自分の軸でキャリアを作っていく|FLOW代表・多葉田愛

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第899回目となる今回は、株式会社FLOW代表で、ふたり広報を運営する多葉田 愛(たばた・あい)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

ふたり広報で活躍している多葉田さん。高校時代に交換留学でドイツを訪れてから学年最下位だったこともある英語を学び直し得意科目に。イギリスにインターンに行った大学時代、オーストラリアでのワーキングホリデーを経て、TABIPPOに入社し、ふたり広報を立ち上げます。

多葉田さんに学生時代や今後の展望などについて伺いました。

交換留学で訪れたドイツから帰国後、英語を学び直し、得意科目に

ー簡単な自己紹介をお願いします。

はじめまして、多葉田愛です。元々はフリーランス・複業広報として活動していましたが、2023年3月に法人化し、現在は広報を軸に会社を経営しています。広報チームの「ふたり広報」やスクール事業「Marble(マーブル)」などの事業にも取り組んでいます。

新卒で2年間広報をしながら旅行事業の立ち上げをした後、オーストラリアでワーキングホリデーを経験し、旅を広める会社でセールスを3年しました。

ーここからは多葉田さんの幼少期を振り返っていきます。幼少期はどんなお子さんでしたか。

小さい頃はとても人見知りで、小学校から高校まで友達がほとんどいませんでした。また、好きなものや夢中になるものもなかったですね。高校のときにホームステイでドイツに行ってから海外にハマりました。

ー人見知りで人と関わるのが苦手と思っている中でドイツに行こうと思った理由はありますか。

中学受験の勉強で夜遅くまで起きている時に、バンに乗っていろいろな国を旅する番組を見ていました。その番組で映っていたドイツの街並みがとてもきれいで、憧れを抱きました

その後、偶然ドイツの高校と姉妹校提携をしている高校に進学。当時はドイツや英語への興味がなかったのですが、交換留学の欠員募集の掲示を見て、テレビに映っていたきれいな街並みを見てみたい一心で応募してドイツに行きました。

ードイツを訪れて、驚いたことや感じたことはありますか。

同じ高校生なのに、自分の意見を主張して、それに対して責任を伴う行動をしていることです。

ドイツでは高校生で運転や飲酒もできるので、私から見ると大人びた印象でした。他にも自分が受けたい授業を選択して勉強している姿や、政治やニュースへの関心の高さにも驚きました。

ホストファミリーと一緒に食事に行った際に同じものを注文しようとする私に「周りに合わせるのではなく、自分の好きなものを選んで!」と言われた時はハッとしました。

些細なエピソードですが、何も考えずに周囲に同調するのではなく、意志を持つことを大切にするドイツの文化を実感しました。

ードイツから帰国後、自身に変化はありましたか。

留学前は英会話で学年最下位を取るくらい英語が苦手で、担任の先生からも「英語を伸ばしなさい」と言われていたほどです。

ドイツで「英語を話せたら友達ができるし、世界が広がる」と肌で感じてからは、自主的に英語を学ぶようになりました。中学英語から学び直して、大学受験で英文学科を選択するほど得意科目になりました。

イギリスの日系企業でインターン

ー大学入学後、20歳のタイミングでイギリスにインターンシップに行ったそうですね。詳しく伺ってもいいですか。

大学2年生のときに、授業のプログラムの一環でカナダに短期留学しました。ただ、ドイツに行ったときの衝撃が大きかったので、刺激が足りませんでした。

この経験から3回目の留学では、自分で作る留学で新しいチャレンジをしないといけないことに気づいたのです

現地でインターンシップをしようと考え、留学したい人と現地で受け入れてくれる企業のマッチングイベントに参加しました。取り組みたいプロジェクト内容を書いたレジュメを持って企業を回るうちに、イギリスで留学エージェントをしている日系企業から声が掛かり、2ヵ月弱イギリスでインターンシップをしました。

ー自分の実現したいこととマッチした状態でイギリスに行き、学んだことがあれば教えていただきたいです。

1つめは、WordPressのサイト運営や取材などです。当時は「パソコン持っていない、サイト制作にお金がかかることを知らない、サーバーやドメインってなに?」といった状態でした。インターン先の人に教えてもらったり、参考となるメディアを見たりして勉強しました。

2つめは友だちを100人以上作る勢いで行動したことです。現地の料理スクールに通ったり、フラッシュモブを踊ってみたり。Meetupをはしごすることもありました。

インターン先でのメンターとの最後の振り返り時に「足りない部分を見つけられたなら、そこが伸びしろ」と言われて。反省すべき部分はありましたが、客観的に捉えたことで次の行動につながりました。

ー大学を卒業してベンチャー企業に就職するまでを伺ってもいいですか。

イギリス留学を経て、広告代理店をはじめとするクリエイティブ系の仕事に興味を持ち始めました。ちょうど、就活解禁時期が後ろ倒しになった時期だったので、2社でインターンシップをした後に1DAYインターンシッププログラムに参加。

数ある企業の中に、まちづくりの会社がありました。ワークショップでまちづくりのアイデアを考えるのが楽しかったので、会社がプロデュースした施設を見に行ったり、代表や担当者と話したりするうちに興味が湧いてきて。

私が「こうなりたい」と思った人たちのいる会社に入らないと後悔すると考え、UDSへの入社を決めました。入社するまでは島おこしインターンシップに参加して、まちづくりに関する実体験を積む期間にしました。

ー就職する際、企業や職業ではなく、やりたいことを探して決めたのですね。

イギリスに行ったことで、フリーランスやワーキングホリデーなど多様な働き方をする日本人に出会いました。また、自分の好きやワクワクする気持ちが強い会社に行きたいと考えていました

ーまちづくりのどのような点に魅力を感じたのですか。

まちづくりの会社には企画や設計、運営など様々な人が関わっています。

設計や運営はできなくても、企画の面で大学で学んできた異文化コミュニケーションや情報発信など、私しか持っていないスキルやアイデアを活かせるかもしれないと思いました。