「あなたはあなたのままで生きていい」私を認めてくれた言葉
驚きから入り、ポジティブに捉えるようになれた1つのターニングポイントだったのですね。その後、18歳くらいに体調を壊してしまったとか。
専門学校2年生のときに、うつになってしまいました。もともと、メンタルの起伏が激しい部分はあったのですが、この時期はより一層顕著に起伏の変化が出てしまい……。
高校卒業後は、興味のあった福祉の専門学校に行きました。初めの頃は、たくさんの知識が身に付くことが面白かったです。
しかし、いざ社会に出る時期が近づいてくると、どこか不安を感じるようになりました。自分らしくなく、人の目を気にし、自分に正直でないのが嫌で……。また、その頃から、いろいろなものに興味を持つようにもなり、どれか1つに絞らなければいけない抑圧もあり、精神のバランスを崩してしまいました。
自分に正直でないと感じるなかで、カミングアウトはされたのでしょうか。
家族にカミングアウトはしました。うつのときに、精神安定剤を多量に飲み、錯乱状態になったことがありました。そのときに初めてカミングアウトをしましたね。薬の勢いに任せて、家族にゲイですと言いました。まさかそんな状況で話すとは思わなかったです(笑)。
カミングアウトをして、ご両親のリアクションはどうでしたか。また、國中さん自身どのようなお気持ちになりましたか。
後日、母から手紙をもらいました。手紙には、カミングアウトしたときのこと、寄り添えなかった申し訳なさ、今後寄り添いたいという思いが書かれていました。
そして、「あなたはあなたのままで生きていいですよ」と自分を肯定してくれる文があったのです。この言葉のおかげで、改めて自分も変わろうと思えるようになりました。
薬の勢いに任せてのカミングアウトでしたが、言ったことで安心しました。親に否定されることなく、受け入れてくれたので。そして、そこまで深く悩むことでもないのかもと思い始めました。いろいろとすっきりしたのか、いつまでもこうしてはいられないと思い、その後は何ごともやってみようと思えるようになりました。
自分のやりたいことに、素直に「やろう」と思えるようになる
いよいよ植物療法との出会いがあったとのことですが、どのような経験を通して出会ったのでしょうか。
セルフケアがきっかけで、植物療法とは出会いました。このままではいけないと思い、まずは、自分の心を回復させようと思っていたところ、たまたま植物療法をネットで発見したのです。
ちょうど植物療法の体験会があったので、参加しました。体験をして、とても幸せな気分になりました。心が軽く、穏やかに、心地よくなれたのです。
セルフケアをしていくうちに、気づいたら職業になっていました。植物療法の第一人者であるお師匠さんと出会えたことで、また世界は変わりました。ありがたいことに、お師匠さんの会社や植物療法のハーブショップで働きました。
この頃から、自分に素直に行動できるようになったとか。そして、いろいろなことに挑戦したとか。植物療法からの、ハーブショップからの、ら・ら・らに出会って。
はい。ハーブショップで働いていたときに、ら・ら・らと出会いました。1人のお客様に「楽ちん堂って面白い場所があるんだけど、来ない?」と言われたのです。そのお誘いがきっかけで楽ちん堂に通うようになりました。
そして、ら・ら・らの代表の話を聞き、なんて自由で素晴らしい場所なのだと感じ、ここで働くことにしました。
また、一昨年から写真の学校にも通い出しました。ずっと写真はやっていたのですが、そこまで本格的ではありませんでした。あるとき、ら・ら・らの代表が、私の写真を褒めてくれたのです。この言葉がきっかけで、本格的に写真の勉強を始めることにしました。
昔だったら、いくつも手を出すことはしていなかったですが、自分がやりたいことはやろうと素直になってみました。
精力的に活動後、独立をされていますが、独立したときはどのようなお気持ちでしたか。
不安は常について来るものなので、ないと言ったら嘘になるのですが、不安よりも、やっちゃえという気持ちが強かったです。ノリでやってみようと思い、独立しました。わくわくする気持ちが勝ってました。
では、最後に苦しい経験をしつつも、自分らしい生き方を見つけられた國中さんから、みなさんへメッセージをお願いします。
辛い経験をしても、悲劇的にならないでください。決して、マイナスに捉えないでください。自分自身に正直になって、自分らしく、楽しく過ごしてほしいです。
今回、私の記事を読んで“マルチポテンシャライト”を、新たに知った人も多いと思います。私みたいに、いろいろなことに興味が湧いて、どこかふわふわしている自分に悩んでいる人。時代はどんどん変化し、マルチにいろいろなことができる世の中になってきていると思います。自分のことを否定するのではなく、受け入れてあげましょう。
ありがとうございました!國中さんの今後のご活躍を応援しております!
取材者:武田健人(Facebook/Twitter)
執筆者:田中彩子(Twitter)
編集者:えるも(Twitter)
デザイン:安田遥(Twitter)