「あえて人と比較する」北山裕貴が仕事・キャリアにおいて良い意思決定をするために意識していること

今回は、株式会社ホットリンクでマーケティング部リーダーを務める北山裕貴さんをお招きしました。

これまでのキャリア、学生時代の経験、働く上で意識していることなどについて伺います。

 

「本当に良いものを、正しく届けたい」

–現在の仕事内容を教えてください。

株式会社ホットリンクは、ソーシャルビッグデータとデータ解析技術、独自のメソッドを用いて再現性の高いSNSマーケティング支援サービスを提供しています。私はマーケティング部リーダー、ソーシャルメディアマーケティング2部リーダーを務めています。

マーケティング部では、弊社への問い合わせ数最大化を目標としてセミナーの企画や集客等に取り組んでいます。ソーシャルメディアマーケティング2部では、「社内に運用リソース・ノウハウがない」というクライアントに対して、企業アカウントの運用代行・コンサルティングを担当しています。

▽株式会社ホットリンク HP
https://www.hottolink.co.jp/

–仕事や事業を通じて実現したいことを教えてください。

弊社が提供しているのはユーザーが良いと思った声を最大限生かしていく仕組みであり、各ブランド、担当者が作り出している良いものをさまざまな方法で伝えていくことができる仕事です。

大学生の頃から「本当に良いものが正しく届いた方が人類にとって良いはずだ」と思ってた私にとって、まさにそのようなことができている実感があります。


※2024年上半期準MVP受賞時の写真

–働くおもしろさを感じる瞬間はありますか。

実際の業務では、変化するSNSのアルゴリズムを理解し、仮説を作成した上で検証するための施策を実施していきます。その過程で気づきが生まれることが面白いですね。

私自身が「どうしたら、今よりもっとうまくいくようにできるか」と考えることが好きなので、自分に合った仕事ができていると感じています。

–仕事の上で意識していること、心がけていることはありますか。

もともとが楽観的な人間ではありますが、ポジティブな気持ちで取り組み、失敗してもチャレンジを続ける姿勢で働いています。

「道筋や方法がイメージできているものは即実行」「分からないものは、悩んでいても仕方がないので、まずは調べながら進めてみる」

そうシンプルに考えることで、迷ったり悩んだりすることが少なく働けていると思います。

 

人を動かす伝え方を試行錯誤した後夜祭実行委員時代

–幼少期〜高校時代はどのように過ごしてきましたか。

小学校から高校まで、サッカーに長く打ち込んでいました。

また、中学受験を経験して、一貫校で過ごしました。高校では、学園祭の最後に2時間程度ステージを使って開催する後夜祭の実行委員長を務めた経験が強く記憶に残っています。

当時は仲が良かった生徒会長に声をかけてもらい、後夜祭実行委員長に就任しました。高校3年生の頃に活動していたのですが、ちょうど受験期が重なり、私も同級生も皆忙しい時期でした。

後夜祭の準備を進めている中で、周りの協力をうまく得られず、自分が率先して進めていたものの最終的には行き詰まってしまいました。今考えると反省点もありますが、結果的には周りの助けを得ながら後夜祭を実現することができ、イベントとしても成功と言えるものになりました。

準備期間には模擬店の紹介動画の制作も行ったのですが、「人に何をアピールしたくて、どうしたらそれが伝わり、面白がってもらえるのか」と考えながら、制作に取り組んでいたのは面白かったですね。

大学受験の際には、もともと「メディアや広告関係の仕事に就きたい」と考えていたので、関連領域を学べる学部学科を中心に調べ、進学先を選びました。

–大学時代はどのように過ごしていましたか。

大学1〜2年生まではただ漠然とした大学生活を送っていたのですが、就活のことを考えて次第に焦り始めました。

大学3年生からはもともと関心があった領域で事業を営む会社でのインターンシップを始めました。

自分なりにビジネスアイデアを考え、妄想するのが好きだったので、インターンシップを始めてからは周りとそういう話をすることが増えました。

–ビジネスに関心を持ち始めたきっかけを教えてください。

正直なところ、明確なきっかけは覚えてないですね。広告業界の賞に関する発表会や関連雑誌をみることは、以前からの趣味でした。「広告が広まる背景には、さまざまな施策と良いビジネスアイデアがあるんだ」と気づいてから、よりビジネスにも関心が広がっていったのだと思います。

–どのような方法でビジネスアイデアに関して情報収集をしていましたか。

大学在学中は企業主催のビジネスコンテストにも参加しました。「斬新な採用システムを提案してほしい」というテーマで、私が考案したアイデアをもとに、チームで応募しました。書類選考を通過し、役員に説明する段階まで進み、賞を獲得できたのは自信に繋がりました。

一方で、「これだけやっても、一番上の賞を得ることはできないのか」と感じ、自分の限界が見えたような気持ちも味わいました。この時必死で打ち込んだことで「自分が0→1で新しい価値を生み出すことは難しいかもしれない」「もともとあるアイデアが今後広がることを支援していくこともいいかもしれない」という考えも浮かび始めました。

–大学時代の経験・思い出の中で、そのほかに印象に残っているものはありますか。

大学を1年休学していて、同級生とは卒業の時期がずれたのですが、同級生が卒業するタイミングで彼らの代の卒業旅行に一緒に行くことになりました。行き先はイタリアで、その際に訪れたヴァチカン美術館の印象は強く残っています。

多くの人が教科書などで一度は見たことがあるような素晴らしい作品が並び、来場者の様子、雰囲気に感動しました。その一方で、当時の芸術家は作品を作り続けるだけでは生活ができなかったことも知り、才能があるだけでは生きていくことができない現実の厳しさにも自分なりに考えをめぐらせ、感じることがありました。

–入社の経緯を教えてください。

「メディア」「広告」「マーケティング」といった領域への興味があったこと、0→1よりも1→10以降の支援に取り組める仕事が自分に合っていると考えていたことを軸として就職活動を進めました。

ホットリンクのビジョンである「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」や、業務内容が自分に合うと感じ、入社を決めました。

–実際に働いてみて、学んだこと、自身の成長に繋がった場面はありましたか。

働き始めた後、1人で仕事を抱えてしまった時期がありました。このままではいけないと気づけたきっかけは、当時のクライアントからのフィードバックでした。

クライアントの期待に応えられるアウトプットを出せず、フィードバックを頂いた際、それまでの自分の仕事の仕方やスタンスを振り返ることになったのです。「自分1人で生み出せるものは、チームで生み出せるものよりも少ない」と改めて気づき、改善することでその後好転していきました。

 

自他を比較し、現在地を知ることで良い意思決定ができる

–今後の目標、今後実現していきたいことはありますか。

仕事を通して、「良いものが届く社会作りに貢献したい」「良いものが届く過程で、情報を正しく届けることに関わり続けたい」と考えています。

–読者の若者、後世の世代に伝えたいメッセージ・アドバイスはありますか。

「人と比べなくていい」という言葉がありますが、私はあえて相対的に比較すべきだと思っています。

というのも、人は1人で生きていくことは不可能で、常に世の中や組織の一部であり、他者からの評価、他者との関係性と自分を切り分けることができないですよね。それを理解した上で、社会、他者の視点と自分の視点の間で比較をすることで、現在地を測ることができます。今の自分の良い点、改善すべき点を分析し、意思決定することを続けることで前向きに生き、働ける状態をキープすることができるのです。

読者の方の中で、こうした自分の意見に共感いただける方がいれば、一つの参考にしていただければ嬉しいです。

 

取材・執筆=山崎 貴大