人生の再スタートを切る辻田敬介から学ぶ、どん底から挑戦し続ける姿勢

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第955回目となる今回は、異業種の三足の草鞋をはく辻田敬介(つじたけいすけ)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

ECサイトの運営、ウェブマーケティング会社のCSO、農業法人の活動と幅広い事業に挑戦をする辻田さん。新卒で入った訪問営業ではストレスの積み重ねでうつ病を発症します。

人生のどん底だと思った経験からも、わずか1ヵ月で新しい道に挑戦。人の縁に救われたという辻田さんに、辛い経験をしても新しい挑戦をやめない姿勢をお話しいただきました。

正義感が強く学校をよりよくしようと燃えていた小学生時代

ーはじめに簡単な自己紹介をお願いいたします

静岡県静岡市在住、2023年から独立して活動している29歳の辻田と申します。

現在の仕事はEC制作/運用事業をメインに、WEBマーケティング会社CSO、農業法人広報企画責任者として活動しております。

人とのご縁で携わる業界の幅が広がり、3職種とも楽しみながら働いています。

ー辻田さんの幼少期はどのようなお子さんでしたか

小学生のころはクラスで一番を取りたいと思い、誰よりも勉強に励んでいました。

周りから頭がよいと思われたくて。「モテたい」「家族に褒められたい」「友達にチヤホヤされたい」という願望が強かったです。

ー小学生の高学年には、人間関係がうまくいかなかったとお伺いしています

学級委員を務めており、誰にも頼まれていないのに「人をまとめなきゃいけない」「環境を変えなきゃいけない」と使命に燃えていました。

授業中や休み時間にふざけている子を見ると、職員室へ連れて行く取り締まりをしていました。「賢い人は偉い」と思い「自分が正解だ」と信じて、行動した結果です。

気づいた頃には、友達と呼べる人は二人だけに。当時を振り返ると「自己顕示欲の塊だったな」と思います。

ー正義感に燃えていた小学生でしたが、中学に入学して、ドラマをきっかけに変化があったとお伺いしました

当時流行っていたドラマ「ごくせん」を観て「かっこいい!」「憧れる!」と思い、勉強はやめ見た目の格好をつけるほうへ振り切りました。

小学校6年生の後半から「このままだとダメだ」と自分を変えたいと考えており、よいきっかけでしたね。「ごくせん」のおかげで殻を破れたなと思っています。

高校入試に落ち、両親に誇れる自分を目指して

ー15歳の高校入試のタイミングで大きな出来事があったとお伺いしました

地元の公立高校を受験したのですが、見事に落ちました。中学に入学してから真面目に勉強をしていなかったのですが、小学生で一生懸命に取り組んだので「やらなくても自分は勉強ができる」と自惚れていました。

難関高校でもなかったため「なんで自分が落ちたんだろう?」と精神的にとてもしんどかったです。

両親にも迷惑をかけ悲しませてしまい、私自身も落ち込みました。学校から家に帰る足取りはとても重かったです。

ーいろいろな思いのなか、私立高校に進学されたと思います。高校生活はいかがでしたか?

高校入試では両親を悲しませてしまったので、小学校の頃のように誇らしく思ってもらいたいと考え、資格取得に励みました。受けられる資格はすべて取るという気持ちで勉強漬けの日々。

高校では先生や友達にも恵まれ、一緒に勉強して励まし合いました。その結果、受験したほぼすべての資格を取得。

資格を取得することで、勉強が好きだなと改めて実感しました。新しいことを覚え、自分の成長につながっているなと感じるからです。

ー高校卒業後は2年制の専門学校に入学され、20歳で就職されたとお伺いしました

スポーツビジネス学校に通い、スポーツに特化したマーケティングなどを学びました。就活を終えた後、内定取り消しになった経験があります。

1月の時点で受けられる仕事は営業のみ。なんとかNTT西日本グループの営業の会社に入ることができ、家族も喜んでくれ、自分の将来が楽しみでした。

営業成績は上位に食い込むも、出る杭になり打たれてしまう

ー就職後はどのように仕事をされていましたか

午前中に研修を終わらせて、午後からはいきなり訪問営業を行っていました。張り切って営業回り。「フレッツ光」というよい商品を取り扱っていたため、お客さんも話をよく聞いてくれて、私のことも可愛がってくれて、仕事は楽しかったです。

一生懸命仕事に取り組んでいると結果もついてきて、社内の全国営業成績ランキングの上位に継続してランクインでき、自信が持てるようになりました。

営業の仕事にやりがいを感じ、お給料もよく順風満帆でした。

ー順調に進んでいたところから苦しい時期に変わったとお伺いしました

成績が伸び目立つと、先輩からの指導が厳しくなります。営業を取れなかった日は、夜中の12時までロールプレイング研修。

研修自体は「次の日に結果出してギャフンと言わせてやる」とモチベーションに変えていました。

結果が出てきたことをきっかけに最年少で役職をつけて頂きました。その際、社内で一番私を叩いていた先輩が直属の部下になり、多くの苦労があったことを思い出します。

結局なかなかうまくいかず「人間関係」と「責任者としてのプレッシャー」のストレスに追われるようになりました。

そんなある日、急にスイッチがプツンと切れます。もう動けない、家から出たくない、電話に出たくない、誰とも会話したくない。2週間ほど家から出ずに寝込み、病院に行くとうつ病と診断されました。

今までがんばってきて、認めてくれてる人もいたのに、誰の力にもなれないと自分を責めていました。

ー同じようにストレスを抱えながら生きてる方へ、アドバイスはありますか

生活リズムを整えたほうがよいとアドバイスをしたいです。私がうつ病になったときは、夜12時まで仕事をして、朝は9時ごろに起きる夜型の生活をしていました。

「夜型の人は暗いことを考えやすい傾向がある」と本で読み、朝型の生活に変えました。朝型の生活に切り替えると気持ちが大きく変わります。

朝型の生活によって、朝早くに起きて「今日は何をしよう」から始まり、自分のやりたいことや一緒に仕事したい人が思い浮かんだり、今日は仕事を早く終わらせて好きなことをやろうと考えたり、気持ちが前向きになりましたね。

食事にも気を使うようになりました。栄養があるものや、野菜をたくさん摂り、青汁も飲み始めました。青汁は1000日以上毎日飲んでいましたね。

生活リズムや食生活から体を整えることを意識すると、気持ちも自然に変わりました。