意識的に離れて新しい世界にチャレンジする|フリーライター・おのまり

就職活動から休学を決断。自分と向き合い、インターン先に就職

ー就職活動の話をお聞きする前に、大学3年の夏休みに参加したフリーランス養成講座での学びについて教えてください。

当時の私は食とは出会いましたが、どんな仕事をしたいのかまではわからない状態でした。

モヤモヤとした思いを抱えるなかでFacebookの広告で見つけたフリーランス養成講座に参加。初めてフリーな生き方を知り、とても素敵な生き方だと思ったと同時に、1人でキャリアを築けることに驚きました。

一方で、新卒でフリーランスになれるか考えると怖くなりました。大学を卒業して企業に就職する人が多いなかで、レールを外れるのが怖かったのです。さらに、フリーランスとしてキャリアを築くスキルはないため無理だろうと思っていました。

そのため、フリーランス養成講座を通してフリーランスに憧れていましたが、フリーランスになる勇気がなくて就職する道を選んだのです。

ーその後の就職活動はどうでしたか?

「自分は何をしたいのか」「どんな未来を歩みたいのか」わからずに就職活動をしたのですが、応募した会社にあった自分を作って面接をするうちに、なんとなくでキャリアの一歩目を踏み出していいのか不安になりました。

不安な気持ちを抱えたまま就職活動をしてはいけないと感じ、やりたいことに取り組む期間として1年間休学することに。

ー就職活動で感じたことから休学を決断したのですね。休学中に取り組んだことを教えてください。

休学中は自分と向き合いながら学びたいことにフルコミットすると決断しました。

就職活動中は中断していた食のボランティアを再開したり、食のビジネスを体験するためにインターンをしたり。また、韓国留学にもいきました。

自分のことを人見知りだと思っていましたが、新しい人と話すのが好きだったり、人に興味があったりするなど自分の特性を発見しました。

ー休学して再び就職活動をすることになります。インターン先に就職するまでの経緯を教えてください。

就職先を決めるまで、志望企業に直接応募したり、イベントに参加して出会った経営者にやりたいことを伝えて縁をつなげる方法で就職活動をしていきました。

休学して、好きなことを仕事にしないとモヤモヤする時間を過ごすと思い、インターンをしていた会社に正社員として就職しました。

ーインターンをしていた会社に入社してからの日々について教えてください。

会社は農家さんから集荷した野菜を駅ナカで販売する八百屋事業をしていました。

社員が私だけだったので、毎日軽バンに乗って集荷して搬入、接客などすべての業務を担当。また、社長の商談について行ったり、SNS発信をしていたりしました。

とても忙しくて、楽しくて、やりがいがありました。しかし、社長1人で経営を回している姿を見て、「何のスキルを磨いていきたいのか」や、「社会課題にどう向き合うのか」を考えるように。

社長がいるから働けている状況から、スキルを身につけて自立できるキャリアを描かないと、いつまでも他人に甘えた人生になると考えるようになりました。会社で挑戦できる環境にありましたが、体調を崩したことが相まって、インターンを含めて1年働いたタイミングで退職しました。

旅しながら働き、価値観を広げていきたい

ー退職したあとはフリーランスになったのですか。

一度は転職を考えました。転職するまでの期間を半年と決め、アルバイトをしながらブログを更新。

更新を続けているうちにクラウドソーシングサイトでSEOライティングの仕事を受注できるようになって。少しずつ安定して収入が得られるようになったタイミングで開業届を出してフリーランスになります。

ライティングのスキルがつき、自由度が広がりました。1人で仕事を受けてお金をいただくのは責任は重いですが、やりがいがあり、安心感がありました。

ースキルがつくと自由度が上がって安心ですか。

フリーランスは安心な生き方ではないと思いますが、スキルが身につくことへの安心感はありました。

退職するまでは会社に頼らないと生きられないと思っていましたが、大学生のときに受講したフリーランス養成講座で知った生き方のHOWを知った瞬間でした。

ーライティングの仕事で生活できるようになって気づいたことはありますか。

最初はライティングでは生計を立てられなくてアルバイトをしていました。しかし、ライティングの仕事が増えてからはアルバイトが趣味に変わりました。

アルバイトに頼らずに生活できるようになり、仕事や楽しみ方の選択肢が広がったのです。

ーでは、開業届を出したタイミングでアルバイトは辞めたのですね。

そうです。最初はSEOライティングのみだったのですが、友人の声掛けでインタビューライティングに挑戦するようになりました。

人に話を聞いて書くインタビューライティングが楽しく、仕事の8割を取材にするほどでした。

SEOの世界から一歩踏み出したことでインタビューに出会えたのです。

今いる世界は落ち着きますし、安心しているということは狭い世界でしか生きられないことだと考えています。意識的にコンフォートゾーンから離れて新しい世界にチャレンジするのが大事だと思います

ーおのまりさんの原点である食料廃棄につながる部分はありますか。

アプローチ方法は会社員以外にもあることに気づきました。

サステナブルや食料廃棄、ソーシャルビジネスについての記事を書いたり、発信したり。

ライターとして関わることができると考えるようになり、ソーシャルビジネス系のメディアやサステナブル系のライティング募集などにアプローチをして仕事を始めています。

私の原点はすべて食にあります。

ー最後に、おのまりさんの今後の展望を教えてください。

昔、Web記事に助けられた経験からソーシャルビジネス系やメンタルヘルス系の記事を書いていきたいです。

また、理想の働き方である旅しながら働くを叶えるために、旅をしながら様々な人に出会って価値観を広げていきたいと考えています。今は1ヵ月に1回は旅に出ることから実践しています。

ーありがとうございました!おのまりさんの今後のご活躍を応援しております!

取材:丸山泰史
執筆:Kumi(Twitter
編集者:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter