様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第662回目となる今回は、社長・佐藤慶一さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
地元静岡県で営業会社と法人向けの集客コンサルをしている佐藤さん。現在の事業を立ち上げた経緯と、営業をするにあたって大事にされていることをお伺いしました。
静岡で2つの会社を経営。うまくいく営業の秘訣は笑顔にあり
ーまずは自己紹介をお願いします。
静岡県で会社を経営している佐藤慶一と申します。大きく分けて2つの事業をしています。1つが営業会社、もう1つがメイン事業となる法人向けの集客コンサルです。
ー具体的にはそれぞれどんなことをされているのでしょうか?
営業会社では、仕事のコミュニケーションを学びたい人向けに、営業を実践的に学べる場を作っています。営業の手法としては、訪問販売や、テレアポ、実際の店舗に入ってするものがあり、選択型となっています。
法人向けの集客コンサルは、ホームページを作ったり、SNSの活用方法のサポートをしたりするのが主です。常に会社に来る50社の相談のうち、15社ほどを僕が担当しています。複合機や事務機、パソコンの導入もメーカーさんと協力して行っています。
ー営業を学べる場の提供は、どのくらいの規模で行っているのですか?
静岡県だけでなく、愛知県、長野県、岡山県、福岡県など、いろいろな場所で一緒に働くメンバーがいます。挑戦したい意欲のある方が学べる環境を、全国規模で提供しています。
ー営業を学べる場を作ろうと思ったのはどうしてですか?
僕が22歳でフリーランスとして独立したときに、ほとんど教えてくれる環境がなかったからです。半年間ほど、歩合制で訪問販売の営業をしていましたが、まったく契約が取れず、収入が0だったため、スーパーでアルバイトをしていました。それでも諦めずに営業を続けて、7ヵ月目から契約が取れるようになったのです。
僕の経験をもとに、稼げるようになるまでの期間をもっと短くして若い子を応援できる環境を作りたいと思いました。やりたいことを見つけてもらうための基礎として、接客のスキルを身につけてほしいと思っています。接客のスキルを持っておけば、生きていくのに困ることはありません。
ー営業を指導する際に大切にされていることはありますか?
笑顔を大切にしています。営業はお話を聞く立場なので、信頼して相談してもらえる環境作りにおいて、常に笑顔でいることが大切なのです。
ー法人向けコンサルの会社は佐藤さん以外に何名の従業員がいるのでしょうか?
従業員は4名います。地元静岡の企業を盛り上げることが、僕の企業理念の中にあるので少数精鋭でしっかりと事業を行っています。
老舗の企業は会社経営には詳しいのですが、SNSの活用には困っていることが多いです。僕の会社は逆の部分に強みと弱みを持っているので、お互いに教えあって、弱みをカバーしながら成長しています。
ー事業を2つやることは大変だと思いますが、どうして1つではなく、2つの事業を並行しているのでしょうか?
両方ともやりたいことだからです。自分に合う人たちと、全力で向き合っていると次にやりたいことが出てきたときもスムーズに仕事ができます。
ーここからは佐藤さんの過去を振り返ってお伺いしていきます。社長になる前はどのようなことをされていたのでしょうか?
最初は派遣会社で、派遣コーディネーターとして働いていました。工場の派遣に行く方の送り迎えは簡単だと思っていましたが、想像以上に過酷でした。出勤から帰宅までを僕が管理するのですが、風邪で休む人や面接で受かったにも関わらず1日目に飛ぶ人など、そもそも出勤しない人がいたのです。
PDCAサイクルを回すことで結果を出す。訪問営業で様々なことを学ぶ
ーそこから歩合制の訪問販売の営業に転職されたとのことですが、どうしてそのお仕事に転職されたのですか?
「何の資格も持っていない自分には何ができるだろう?」と考えたときに、営業がピンときたからです。営業をやるなら、やりがいを持ってやりたいと思って歩合制を選びました。
最初は歩合制ですぐに成果を出せると思っていましたが、現実は甘くなかったですね。
ー想像と違う厳しい現実の中で成果が出るまで続けようと思ったのはなぜですか?
自分は何者になるのだろうと考えていたときに、このタイミングでやり遂げないと、道を逸れてしまう気がしたからです。どんな状況でも最低1年は、絶対にやると決めていました。
ー23歳のときに大きなターニングポイントとお伺いしたのですが、どんなことがあったのでしょうか?
9ヵ月間スーパーのアルバイトと並行して訪問販売の営業を続けた結果、目標金額である100万円を稼げたのです。100万円を自分の手で稼げたときは非常に嬉しかったです。
ー9ヵ月間試行錯誤した中で何が100万円を生み出す要因になったとお考えですか?
PDCAサイクルだと思います。当時はPDCAサイクルという言葉を知りませんでしたが、自然と体の中にPDCAサイクルを回す感覚が染み付いていました。「1日全力で仕事をしてダメだった原因を考えて次に活かす」この流れを9ヵ月間繰り返した結果だと思います。
ーそれからまた人生のターニングポイントを迎えるわけですが、何があったのでしょうか?
新しく訪問販売の会社を設立しました。社員は10名いたのですが、それぞれの考えの方向性が違ったため、うまくいきませんでした。お客さん相手のコミュニケーションは取れていましたが、仲間相手のコミュニケーションはうまくできなかったのです。
その後、10人中1人だけ残ってくれた子と一緒に、初心にかえって全国で営業をしていきました。全国にある営業会社にご一緒させていただいて、いろいろな会社の営業のやり方を見ていきました。
営業フリーランスとして全国を回ったのちに地元静岡へ
ー全国で営業された中で印象に残っているエピソードはありますか?
福岡で営業をしていたときは、午前中の9時〜12時で仕事をして、午後から観光をしていました。このように自分の生活バランスを調節できるのが、営業の醍醐味です。
ー全国の営業会社を回った中で組織がしっかりしているチームは、どのような特徴がありましたか?
1人ですべてを抱え込まずに、役割分担がされていました。全体の管理者である上司、いろいろなケアをするマネージャー、同じ立ち位置で頑張る仲間の3つで構成されるチームはバランスよくできていると思いました。
ー全国を回って出会ったトップの営業マンに共通しているのはどんなところでしょうか?
目標設定がしっかりしていて、前日の準備を怠らず、継続的にたくさん行動できるところです。この3つができている人は、やりたいことに向かって動いている人なので、意識しなくても自然とできるのです。そのためにも目標を見つけることが一番大切なことだと思います。
ー佐藤さんの営業マンとしての強みは何がありますか?
初対面でも相手との距離を縮められるのが自分の強みだと思います。そこで必要になるのが笑顔です(笑)。笑顔で対応していくことで、関わりやすい雰囲気を出せますし、コミュニケーションが取りやすくなるので、仕事も早くなります。
ー全国を回った後に、地元である静岡に戻った経緯を教えてください。
環境による部分が大きいです。全国を回っていると、寒かったり、暑かったりする地域に行くことがありました。その中でもやはり地元である静岡県が住みやすいと思ったのです。
また、どこの地方に行っても「地元が好きで、地元を盛り上げたい!」と思って残っている方がいました。それを見たときに「地元を応援できるって良いな」と思ったことも静岡に戻った理由のひとつです。