ハタチの挫折が気づかせてくれた”自分の感情に従う大切さ”とは Wooow代表・新井翔太

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第699回目となる今回はWooow株式会社代表取締役・新井翔太さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

現在主に事業開発やマーケティング戦略コンサルティングとTiktokを通じた企業のマーケティング、若手の採用支援を行っている新井さん。専門学校を辞めてから様々な職を経験し、また困難に直面しながらどのようにして自らの道を切り拓いていったか、また自分の感情と向き合うことで見えてきた”人生の最適解”についてお話頂きました。

自分たちができる、困っている人を救える仕事

ーまずは自己紹介をお願いします。

新井翔太と申します。Wooow株式会社という会社を経営しており、現在は、マーケティングの戦略コンサル事業とTikTokを用いたプロモーション支援に注力しています。

ーマーケティングやTikTokを使ったプロモーションについて詳しくお話伺えますか?

マーケティングは重要ですが、できている企業って少ないんです。一時期売り上げが上がっても再現性が作れず、2年も経てば業績悪化してしまう企業も多いなと。良くも悪くも企業に与える影響が大きい仕事なので、とてもやりがいを感じています。

TikTokのビジネス活用については、実は集客や販売促進効果がとても高く、弊社の店舗クライアント様でも人手が足らなくなるくらいの集客効果を出したりもしています。それ以外にも、若い人の採用にはとても有効的なSNSだなと思っていて、最近は若手の採用に苦戦している企業様に対するTikTokを活用した採用支援に注力しています。

ーということはTikTokはビジネスシーンで使われつつあるということですか?

いいえ。TikTokを活用している企業はまだまだ少ないです。TikTokは社会的にも事例が少ないので決裁者の決裁が通りにくいんですよね。ただ、ここ1〜2年でTikTokのビジネス活用は当たり前になってくると予想しています。

「1人じゃ生きていけない」信用と信頼に助けられる

ー元々マーケティングを学んだことはなかったとお聞きしましたが、以前はどんなお仕事をされていましたか?

専門学校へ通っていたとき、とても仲のいい地元の大学生の友人に誘われて、東京ドームで開催されるクラブイベントに運営側で携われることになったんです。かなり規模の大きい団体でしたね。

チケットを1000枚売ったにも関わらず、最終的には開催中止になりました。代わりに六本木と渋谷の12個のクラブを、日中貸し切ってやることになったのですが「規模も違うので行かない」「騙された」という人が出てきたんです。

ーでは当時は不安な毎日を過ごされていたのではないですか?

チケット代を返すために、誘ってくれた友人と私は借金をしたんです。そこから半年ほど自転車操業のような形になりました。私はイベントで動いていたこともあり、専門学校も出席日数が足りずに退学しなければいけない状況になりました。

イベント運営にはかなりの人が関わったのですが、返さずに上の責任にしていなくなった人もいると聞いています。20年来の知り合いも誘っていて、そこからの信用をなくすことに繋がる恐怖心が強かったですが、借金してでもきちんと返し終わったときは安心しました。

ーその後はどのような日々を送られていたんですか?

最初は自分で事業をやるなんて選択肢はありませんでした。そのため、地元で配管工事の仕事をしながら「一発逆転できることを探してほしい」と友人に頼んだこともありました。そこから東京でいろいろな人との繋がりが増えて、いろんなお話をいただきました。

ただ、イベントの活動費としてカードのリボ払いを多用していたので、毎月15万円くらい返済する必要があり、地獄のような日々を過ごしていました。このまま返していたら前に進めないと思い、一時期、金融機関にお金を返さない期間もありました。

ーそうだったんですね。かなり辛い時期が続いたと思いますが、今も活きている教訓のようなものはありますか?

ノリと勢いだけで意思決定してはいけないと思いました。マイナスの想定もして意思決定するようにする事は大切だなと。

特に20代の方は、なんでもノリと勢いでチャレンジしようとすると思うんです。しかし、どれだけマイナスになっても、ここまでしか損失がないから大丈夫だ。という下限を作っておくといいかなと。

そして信用は大事ということですね。失敗してもごめんと謝り、返金したことで相手にきちんと向き合った経験があるからこそ、それなりに人から信用されるようになったのかなと思います。

マイナスなことが起きても、友達や仲間の信用は大事だと思いますし、今も助けられています。私は1人では生きていけないタイプなので、これからも今の仲間達を大事にしたいですし、今では辛い経験ができてよかったと思っています。