ポジティブな思い込みから自分の可能性を広げる。クリエイター・飯島夢の天職と出会う方法

ポジティブな思い込みから、ヤングカンヌ日本代表へ

ー営業部門からクリエイティブ部門に異動されたときの心境を教えてください。

異動当初、ハードルの高さを感じる部分もありました。美大出身でもなく、クリエイティブについてすごく勉強してきたわけでもないからです。

ーハードルの高さはどのように乗り越えたのですか?

もう自分にはクリエイティブの才能があると思い込んで取り組みました。思い込んでやったら、意外と楽しめたんです。

人から「頑張ってるね」と言われましたが、自分はそんなにしんどくなくて。努力をしていると思わずに続けられるので、クリエイティブの仕事が天職だと思えました。

ー25歳の時、ヤングライオンズコンペティション(通称:ヤングカンヌ)の日本代表に選ばれたそうですね。

雑誌広告を作る「プリント部門」で、 2022年の日本代表に選ばれました。ヤングカンヌは、広告業界の30歳以下が出場するコンペティションで、若手クリエイターが出場する登竜門のような位置付けで開催されています。

わたしはコピーライターとしての活動もしているので、デザイナーと組んで出場しました。

ーヤングカンヌに出場したきっかけは?

デザイナーの子に誘われたんです。その方とは、宣伝会議で阿部広太郎さんが主催する「アートとコピー」という講座で出会いました。「アートとコピー」は、アートディレクターとコピーライターがペアを組み、広告や企画をつくる講座です。

講座の序盤にそのデザイナーの方とペアを組み、企画をつくる機会があって。ですが、お互いまだまだ成長してない段階だったというのもあり、全然うまくいかなくて。「あれ?」となりました(笑)

そんな中、講座最終日に「もう一度やったらできる気がするから、ヤングカンヌ一緒に出てみない?」となって、半ばノリで出場することに。実際に、コンペでは講座序盤にペアを組んだときより、お互いのいいところをうまく引き出しあえました。

ー代表に選ばれるまでに苦労したことはありますか?

予選から本選の間が本当にしんどかったです 。日本と世界で受け入れられる広告の違いを理解できていませんでした。他にも知らなかったことがどんどん出てきたんです 。学ぶことが尽きませんでした。

ー世界に向けた広告を考えるにあたって、難しかった部分はどこですか?

いろんな背景を持つ人が共通して驚き、共通して共感できるポイントを考えるところです。 日本国内なら興味や関心が想像しやすいのですが、同じやり方では世界で戦えません。いろんなバックボーンを持った人たちのことを考える必要があるからです。

ー苦労を乗り越え、日本代表に選ばれたときの気持ちを教えてください。

すごく嬉しくて、泣きました。 クリエイティブで頑張るぞという覚悟も、そこでできた気がします 。コンビニへご飯を買いに行っているときに結果を聞き、とりあえずフワフワしないで、ちゃんと家に帰らなきゃ!という気持ちでした。

天職にこだわりすぎず、挑戦を大切にするキャリアを築く

ー現在は仕事に対してどのような考えを持たれていますか?

今の仕事は天職だなと思っていますが、だからといってあまり領域を縛らずにやっていきたいと考えています。これだけが天職!と思いすぎると、自分ができることだけに固執してしまう側面がある気がして。

副業が認められている環境をうまく生かしながら、自分の才能を伸ばしていきたいですね。

ー今後の展望を教えてください。

これまで経験がないことにも取り組んでいきたいです。たとえば、飲食店の企画を最近やってみたいなと思っています。空間デザインにもすごく興味があります。やってみたいことをまず小さくでも形にするところから取り組んでいきたいですね。

ー飯島さん流のやりたいことの見つけ方を教えてください。

SNSで周りの人の様子がすごく目につき、やる前に「自分よりできる人いるから」「自分より好きな人いるから」と諦めがちな人が多いなと感じています。それは結構もったいないですよね 。

1 回「自分にはできる」って思い込ませて、やってみる。ちょっとやってみて違うと思えばやめたらいいと思います。やる前に色々吟味しすぎないことですかね。

ー最後にU-29読者にメッセージをお願いします!

ここまで何度かお伝えしてきましたが、才能があると思い込むところからはじまることを伝えたいです。

あと自分の熱量や想いを発信することは大事です。実績がなくても、勉強していたり興味があったりすることは、十分なアピール材料だと思うんですよね。

10代や20代は人それぞれ転機があり、知識やスキルがゼロでスタートする局面があると思います。そんな局面でも、ちゃんと外に発信することやアピールすることはできると思っていて。

自分から発信すると周りからチャンスがもらえたり「こういうことがやりたい人」と認識してもらえたりします。わたし自身もそうやってきて良かったなと思っています!

ーありがとうございました!飯島さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:岩津立樹(Twitter
執筆:naoko(Twitter / note
デザイン:高橋りえ(Twitter