今は第一線で活躍しているビジネスリーダーの方に、10~20代の頃のまだ何者でもなかった頃から、現在に至るまでのストーリーをお聞きする連載企画「#何者でもなかった頃」。今回のゲストは株式会社Rockets CSO(最高戦略責任者)の、鈴木 純太(すずき・じゅんた)さんです。鈴木さんは「ジェイ」さんとも呼ばれ、その実績と発信力によって社内外から注目をされています。
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20代から30代にかけて、接客業からデザイナー、営業とキャリアを変えてきたジェイさん。現在はスタートアップの営業支援をしながら、株式会社RocketsでCSO(最高戦略責任者)を務められています。
そんなジェイさんが、休職したり体調を崩して転職したりと、挫折を繰り返してきた中での葛藤や迷い、それらを乗り越えるパワーの源になったものについてお伺いしました!
ジムの常連さんに気づかされた、デザインへの特別な感情

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。
株式会社Rockets CSOの、鈴木純太と申します。周りからはジェイと呼ばれているので、今日は気軽にジェイと呼んでください。
現在はCSOを務めながらスタートアップの営業支援を行ったり、Voicyパーソナリティとして「スタートアップ営業ラジオ」を平日毎朝配信したりしています。一方で、これまではジムのトレーナー、カフェスタッフ、デザイナー、営業の流れでいくつかの職業を経験しました。最初は接客業からキャリアをスタートしたのです。
ーキャリアの過程で職種を大きく変えているのですね。初めて接客業に携わったのはいつ頃ですか?
高校卒業後にトレーニングジムのトレーナーとして働き始めたときですね。
自分で言うのもなんですが、高校時代は優等生でしたが、受験に対してそれほどモチベーションが上がらなくて。
日々部活に打ち込んできた高校生が、いきなり学部を選べと言われても現実味がないじゃないですか。大学に行く必要性もそれほど感じていなかったので、周りが進学する中、フリーターの道を選びました。
ージムで働かれていた当時のお話をお聞かせください。
老若男女問わず多くの方と雑談している中で、仲良くなった常連さんがいて。その方はデザイン会社を経営して、忙しかったからかいつも閉館ぎりぎりにきていたのです。
トレーニング中に、「デザインはこうだ」、「こういう建物がかっこいい」というお話をたくさんしてくれて、デザインソフトの使い方まで教えてくれました。
そこで初めて、「そういえば昔から、建物の写真を撮るのが好きだったな」と気づき、デザインに興味を持ち始めて。それがきっかけで、建築インテリアの専門学校へ進むことを決意しました。
ー進学後はどんなことを学びましたか?
CADで製図をしたり、課題に取り組んだりしました。建物や間取りをデザインする課題が出ると、みんなエッジの効いた模型を作ってくるのですごく楽しかったです。
年齢はバラバラでしたがみんな仲が良かったですし、周りからアイデアを吸収することで自分自身も成長できました。
“悶々” とした気持ちを、日記に書き留め “醗酵” させる

ー専門学校卒業後、どのような仕事に就いたか教えてください。
カフェや飲食店の内装決めから経営戦略まで一気通貫でプロデュースする会社に入りました。
会社の1・2階は自社で運営しているカフェ、3階はスタジオ、4階はオフィスになっていて。カフェ事業、スタジオ貸し事業、デザイン・設計事業の3つを展開していました。
私はデザイン・設計事業に関わりたかったのですが、カフェのスタッフが足りてなかったので、ほとんどの時間カフェスタッフとして働いていました。
ーやりたいことができない……ジェイさんの当時の心境は?
“悶々” としていましたね。その気持ちのはけ口として、日記を書いてました。日記には、「家具のブランドを作ってみたい」とか、「アーティストを集めてイベントを開催したい」とか、やりたいことやアイデアをたくさん書き出していました。
ー人によっては引きずってしまい、仕事に身が入らなくなりそうですよね。
働かなければ生活ができないので、カフェスタッフとしてやれることはやっていました。とはいえ、やりたいことができないからといって諦めるのではなく、理想はずっと持ち続けていました。
今考えるとあり得ないですけど、週に1日しかない唯一の休日で、アーティストを集めてイベント開催したり、インタビューしてフリーペーパーを作ったりして……寝る間も惜しんで好きなことに没頭していました。
やりたいことを諦めるという発想はこれっぽっちもなかったです。
ー日記に書き留めていたことが、大事なプロセスの1つなのでしょうね。
そうですね。当時はひたすら日記に書いていたことが、結果的には火種としてやりたいことを持っておいて、寝かせて “醗酵” させることになっていましたね。
ーやりたいことを仕事にするために、退職したり転職したりするなど、環境を変えることは考えなかったのですか?
お恥ずかしい話、自分では環境を変えることはできませんでした。当時の私は、副業や転職などの選択肢を持ち合わせていなかったのです。
ある日、母親が急に倒れて実家に戻らなくてはいけなくなり、会社に事情を説明し、休職期間に入りました。やりたいことを我慢しながら続けていたハードな日々から抜け出せた一方で、1年ほど母につきっきりで介護をしながら何も仕事をしていない状況に対しても、また日々 “悶々” としていましたね。
初めての営業で追い詰められ、心身ともに限界を迎える

ー休職期間を経て、次の職場へ移った経緯を教えてください。
休職に入り、半年ほど経ってから就職活動を始めて。今まではカフェ業務で忙しかったので、土日休み且つ、デザインのスキルが活かせる営業職で探していました。
ーなぜ営業職を選ばれたのですか?
営業職であれば、当時の自分から見れば特別なスキルは必要ないと思っていたからです。何社か受けていた中で、中小企業の広告会社で無事営業職で採用されました。
その会社は、メーカーさんに対してカフェイメージを提案する営業がメインだったので、今まで私が学んできたCADやデザイン知識が評価されたのだと思います。
ー初めての営業職はいかがでしたか?
全然活躍できませんでした。「もともとしゃべることが好きだし、営業できるだろう」、「デザインの知識はあるし、デザインを活かした提案はできるだろう」と思ってたのですが、現実は厳しかったです。
成果は出ないし、評価も悪くて、精神的に追い詰められていきました。
ー成果が出なかった要因は?
今振り返ると、環境のミスマッチですね。売上を作るために無理やりにでも売らなければいけない状況や、いつも怒号が飛び交うような環境が合いませんでした。
ー成果が出ない環境とどう向き合ったのでしょうか?
環境を変えたいとは思っていましたが、自分では何もできませんでした。
ある頃から、職場や仕事と向き合えなくなって、ときには月曜日に出社しようと電車に乗っても、途中下車して1人で飲みに行っちゃったこともあって。ついには精神と身体に限界が来て、会社も退職することになりました。
母親が倒れたときと同じように、外部要因によって環境が変わっていますが、実は心の中には「これがやりたいんだ!こうしたいんだ!」という想いはあるのです。ただ、自分から環境を変えたり、外に発信するパワーはなくて。だからいつも日記に書き留めて、火種を持ち続けていました。
スタートアップに魅了され、営業パーソンとして花開く

ージェイさんが2社目を退職されてから、どのように過ごされたかお聞かせください。
転職エージェントに相談しつつ転職活動をしていました。ただ、正直転職できるかどうか、不安でした。4年制大学を出ていなくて、1年間休職したことがあって、前職は体調を崩して辞めていて……。言うなれば、 “傷だらけの履歴書” ですからね。
実際に、当時は履歴書重視の評価軸の会社は通らなかったですが、スタートアップ界隈は猫の手も借りたい状況の企業ばかりでした。その中で株式会社AppBroadCastから内定をいただき、再び営業職として働き始めました。
ー前職では環境のミスマッチによって、なかなか営業の成果が出なかったと思うのですが、AppBroadCastではいかがでしたか?
ものすごく活躍できたと思っています。それもこれもすべて社長のおかげです。
「こうやれ!ああやれ!」と押し付けるのではなく、「ジェイのパフォーマンスが出るように環境は整えるから、やりやすいようにやってくれ」と言ってくれて、自分なりに試行錯誤しながらも営業を進めてみたら思いのほかどんどん成果が出たのです。
今振り返れば、日々日記をつけていたことから思考力はついていたのかもしれません。そこからあっという間にKDDIグループの子会社に売却するまでに成長しました。
ー売却後、心境の変化はありましたか?
売却後も2年ほど働いていたのですが、私はもともとスタートアップで成長させてもらったという背景もあって、大企業で働くよりもスタートアップの方が向いているなと思いました。自分自身が成長するとともに、会社もどんどん大きくなっていく、スタートアップならではの魅力に取りつかれてしまったのです。
ーAppBroadCastの次はどこに入社されたのですか?
新しい挑戦をしたかったので、「次は英語だ」と思い、スウェーデンに本社を構える会社の日本法人に入りました。実際に入ってみるとほとんど日本人がいなくて、まだ英語がまったく話せなかった自分にとってはハードな環境でした。
例えば営業報告を英語でしなければいけないくらい、日常が英語であふれていて……。語学留学などをして身についた英語能力を活かしつつ、日々学び続けました。
同じ時期に外へ何かを発信したいという気持ちが出てきて、Twitterやnoteで営業ノウハウを発信し始めました。
ー発信してみて、いかがでしたか?
思いのほか高評価でした。それまでの経験を活かしてスタートアップでの営業手法を中心に発信していたので、特にスタートアップ界隈で評価されました。
そこで、気づいたことがあります。社外で発信し続けたことが評価されたのをきっかけに、本業の仕事とSNS発信で扱う領域を近づけていけたら無敵だ、と。そのタイミングでちょうど、投資家経由で今働いている営業支援系の会社、株式会社Rocketsからお声がかかって、転職することになりました。
ー投資家がRocketsを紹介してくれたのですね。
そうですね。実はその投資家は、AppBroadCast時代も一緒に仕事をしていて。私が営業として勢いがあった姿を見てくれていました。
AppBroadCastをKDDIグループの子会社に売却してからも残ってくすぶっていた私を見て、スウェーデンに本社を構える会社の日本法人を紹介してくれたのもその投資家ですし、日本法人で悶々としていた私を見て、Rocketsを紹介してくれたのもその投資家です。
私にとってはキーパーソンですね。
ージェイさんがRocketsで、CSOとして働き始めて2年近く。今の環境はいかがですか?
営業から戦略責任者という役職になったので、経営者視点でものごとを見るようになりました。肩書が成長させてくれてます。
ただ、まだまだ現状には満足していないです。てっぺんが100だとすると今はまだ20~30付近ですね。
いつか発火する日が来るのを信じ、“火種” は消さずに取っておく

ーどんどんキャリアアップをして、ビジネスパーソンとしてのキャリアもどんどん積んでいって。冒頭で伺っていた姿とは別人のようですね!
いえいえ……そうは言っても実は私、豆腐メンタルで。これまで話した通りなんども病んだ経験がありますし、『「豆腐メンタル」営業マンの問題・ストレスとの付き合い方』というnoteを書くくらいにその自覚があります。それでもモチベーションを保っていられるのは、心の中に “火種” を持っているからです。
ー “火種” ですか。
そうです。例えば、以前日記に書き留めていた想いや気持ちがその火種です。その火種は思い通りにいかない時でも自分を支えてくれますし、チャンスが来た時には大きなパワーの源になります。
「やりたいことがないよ」という人は、現状への不満を火種として取っておくだけでもいいと思うのです。
ーたとえ、今すぐに表現できるチャンスを得られない想いやアイデアも諦めずに持ち続けることで、やがて意味をもつタイミングがくるのですね。
私のキャリアを振り返ってみて、改めてそう思います。接客業経験、デザインスキル、転職経験など、今までのキャリアで培ってきたことは、今の仕事の様々な場面で活きている実感があります。
その中でも、接客経験者は営業で活躍できると思っています。なぜなら、接客業で培われるホスピタリティ精神は、営業においてものすごく重要だからです。
相手に向けられる笑顔。相手の気持ちを思ってなされる配慮。こうしたことが営業においてすごく大事なのですが、意外とできてない人、意識していない人が多く見られます。
営業のノウハウはいくらでもあとから勉強できますが、愛嬌とか、お客様視点の思考は後天的に身につけるのは難しいのです。だから、普段から「この人はどうやったら楽しんでくれるかな?満足してくれるかな?」と考えながら接客している人は、営業のフィールドでも活躍できると思いますよ。
ー最後に、現在接客業をしている方たちへメッセージをお願いします!
今、接客業をやっている方たちも、ビジネスの場へ移るとその経験は個性になるのです。
周りはみんな新卒から営業をしてきている中で、接客業をやっていた人が入ると目立ちますよね。営業は目立ってなんぼなので、それはチャンスです。
フィールドを変えてチャレンジしていく中でマッチした環境を見つけ、その環境で今までやってきたことを掛け合わせていってほしいですね!
ー今やっていることは今後必ず活きてくるということを、ジェイさんが体現しているので説得力がありますね。ジェイさんの今後のご活躍を心から応援しています!本日はありがとうございました。
ジェイさんの現在のご活躍や日頃発信されている内容を知りたい方は、次のアカウントをぜひチェックしてみてください!
Twitter ▶ https://twitter.com/junta_suzuki
Voicy ▶ https://voicy.jp/channel/968
note ▶ https://note.com/junta_suzuki
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接客職から営業職へ転身し、キャリアアップを果たしたジェイさん。その裏側では多くの試練を乗り越え、挑戦を続けてきました。
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