つらい経験を糧に、仲間が働きやすい環境づくりに奔走。GLOBAL FLAT 倉本孝雄

「イエスマン」が原因でスランプ。周囲との関係も悪化

ー転職してから絶望の期間があったとお聞きしたのですが、当時のことを教えていただけますか?

転職して2年目から3年目は絶望の期間でしたね。自分を過大評価していたところがあり、軽はずみに「やれば何でもできる」と思っていました。職場で仕事を任されたら、すべて引き受けてしまう「イエスマン」だったのです。

そして、どんなことにも「はい」と答えていたら、すぐに自分のキャパシティを超えてしまって。とうに限界なのに、もっと仕事を引き受けてしまいミスが多くなりました。

自分のせいでスタッフの仕事を増やしたり、ときには失敗の言い訳をしたりしてまわりの信用・信頼を失っていきました。そうして、自分の行動が原因で「皆が働きにくい環境」を作ってしまったのです。当時は本当にまわりが見えておらず、「なんで自分だけこんなにつらい思いをしなければならないのか」と思っていました。

きっかけは理念研修と本。ものごとを客観視できるように

ー絶望の期間から元に戻ったきっかけは何だったのですか?

弊社の代表が大事にしている理念研修と、『7つの習慣』という本との出会いがきっかけです。

ー理念研修についてお教えください。

理念研修では、「自分が何のため生まれたのか」という原点の話を代表が熱意をもって話します。自分の過去を振り返り、将来へどのようにつなぎ合わせていくのか、また命の使い方をどのように改善するかを学びました。

ー理念研修で考え方がどのように変わりましたか。

仕事ができないのを言い訳に、逃げることばかりを選択していた自分がちっぽけに感じました。こんなことで悩んでいてはダメだなと実感できたので、僕の中ではインパクトの大きな研修でしたね。

ーとても大きい変化ですね。当時の心情から考察するに、変わらざるを得なかったのですか?

社内の皆さんが本気で僕にぶつかってきてくれたのも大きいです。夜中2時までzoomで自分について話してくれることもありました。あの時間は本当に苦しかったです。しかし、自分と向き合う時間をたくさん作ってくれたことで、「お世話になった方々の期待にこたえたい」という想いが生まれました。

このような考え方の変化があったから、「もっと変化して生まれ変わりたい」「きちんとした人間にならないといけないな」と感じましたね。

ーそのような大きな変化が生まれたと考えると、挫折の経験は大きな意味をもっていたのでは?

そうですね。最初はプライドが高く、自己評価も高く見積もっていたところから、どん底まで落ちる経験をしたので、その両方の経験を話せるなと思っています。現在一緒に働いているスタッフや学生時代の友人が辛そうにしているときは、ある程度心情を感じ取れるようになった気がします。

また必要なときは「○○したほうがいいんじゃない?」という助言もできるようになりました。自分が過去につらい経験をしてきたからこそ、色々な人に寄り沿えるようになったのだと思います。

ー絶望から這い上がるためのもうひとつのきっかけとなった『7つの習慣』についてお聞かせください。

この本と出会って、ものごとの見方が変わりました。それまで自分の人生に対してまったく主体的ではなく、言われたことに対してイエスマンをしていただけだったので(笑)。

『7つの習慣』の1つめにある、「主体的であれ」をきっかけに自分には何が必要か考えるようになりました。何を吸収して、どのように自分を変えれば人生がより豊かになるかを常に考えています。

『7つの習慣』をきっかけに、本をよく読むようになりました。わからないことがあれば本から学んで、自分に必要な要素を取り入れています。

ー『7つの習慣』を読んで心情が変化した後、具体的に何か変わった点はありますか?

様々な事実を客観的に多方面から見るようになりました。例えば、雨が降ったら「悲しい」と思う人がいるとすれば、同時に「恵みの雨だ」と思う人もいます。このように考えると、1つの事象に対して考えを1つにしぼるのはもったいないと感じたのです。

ものごとを多角的に見られるようになってから、自由度が増した気がします。また、今やりたいと思っていることの理由を少しずつ深堀りできるようにもなりました。

ー1社目に入社した際は独立を目標にされていたと思うのですが、今も独立したいと思っていますか?

最初は「独立」という形に囚われていたのかもしれません。自分がたどるべき通過点として「会社のビジョンに貢献」があるので、まずはここできちんとやるべきことを果たしていきたいと思っています。

会社の理念である「つながるコミュニティで世界を平和に」にならって、人と人がつながるコミュニティを自分でも作れるようにしたいです。あとは自分の経験を色々な人に伝えて、変化・成長に寄り沿っていきたいです。

ー最後に、今後やっていきたいことがありましたら教えてください。

一緒に働いている仲間が元気に働いてくれる環境を作っていきたいです。スタッフのフォローをしつつ、現場を守れる人間になりたいと思っています。

ーありがとうございました!倉本孝雄さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:和田晶雄(Twitter
執筆:uzmuu(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter