今しかない「思い出」を写真に。フォトグラファー山田悠喜が、写真に全てを注ぐワケ

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第933回目となる今回は、フォトグラファー山田悠喜さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

大学入学後、すぐにコロナ禍となり、外出することが出来なくなった当時。「このままで本当にいいのか」と疑問を抱きはじめ、「誰もが挑戦できないことを果敢にやってみよう」と西日本を横断してみたり、フォトグラファーとして活躍したりと自分に向き合った山田さん。

フォトグラファーとして、自分が後悔しない納得できる道を歩み、努力する根源はなにかを伺いました。

大学入学直後にコロナが蔓延、やりたいこがやれなくなる

ーそれでは、山田さん自己紹介をお願いいたします。

はい。山田悠喜と申します。よろしくお願いいたします。

現在は関西を拠点にフォトグラファーとして、複数の業務委託をいただいております。同時に「フォトラベ」というものを立ち上げ、「青春」をテーマに、全国の様々な地方や島の高校生の卒業写真を撮影しています。

ー山田さんのご出身はどちらになりますか?

出身は滋賀県大津市です。中学3年生まで滋賀にいまして、高校生のときに京都の私立にいくようになりました。

ー高校卒業後は、進学されたのですか?

当時は、特に将来について具体的な考えがなく大学へ。ちょうど入学後すぐに、コロナが蔓延し、最初の1年間は大学へいくことができませんでした。その為、友達と交流する機会が一切なかったです。

外出さえも難しくなり、家にずっと待機しなければならない状況の中、単純に春休みが2ヶ月延長された様な、絶望的な気持ちになりました。

ー具体的にはどんな心境の大学生活だったのでしょうか。

「これからどうなるのか?」という悩みや、憤りでいっぱいでしたね。

せっかく色々なことができる貴重な大学生活を、何もできない状態になったので、不安でいっぱいでした。

「なにかを変えたい」と思い立ち、バイクで西日本横断

ーコロナ禍で、いろいろな事が制限されている中、山田さんはどんな行動を?

コロナ禍の中で、「動けないことを理由に、なにもしないのはダメだ。なにか行動しよう」と考えていた時、西日本を原付バイクで横断することを思いつきました。

ーしかし、大学の授業がありますよね?

大学の授業はすべてリモートのため、パソコン一つあればどんな環境でも授業が聞けます。「どうにかなるだろう!」と考え、計画性なく、西日本の横断を始めました。

ーすごい行動力!どうして原付バイクで、西日本に行こうと考えたのですか?

とりあえず、なにか行動したかった。失った時間を取り戻したくて。

もともと旅行が好きだったこともあり、「残された大学生活は、自分にしかできないことをやりたい!」という気持ちから、行動しました。

ー実際にやってみて、どんな感情が芽生えましたか?

最初原付バイクで横断を始めた時は、ものすごい解放感でした。ワクワクが止まらない。「やってよかった!」と思い、とても嬉しかったです。

高校生の時や、大学生のコロナ禍では、思いつかなかった様なことを行動できて、貴重な経験となりました。

改めて、「挑戦したいと思ったことはなんでもやってみよう!」と自信がつきました。

ー本当に行動してよかったですね。実際に西日本を横断していく中で、思い出に残るエピソードはありましたか?

兵庫県の尾道に寄った時の出会いが、僕の人生の大きな転換期の一つです。もともと、銭湯が好きで、尾道にいった際、寄り道をして温泉に入りました。

その時に、声をかけた男性と意気投合し、その方から「ゲストハウスが近くにあるから寄らない?」と招待をうけたんです。「ちょうど岡山から戻ってくるメンバーと、この後パーティーをするんだ」とのことで、そのままゲストハウスへ足を運ぶことに。

ー突然誘われて、怖くなかったですか?

怖かったです(笑)なにかあったら、すぐに逃げる準備と覚悟だけはできていました。でも、そのゲストハウスに寄ると、たくさんのお客さんが集まっていたんです。

ーどんな方がいらっしゃっていた?

例えば、大学を1年休学して、尾道に来た方。観光マーケティングを学ばれている方や、25歳でライターをしている方、39歳で漫画家を目指して、毎日漫画を書いている方などがいました。

その方々に、なぜ今の仕事をやろうと決めたのか、きっかけや経緯などをたくさんお話を伺いました。

ーいろいろな方々とお話をして、どんなことを感じましたか?

当時の大学生の自分には、本当に大きな刺激となり、みんな好きなことに向かって、目がキラキラした大人が集まっている。皆さん素直に生きている人達で、とても羨ましかったです。

改めて、行動してよかったと思いました。