様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第886回目となる今回は、ROSCA株式会社リーダー・高橋 心(たかはし・こころ)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
様々な失敗や挫折を経験してきた高橋心さん。そんな高橋さんが語る「失敗は自分次第で乗り越えられる」とはどのようなことなのか。失敗や挫折で悩んでいる方へ、高橋さんのメッセージをお届けします。
面談は「ヒアリングではなくインタビュー」
ー自己紹介をお願いします。
高橋心と申します。北海道出身で大学時代に東京に上京してきました。渋谷のベンチャー企業に新卒の一期生として入社。上場準備中の組織でエンジニア採用のコンサルティングチームのリーダーを担当しておりました。
上場を経験した後に、現在のROSCA株式会社に一人目の社員として入社しました。現在はエンジニア専門のキャリアアドバイザーとして転職の支援やフリーランスの独立支援、エンジニアを採用したい企業様への採用コンサルティングをおこなっています。
ー日々エンジニアの方と接する機会が多いのでしょうか?
はい。一日で多いときは6人連続で面談をすることがあります。その方の叶えたいキャリアビジョンをお伺いさせていただき、現実的な範囲でキャリアのご提案をさせていただいています。
ー面談で意識されていることはありますか?
ヒアリングではなくインタビューすることを心掛けています。単純にほしい金額や通勤時間の希望など、誰でもできるような質問だけではありません。本人が本質的に何を大事にしているのか、どのような軸を持って意思決定をしていくのかを引き出せるようなインタビューを意識しています。
「アクション数を増やす」仕事にもつながったアルバイトでの経験
ー第一志望であった東京の大学に入学されたとお伺いしました。第一志望に合格されてどう思いましたか。
大学受験は小学校から勉強してきた集大成の場と思っていました。よい大学に行かないとよい生活ができないと当時は本気で思っていたので、しっかりと勉強して第一希望の学部学科に合格することができ、強烈な成功体験を得て東京に出てきました。
ー大学生活はどのように過ごされていましたか?
北海道出身の学生だけが住める北海寮に住んでいました。北海寮は80年ほどの歴史があり、私の父もOBでした。北海寮での生活はとても楽しかったです。
大学ではフットサルサークルに入り、毎日楽しく通っていました。アルバイトは歌舞伎町で居酒屋の声かけをがんばりました。
ー寮での生活はどうでしたか?
とても上下関係が厳しかったです。同じ空間に先輩が入ってきたら必ず挨拶をしなければいけません。さらには、先輩が部屋から出るときに「失礼します」と言わないといけないので、間接視野で先輩を見ないといけないのは大変でした(笑)。
ー大変な一面が多い中で、寮に入ってよかったと感じたことはありますか?
実は入ってよかったなと思うことのほうが圧倒的に多かったです。北海寮に入るには倍率3倍の難関をくぐり抜けないといけません。貴重な出会いがたくさんあり、東京大学の学生やおもしろい思考をもった先輩方など普通では知り合えないような方たちと知り合うことができました。
いろいろな業種や業界に行った先輩方とのコネクションがたくさんできたので、北海寮に入ってよかったと思っています。
ーアルバイトは何をしていましたか?
居酒屋にお客様を呼び込む客引きのアルバイトをしていました。客引きはお客様を呼び込むほどお金をたくさんもらえます。最初は恥ずかしく、断られることが多かったですが、仕事だと割り切り、稼ぐために必死にがんばりました。アルバイトではアクションの数を増やすことが大事だと学びました。
ー大学を休学したとお聞きしました。
はい。一番大事な大学に通って学問を学ぶことを疎かにしてしまい、留年したので両親に北海道に連れ戻されました。北海道では学費を貯めて東京に戻ろうと思い、アルバイトをしていました。
夜までコールセンターで働き、夜は得意な居酒屋の客引きをしていました。コールセンターの仕事は肌に合わず、すぐにやめてしまいましたが、居酒屋の仕事は自分の実力次第で給料が上がっていくので必死にがんばりました。
ベンチャー企業に入社し、上場を経験
ーベンチャー企業に入社した経緯を教えてください。
当時は客引きのアルバイトがうまくいっていたので、大学を辞めて、客引きの世界で生きていこうと思っていました。しかし、心の中で客引きの世界から抜けたいと思っていたのです。
心配している両親を安心させたいことや客引きの売り上げがトップでしたので、自分の営業力に自信があり、営業の仕事に入社して腕試しをしたいと思いました。そこでベンチャー企業に勤めている北海寮で仲のよい先輩から、お誘いのお話をいただき入社しました。
ーいきなりベンチャー企業に飛び込むことは不安もあると思います。どのような心境でしたか?
コネクションがないと入社するのは難しいと思うので、不安よりラッキーだなと思いました。人生を逆転するには勢いのあるIT業界で圧倒的な結果を出すしかないと思っていたので、このチャンスを逃すわけにはいかないと思い、入社を決めました。
ー入社当時、悩んだこともあるのではないでしょうか?
とても悩みました。半年程で会社のメンバー全員を抜かせる自信があり、鼻高々に入社しましたが、IT用語やビジネス用語がわからず、社会人としての基礎を学ぶところからのスタートだったのです。
結果を出せず、自信とプライドが折れた半年間を過ごしました。大学を辞めたことを後悔したくないと強く思っていたので、必死にがんばることができました。
ーその後は上場を経験していますよね。上場できた大きな要因は何だったと思いますか。
組織として上場を目指していく時期に私は入社して、約2年半後にリーダーとしてマネジメントを行いながら上場するという経験ができました。入社当時はうまくいかなかったことのほうが多かったですが、時間を使って努力できたことがリーダーとして上場できた大きな要因だと思っています。
当時から暗記力には自信があったのでほかのメンバーが苦手としている部分を覚えることに力を注ぎました。少し違った戦略をとったことで結果が出たのだと思います。