挑戦するときは自分のペースで。絵本の店omamori店主、まるのさきさんらしい挑戦の仕方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第840回目となる今回は、絵本の店『omamori』店主、まるのさきさんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

絵本作家やイラストレーターとしても活動しているまるのさん。自分のペースを崩さず、自分が歩みたいように前へと進む、まるのさんらしい挑戦の仕方についてお話いただきました。

国内外を忙しく動き回る活動的な学生時代

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

まるのさきと申します。現在27歳です。2022年の7月に新潟県三条市に移住をして、10月より『絵本の店 omamori』をオープンしました。よろしくお願いします。

ーどのようなコンセプトの絵本屋さんなのですか?

omamoriは、絵の多い本専門店です。絵本だけではなく、漫画や詩集、図鑑、エッセイなども置いています。お子様はもちろんですが、大人の方が自分のために絵本を選び、楽しんでいただけるような絵本屋さんを作りました。

お店の名前のように、「だれかのお守りになりますように」と願いを込めて、1つひとつ選書しています。困ったときや疲れたとき、寂しいときに、小さな心の拠りどころになるような絵本をお渡しできたらいいなと思っております。

ーここからは、まるのさんの過去を振り返ってお伺いします。どのような学生時代を過ごされたのでしょうか?

学生のときはいろいろなことに手を出すタイプで、友達から「今どこにいるの?日本にいるの?」と聞かれがちでした。

大学1年生のときに、初めて自分の意志で海外に行ったんです。インドで3週間を過ごして、そこから海外に行くことにすごくハマってしまって。

海外でのプロジェクトに参加したり、NPO団体に入ったり、単純にバックパックもしていました。パタパタと忙しく動き回ってる学生時代でしたね。

妥協せずに悩みぬき、納得度100%で入社

ー大学卒業後の進路はどう選択されたのでしょうか?

私は将来の夢が明確にないタイプで、夢に向かってこうしていきたいというよりは、その都度やりたいことをするタイプでした。

就活のタイミングになっても、自分が絶対にやりたいと思うことが見つからず、内心は苦しんでいました。実は就職活動に悩みすぎて1度休学もしているんです。

それでも自分の人生のことなので、妥協することができず、選考を100社ほど受けたり、様々な会社のインターンにも行ったりしていました。長期的に就職活動をして、最終的にはリクルートに入りました。

最初は違う業界でお仕事をしたくて就活をしていたものの、就職活動をしながら思っていた環境とは少し違うなと思っていました。

そんなときにリクルートの面接が入っていたので、あまり志望度が高くなかったことなどを率直に話してみたんです。違和感があることや将来の目標がないのがコンプレックスであることを打ち明けてみました。

ちょっとした悩み相談のようなことをしていたら、「じゃあうちの会社で夢を見つけたらいいよ」と面接担当の方がいってくださいました。

リクルートは、選考に進む過程でも社員さんの人柄に惹かれていたので、最終的には納得度100%の状態で入社させていただきました。

ー実際に入社してみていかがでしたか?

毎日が楽しかったです。私は、中途採用をしたい企業さんと転職をしたい方のマッチング事業に携わっていました。企画部で働いていたのですが、とにかく社内の方々に恵まれ、尊敬できる方ばかりの中で働いていたので、あの日々が今でも大好きです。

仕事がつらいことも、叱られることもありましたが、それでも毎日成長実感をもちながら刺激的に働いていました。

コロナ禍での寂しさや焦りから心身に不調が現れる

ー入社2年目に、人生の満足度が下がってしまうような出来事があったそうですが、どのような状況だったか教えていただけますか。

入社2年目が始まるときに、コロナ禍に入りました。それまで毎日のように出社していたのに、突然フルリモート勤務になりました。

最初は「出社がないのはラッキー」と思っていたのですが、少しずつしんどくなってきてしまって。オンラインコミュニケーションがあまり得意ではないことでストレスがたまったり、人と会えない寂しさが募ったりしていき、孤独を感じていました。

旅行やアウトドアの趣味ができなくなってしまったときに、家の中で自分のことをご機嫌にできる方法が見つからず、ぼーっとしながら毎日を過ごしていました。

寂しさと一緒に焦りみたいなものもあって。元々の性質なのですが、生産性を求めるタイプなので、誰かと比較したり、過去の自分と比較したりして、自分はなにもできていないなと焦りも感じていました。

当時の自分に声をかけるとしたら、「ちょっと肩の力を抜いて、自分が心地良い方向に進んでいくといいこともあるよ」と言ってあげたいです。

ー寂しさや焦りを感じたときに、どんな行動に移されたのでしょうか。

コロナ禍が長期化しそうだなと感じたときに「なにかやらなきゃ」と焦りに駆られて、家の中でできることをやってみようという気持ちになりました。

そんなときに絵にまた出会いました。小さいころから絵を描くのが好きで、大人になってからもたまに描くことはあったのですが、改めて画材を揃えて描いてみたんです。

当時は、まさか仕事になるとは考えていませんでしたね。