様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第785回目となる今回は、岩津 立樹(いわつ・りゅうき)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
職業「旅人」作る人として活動している岩津さん。今回は、岩津さんの旅の歴史から今後のビジョンまでお伺いしました。
なよなよな幼少期から「人生を旅に捧げる」と決めた大学3年生
ーまず初めに自己紹介をお願いします。
大学3年次に休学して、世界一周の旅に出ました。世界一周の旅が僕の人生のターニングポイントになりました。
「旅っていいな」「旅をするとこんなに人って幸せになれるんだな」と気付き、僕の人生を旅に捧げることを決めました。それからは、旅を広める会社で事業に関わったり、人材会社で「旅するように働く人」を増やすコーディネートをしたりしています。
ー幼少期はどのように過ごされていましたか?
物心ついた頃から、よさこいに打ち込んでいました。よさこいを始めたきっかけは覚えていませんが、気付いたら高校生が終わる頃まで約10年間続けていました。
10年間続けられた理由は、よさこいを通しての自己表現に魅力を感じていたからです。よさこいを通して、人に見られたり認めてもらえたりする感覚を持てて、子役として演技に打ち込んでいた時期もあります。
また、昔から承認欲求が強くて。よさこいをして「すごいね」って言ってもらえることが素直に嬉しかったです。誰から褒められることが、自分の生きるモチベーションですね。
ー岩津さんは、幼少期からさまざまな活動に取り組まれていて、やはり活発で明るい性格だったのでしょうか?
舞台では明るく見えますが、教室では隅っこにいるような引っ込み思案な性格でした。舞台で演技した内容も「なよなよして行動できない自分を変えるストーリー」で自分を体現した話でしたね。
とくに思春期は、周りの人から弱い自分はどう写っているんだろうと不安に思っていたので、演技を通して変えていきたい思いがありました。
旅のきっかけは「何者かになりたかった」
ー岩津さんが旅を始めたきっかけはありますか?
大学3年生になった時に、それまでの大学生活を振り返ったことがきっかけです。
「自分は大学生活で何を成し遂げられたのか」「このまま大学生活を終わらせていいのか」などと不安と疑念を抱き始めました。
とりあえず休学して何かしようと思った時に、たまたま世界一周もひとつの選択肢だと思ったんです。「世界一周ってかっこいいな」「世界一周したらモテるかな、目立てるかな」と半ば自分の承認欲求を満たすために行動を決めました。
それでも世界一周に行くと決めてからは、3ヶ月後に渡航できるようすぐに行動しました。金銭的な躊躇や物理的な不安がありましたが、半年や一年悩んで結局動かなかった自分を想像すると、早く動いて良かったと思っています。
実際に、200日間で30カ国訪れて貴重な経験を積むことができました。
ー世界一周で訪れた国の中で、印象的な国はありますか?
インドです。
インドに行って、世界一周に出て本当に良かったと思いました。インドの人ってすごく温かいんですよ。街を歩いているだけで声をかけてくれたり、「日本語勉強していて、いつか日本に行きたい!」と日本への愛を語ってくれる人がいたり、本当に素敵な人ばかりで。
インドと聞くと、町が汚いとか治安が悪いなどのネガティブな固定概念を持つ方が多いと思います。でも、現地の人と出会って固定概念に縛られずに接することの大切さを学びました。
ー世界一周して大変だったり、挫けそうになったりしたことはありますか?
2・3ヶ月で日本に帰りたくなりましたよ(笑)
せっかく世界一周しているのに、旅に飽きてしまったんです。本気で日本に帰ろうかなど悩みました。でも、最後に降り立ったロサンゼルスを離れる時は、旅の終わりに虚しい気持ちになりました。
ー帰国した後はどのように過ごされましたか?
帰国したのが2020年の1月で。ちょうどコロナウイルスが流行り出したタイミングでした。
緊急事態宣言が出て、家から出れなくなってしまい、広い世界を見てきた今までとのギャップを大きく感じました。でも時間ができたからこそ、「自分が世界一周で得られたこと」を考えるきっかけになりました。
気づいたのは、旅に対する思いがすごく変わったこと。そして、旅の選択肢をより多くの人に伝えていきたいと思いました。
自分自身は誰にも支配されず、時間や場所にも支配されず、自分のやりたいことで自由に生きる「かっこいい旅人」になりたいと思いました。
ーその後、旅を広める株式会社TABIPPOで1年間インターンをされたと伺っておりますが、そこではどのような経験をされたのでしょうか?
旅を広めることは言葉では簡単に言えますが、事業として活動すると大変で。
1年目は東京支部の代表を務めたり、100名の組織をマネジメントしたりと、新しい経験の中で苦悩することもたくさんありました。とくにマネジメントは、日々勉強しました。
マネジメントを習得していく中で大切だと思ったことは、「自分はどういう組織にしたいのか」「どういう理由で旅を広めたいんだ」という自分自身のビジョン発信です。リーダーは自分で仕事をするのではなく、自分の思想を発信してメンバーについてきてもらうポジションだと気づきました。