様々な経歴を持つ方々が集まり、これまでのキャリアや将来の展望などを語り合うU-29 Career Lounge。今回はめぐりっつ代表・井上晶湖さんにインタビューしてきました。
彼女は過去、モデル・味噌タレント・フードトラック事業・広報/PRと、様々なキャリアを切り開いてきました。
2020年1月からは、CREATIVE PARTY LLCにもジョインし、事業プロデューサーも務めています。
一見キャリアに”一貫性”がないように見えますが、井上さんなりの想いと決断の数々を聞けた、素敵な回となりました。
パティシエの道を選ぶも、「モデルになりませんか?」からキャリアが転身
ーー元々はパティシエの道を考えていたみたいですね。目指そうと思ったきっかけは何でしたか?
井上:小中学生の頃から”お菓子作り”が好きで、高校生の時に「パティシエになりたいな」と思ったんです。
きっかけは、小さい頃から作ったお菓子を友達にプレゼントをしていたのですが、喜んでもらえたのがシンプルにうれしかったからです。
兄がいるのですが、薬学部に通っていて。六年制で学費がかかるので、両親に負担はかけまいと「私は一年制の専門学校に行こう!」と決めて、大阪府辻製菓専門学校に入学しました。
ーー素敵なエピソードですね。そこから”モデル”の道へ転身したんですよね?
井上:そうですね。一年制なので、入学した途端に”就活”をしなければいけない学校だったんです。
実習・実習・実習で、毎日お菓子作りに奮闘していました。沢山のお菓子を作っては食べての繰り返しだったので、気付いたら体重が8kg太ってて……。
ーーそれは大変!大好きなお菓子も嫌いになりそうですね。
井上:おっしゃる通りなんです(泣)。太っちゃって自信を失くしていたのですが、ある時「モデルをやってみませんか?」とオファーをいただいたんですよ。
自信を失っていた中、そんなお声をいただけたことがうれしくて。早急にダイエットをはじめ、モデルの道へ歩みました。
「味噌になりたい」と思い、モデルから”味噌タレント”へ
井上:実際にファッションモデルの経験もさせていただけました。「こんな世界があるんだ、楽しいな!」とワクワクしていましたね。
ありがたいことに”ブライダルモデル”の依頼も受けていたので、これを機に、大阪から東京に上京しました。
ーーモデルをきっかけに上京したんですね。ただ、ここからまたガラッと変わって”味噌”を極めはじめたんですよね?
井上:そうなんです(笑)。モデルの仕事はとても楽しかったんですが、「この仕事でいいのかな?」と違和感を感じはじめて。
モデルは”商品の広告塔”であり、自分が紹介したいものを紹介できる、というわけではないんです……。
ーーたしかに、なるほど。
井上:ある時、味噌汁を飲んでいたんですが、そこで急に味噌の可能性を感じた私は「”味噌”と関わりたい……!」と思うようになったんです(笑)。
味噌は”和”はもちろんですが”洋”にも合うんですよね。そして何より、味噌汁を飲むとほっこりした気持ちになれる。「”味噌”みたいになりたい」なと。
そこで味噌をもっと知るために、地方の酒造を周りはじめました。
ーー実際に周られたんですね。すごい行動力!
井上:実際に色んな方と話してみると、後継者がいなかったり、いい味噌を作っているけど、大量生産ができないという現状を知りました。
そこで「私が東京で味噌の魅力を伝えます!」と言って、YouTubeでの発信をはじめましたね。後に”味噌タレント”として、味噌のPR活動も行なっていました。
「素敵な商品を届けたい」。その想いではじめた、フードトラックビジネス
ーー今までのエピソードだけでもかなり濃いですが、フードトラックで日本一周もされましたよね。きっかけは何でしたか?
井上:味噌に関わる中、”健康”にも着目していた時がありました。そこで分かったのは、地方の味噌は”その土地でしか得られない素材”で味噌を作っていたんです。でもこの事実は、実際に関わっていないと気づけないんですよね。
また、私の中で夢ができて。素敵な商品を届けていって、自然と”笑顔”になれる空間を創っていきたいと思ったんです。
「何ができるかな……」と考えた結果、行き着いたのが”フードトラック”でした。
ーーすてき。”味噌”から、もっと大きな視点に繋がったんですね。順調に進んだんですか?
井上:壁にぶつかってばかりでしたね。
元々経営もはじめてでしたし、資金もそこまでなかったので、ゼロからのスタートでした。ただ、周りの方からアドバイスや応援をしていただけたので、課題を1つ1つクリアにできました。
ーー特に大変だったことは何でしたか?
井上: 1番は、1人ですべてを切り盛りしていたことですね。
例えば、素材や健康を意識していたので、ご飯は酵素玄米にしていて。酵素玄米を作るのに4日寝かせないといけないんですよね。他にも掃除や下準備などもあって。
自分がやりたい仕事ができたので幸せでしたが、「ずっと続けていくのは大変かも……」と、日々葛藤はしていましたね。
やりたいことをしているのに生じる”ジレンマ”。めぐりっつでの挑戦
ーーフードトラックでの活動は約1年ほどされていたんですよね。そこから、めぐりっつへの活動に転身された経緯をお聞きしたいです。
井上:フードトラックの活動をしていて、「自分が求めるライフスタイルとはちょっとズレてる」と気づきました。
例えば、「親孝行したい」や「週1で旅行に行きたい」と思っても、日々忙しくしていたので叶えられないんですよね。
ーーたしかに、やりたいことをしているのに生じる”ジレンマ”ってありますよね。
井上:そうなんですよね。また、今後のキャリアを考えていた頃、朝活で”目標達成ワーク”に参加していました。
そこでは、やりたいことがあるけど、忙しくて手を出せない”ママ”や”女性”が多く参加していて。この時に「テームでなにかをしたい!」と漠然と感じるようになりましたね。
そして、「生涯笑顔で働ける場所作りをしたい!」と思い、めぐりっつを個人事業主をしてはじめました。
”女性のみ”で広報やプロモーションの活動をしているのも、こういった背景があります。
かっこいい自分を見せたかった。私が熱量を持ち続けられた理由
ーー今までの活動をお聞きして思ったのは、ガッツがあるなと思って。大変なこともあった中で熱量を持ち続けられた理由はなんですか?
井上:色んな出来事があるんですが……。フードトラックをしていた時は、自分の発言に責任を持ちたかったのかもしれません。
周りに「フードトラック事業を絶対にやるんだ!」と言っていたので、何としてでも果たしたかった。モデルをやっていたので、自ずと「有言実行を果たした”かっこいい自分”」を見せたかったんだと思います(笑)。
もしやりたいことがあれば、周りの人に”宣言”をするのは、とても効果的ですよ。
取材:西村創一朗、執筆:ヌイ