、自己紹介をお願いします!

横浜市立大学3年生の仲谷崚(なかたに りょう)と申します。現在、勉学に励みながら、AILEWARDの代表、学生団体CEBA、オンラインの個人塾を経営しています。

ー大学に通いながら、たくさんの事業や団体代表を務めているのですね!具体的にはどんなことをするのでしょうか?

AILEWARDでは長期インターンの斡旋事業を行っています。学生団体CEBAでは、横浜市立大学の学生に向けた大学に関する情報を届けるWebメディアやYoutube配信など。

オンライン個人塾では、幅広い世代の学生の勉強をサポートするためオンライン上で勉強を教えています。

ー代表として就任されているAILEWARDでの活動について詳しく教えてください。

AILEWARDの事業内容は主に2つ。1つ目は企業情報のメディア運営、2つ目は学生と企業のマッチングサービスです。

僕が事業を始める前から、企業と学生のマッチングサービスはさまざまな企業で導入されていました。でも、ほとんどの案件は東京都内に偏っており、横浜市内や地方の案件が少ない印象を受けたのです。

そこで、AILEWARDでは横浜市内の学生と企業を結び付けたいと思い、フルリモートに対応している横浜市内の企業をメインに紹介しています。

ー横浜の大学に通っている仲谷さんが行っているので、横浜で就職したいと思っている方は安心感を持てますね!

そう思ってくれていると嬉しいですね。

インターン先を決める際に「どこの企業に行きたいのかわからない」「この企業でいいのかな?」と悩む学生が多いのにもかかわらず、相談できる人や場所が少ないと感じます。そのような学生の悩みに答えたいと思い、インターンの経験者や実際にインターン先へ行っている人たちと話す機会をつくるマッチングサービスも開発しました。

不安なままインターン先で働くのではなく、しっかり納得した上で応募できるようなサービスを目指しています。

ーサークルに入っていない大学生は、先輩と話す機会が少なく悩むことも多いと思います。そのようなサービスがあると不安も解消されますね。

はい。「今の自分にできるスキルはそんなにないけど、何か大きなチャレンジをしてみたい」と思っている学生がたくさんいます。

一方で、この事業を行っている中で、自身の能力を発揮できる機会や場所を見つけられていない学生たちが多いなと。長期のインターンに参加することで、できることが増えるだけでなく、自分ができることは何かを見つけるきっかけになると思っています。

プロの劇団に入団しチームワークの大切さを学ぶ

ーでは、仲谷さんの学生時代を振り返っていきたいと思います!高校時代はプロの劇団に入団されたそうですね。

はい。高校2年生の頃、サッカーチームに所属していたのですが自分には向いてないなと感じ始めました。またその頃、ダンスを本格的に習いたいと思っていたのでプロの劇団に入ることに決めました。

ーサッカー部を辞めて劇団に入団するというのは大きな決断かと思いますが、あえて劇団でダンスを習おうと思った理由はありますか?

ダンス教室に通ってスキルを磨くという選択肢もありましたが、オーディションを受けて選ばれた人たちとともにレッスンを受けてみたいと思ったのです。そのほうが良い緊張を感じながら、スキルを磨けるのではないかと。

高校の友人や知り合いは全くいない環境で、オーディションを受けて劇団に入団しました。劇団のメンバーはプロを目指している方が多かったため、高い目標に向かって皆さんと一緒に切磋琢磨しましたね。

ー自ら厳しい環境を選ぶのは勇気がいることだと思います。劇団に入られて何か得たものはありましたか?

劇団のメンバーと全国大会に出場し、優勝することができました。

ダンスはチームパフォーマンスなので、1人だけスキルが飛び抜けていても意味がありません。チームの協調性を保つことが大切です。劇団では1つの目標に向かってみんなで頑張ることや、チーム全体で1つのものを作り上げる楽しさを学びました。

自分の掲げた目標が達成できなかった。初めての挫折を経験した大学受験

ー劇団での経験が現在の活動にも生かされているのですね!劇団で全国大会優勝を制覇したのちに、大学受験を迎えますね。

初めは大学に行くつもりはありませんでしたが、母に「大学は行っておきなさい」と言われしぶしぶ……(笑)。正直な話、大学へ行かなくても面白い人生を送れると思っていました。

しかし周りの友人は、高校を卒業したら大学に行くという流れが当たり前な雰囲気でした。周りに比べて僕は勉強していなかったのもあり、周りから遅れを取りたくないという焦りが出てきてしまって……。

合格したいから勉強するというよりかは、周りとの遅れを取り戻すために必死に勉強していました。今振り返ると、方向性を間違えていた気がします。国公立大学を目指していたのですが、結局合格はできませんでした。

ー大学に合格できなかったことは、仲谷さんにとって初めての挫折経験だったのですね。

はい。大学に合格できなかったことは落ち込んだ理由の1つですが、自分が掲げた目標を達成できなかったのが一番大きかったですね。それまで「掲げた目標は絶対達成する」と自分の中で決めていました。

受験のときも心の中で「絶対達成できるだろう」と思っていましたが、結局達成はできなかった。今まで生きていた中で大きな挫折をしたことがなかったので、ものすごくショックを受けましたね。

ー現在の仲谷さんを作る大きな経験になったのですね。その後すぐに心の切り替えはできましたか?

「必ずやり遂げる」と決めたのに、その目標を達成せずに終わるのがどうしても許せませんでした。そのため、不合格とわかった後は迷いもなく浪人生活を選ぶことに。でも僕にとってその挫折は必要な経験でしたね。

ー受験や浪人生活は現在の仲谷さんにどのような影響を及ぼしましたか?

自分自身を見つめなおす重要性を知ることができました。

浪人生活を送る前は「これぐらいできるだろう」と自らレベルを設定していました。でもそれは間違いで、理想と現実のギャップに気づいたのです。

「今の自分はどのくらいのレベルなのか」「今自分は何ができるのか」と定期的に自分を見直し、認識することが重要だと受験・浪人生活を経て学びました。

新しいものを創り出すことが好き。次に目指すは視野を広げるための「就職」

ー現在の活動に至るまでのお話を伺います。4つの活動を行うことになった理由はあるのでしょうか?

国立大学を志望していましたが、結果は不合格。目標を達成できずに現在の大学に入学しました。

大学在学中に何かを達成させないと自分を許せないと思い、他の人とは違うことを始めたいと思いました。それが現在の活動に繋がっています。

ーたしかに現在の活動は、他の人はなかなか真似できないと思います!さまざまな事業や団体に携わることで不安はありませんでしたか?

まったく無かったですね。「やりたいと思ったら全部やる!」という性格なので(笑)。

ーそもそも、どうして事業をやってみたいと思ったのですか?

家庭が経済的に豊かではなかったことが大きな要因です。また、母親から常に「他の人と違うことをしなさい」「他の人と差別化を図らない限り人生で優位に立てない」と教えられていたことも理由の1つです。

母の教えや家庭環境から、自分自身でお金を生み出していくということに興味を持つようになりました。

ー事業を立ち上げる際に大変だと思う瞬間はありましたか?

新しいことにチャレンジしてきた中で、事業や団体を維持させるのは難しいなと実感しました。

例えば、大きなイベントを1つ開催して成功しても、次に繋げるためにはどうしたらいいのかがわからず……。

団体を維持させるためには目先のことにとらわれずに先を見据えた上で、団体としてどう活動すべきか計画を立てたり、どんなイベントを開催するか考えたりしなければならないなと思いました。

ー新しいことに挑戦をしてきた中で何か気づきはありましたか?

実際に事業を立ち上げてみて、自分は「何か新しいものを作る」「頭の中に描いた物をカタチにしていく」のが好きなんだなと。自分が楽しいと思うことをやり続けられるのがどれだけ幸せなのか気づくことができました。

ー最後に、今後の展望をお願いします!

僕は「全ての人に平等な機会を与えられる社会を実現したい」と強く思っています。それが人生のミッションです。そのミッションを達成するためには、僕自身の経験がまだ足りていないと思うため、まずは就職をして見える世界を広めていきたいです。

そして将来的には独立し、新しいものを作り上げたいと思っています。自分がやりたいことをやり続けられる人生を送っていきたいですね。

ーありがとうございました!新しいことを始める前は何かと不安になりがちですが、仲谷さんのお話を聞いていると勇気が出てきますね。仲谷さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:あおきくみこ(Twitter/note
執筆:Risa(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter