自分の思いを大切に!好きなことを突き詰めた大西克直から学ぶ自分らしさの大切さ

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第697回目となる今回は、さとやまコーヒーを運営する大西克直さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

大好きなコーヒーを突き詰め、現在さとやまコーヒーを運営している大西さん。自分らしく生きることの大切さについてお聞きしました。

留学帰りの友達から海外の話を聞き、海外に興味を持つ

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

合同会社秋田里山デザイン代表の大西克直です。

現在は、自家焙煎した「さとやまコーヒー」を販売しており、売上の一部を資金源に、秋田県内の耕作放棄地の再生利用に取り組んでいます。

ー素晴らしい取り組みをされている大西さんですが、高校生のころにターニングポイントがあったとお聞きしました。どのようなことがあったのでしょうか?

サッカーばかりしている高校生活を送っていましたが、留学帰りの友達から聞いた海外の話がきっかけで、海外との文化の違いに興味を持つようになりました。

大学も、国際系の大学を目指すほどの影響を受け、大学や海外についていろいろ調べていました。英語の勉強に力を入れ、合格までがんばったことを覚えています。

ーそこから、現在されている社会活動に興味を持つようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

きっかけは、大学1年生のころにフィリピンに行って、ボランティア活動をしたことです。ボランティア活動では、実際にフィリピンの現状を見たり、現地の子どもたちと手を洗ったりするなど、根本的な問題解決に繋がらない活動をしていることに、違和感を覚えたのです。

もっと良い方法や活動はないのかと模索していると、ソーシャルビジネスというやり方に出会いました。ボランティアとは違う形で、社会に貢献できると思い、興味を持ちはじめました。

ー興味を持ちはじめてから実現に向けて、何か行動されたことはありますか?

留学の一環として、シンガポールにあるアジアのビジネスハブに行き、1年間ほどビジネスの勉強をしていました。

ービジネスの勉強をされたなかで、学んだことや感じたことはありますか?

学んだことはたくさんありますが、当時は、ただビジネスの勉強をすることに楽しさを感じませんでした。ソーシャルビジネスに興味を持っていたこともあり、学んだビジネスと自分の理想のビジネスに差を感じたのです。

改めて、自分は目的や理由のあるビジネスに惹かれているのだと気づき、ソーシャルビジネスについて、さらに深く考えるようになりました。

ーシンガポールから帰国後は、大学を休学したとお聞きしましたが、なぜ休学されたのでしょうか?

シンガポールでのビジネス勉強に、違和感を覚えたこともあり、具体的に自分が何をしたいのかを見つめ直すために休学しました。休学してからしばらくの間は、何をしようか悩んでいました。

何気なくみたコーヒーのドキュメンタリー映画が、人生の転機となる

ー多くのことを学ばれてきた大西さんですが、コーヒー豆の販売をしようと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

大学休学中にみた、コーヒーについてのドキュメンタリー映画がきっかけでした。その映画では、普段知り得ないことが紹介されており、コーヒーのビジネスには、多くの課題があることを知りました。もともとコーヒーが好きでしたが、ドキュメンタリー映画で紹介されたことは、知らないことばかりでした。

コーヒーについてのドキュメンタリー映画や論文をみていくうちに、コーヒーの世界にのめり込んでいき「もっと勉強したい」と思うようになりました。気づいたときには、東京でコーヒーの修行をしていましたね(笑)。

ーコーヒーの修行とは、具体的にはどのようなことをされたのでしょうか?

1年間ほど、サザコーヒーという有名なコーヒー店で、バリスタとして働いていました。かなり学習意欲が強かったので、コーヒーの淹れ方だけでなく、産地の様子や農園のオーナーから直接お話を聞くなどして、たくさんのことを学びました。

かなり成長できた期間だったと思います。

ー農園のオーナーさんからお聞きしたお話のなかで、印象に残っていることありますか?

パナマにある農園の話を聞いたことが、一番印象に残っています。コーヒーの育て方や、農園の環境についてなど、たくさんのことを聞きました。コーヒーを消費する側だったぼくにとって、新しい観点からコーヒーについて学習することができた、とても貴重な体験でした。

消費者だけでなく、生産者の立場になってコーヒーを知ることも、大切だと思うようになってからは、生産と消費についても興味を持つようになりました。まずは日本国内のお米や野菜の生産現場にも足を運び、より近い距離で生産と消費について勉強していました。