夢は叶うと信じて挑戦する!宮本泰志に学ぶ夢に向かう姿勢

サッカークラブを立ち上げる

ーコーチの仕事につくまでの過程を教えてください。

コーチを募集しているチームを探して片っ端から応募しましたが、未経験だと受け入れてくれるチームが少なくて、10社ほどは落ちましたね(笑)。当時住んでいた場所からは遠いですが、現在の活動拠点である阪神地区で受け入れてくれるチームがあり、そこに行きました。

しかし、最初に受け入れてくれたチームは指導者の勉強はさせてくれなくて、サッカー教室に来る子どもたちの相手をするだけでした。ここでは指導者について学べないと感じ、2ヵ月で辞めました。

次に受け入れてくれたチームは「指導者が勉強することで子どもたちにも還元されるから、コーチは勉強しましょう」とコーチとしての勉強をさせてくれるチームで、2年間下積みをしました。

ー実際に指導してみていかがでしたか?

現実で理想通りに動くゲームはありません。さらに、戦術が備わっておらず、自由に動き回る子供たちに教えるのは難しかったです。それでも私は子どもが好きで、ゲームとは違いできなかったことができるようになる過程を見て、ゲームではない現実での育成にハマりました。

ー子どもたちに指導するうえで意識していることや大事にしていることはありますか?

チームのコンセプトでもある「挑戦」を大事にしています

私の今までの経験から自分で考えたほうが、後々自分の中に残ると考えていて。できないからと諦めるのではなく、できないからこそどうしたらできるようになるのかを自分で考えられるようになってほしいと思っています。

ーチームを立ち上げるために何をされましたか?

監督になりたくて指導者の道に進みましたが、指導経験がなかったため、1年目は指導スキルを磨くことに集中して取り組んでいました。

2年目に入ったときに「ここから自分をどう成長させるか」を考えて、やはり監督になりたいと思いました。しかし、監督は年功序列で募集が少なく「それなら自分で作ったほうが早い」と思いついたのです。

チームの立ち上げを思いつきましたが、そのときの私には指導のスキルはあってもクラブを運営するノウハウがありませんでした。当時アルバイトであった私は会員の管理やチームの運営に関わることができなかったのです。

そのため、正社員の方に「社員になりたいから事務作業を教えてください」と嘘をついて、会員の管理やチームの運営について学びました。

コーチを始めて3年目で自分のクラブを立ち上げました。

ークラブを立ち上げてすぐはなかなかうまくいかないことも多いと思います。

そうですね。イベント開催に向けてポスティングやビラを配って体験会を開くと、最初から10〜15人集まってくれて。体験会では下積み時代にしていた通りに指導しました。

しかし、イベントには集まってくれてもチームに入会してくれる人はなかなかいなくて悩んでいました。

ーそこから入会してもらうためにどのように動いたのでしょうか?

最初は「別のチームでサッカーを習いたい」と悩んでいるご家庭からぽつぽつと集まり始めて、立ち上げから半年で4人集まってくれました。新しい年度に向けて人を増やしていこうと考えていた矢先に家庭の事情で2人辞めて、結果的に2人しか残りませんでした。

次の年度も学校へのビラ配りやポスティングをして、その地域には案内を出し切っていたのにまったく問い合わせがなくて。チーム存続の危機となり、保護者会議を開きました。その結果、チームは解散することになったのです。

下積み時代は社員さんを差し置いて私のクラスに1番子どもたちが集まってくれており、「自分でこれだけの人を集められるならいける」と思って独立しました。しかし、自分で集めていたというよりも、歴史のある地域に根差したチームだったからこそできたのだと今は思います。

ー現在は順調に人が集まっていますか?

そうですね。2種類のチーム両方とも徐々に増えています。やっと活動を本格化できると思っていますが、最近はまたコロナが流行っていて何とも言えないですね。

一方で、コロナとの付き合い方も世間で浸透しつつあるため、力を入れて集客すれば集まってくれると考えています。

ー最後に、これから挑戦したいことを教えてください。

通常、習い事にはグラウンド代や人件費に充てるために月謝がかかりますが、私のチームでは月謝を徴収していません。というのも、夢へ挑戦するためにはお金を払わなければならないというハードルを取り除きたいからです。

私がボクシングをしたいときに始められなかった経験から、思い立ったらすぐに始められるように、窓口をいつでも開けておくという意味で月謝をなくしました。

運営費は自分でファンクラブを作って「お金を払ってもいい」という保護者の方がいたら入ってもらい、夢を追う当事者にはなるべく負担をかけないようにしています。

また、夢へ挑戦してほしいと言いながら障がいのありなしで区切ってもいいのかと疑問に感じて、障がい者のサッカー教室も立ち上げました。

これからもいろいろな取り組みにチャレンジしていきたいと考えています。

ーありがとうございました!宮本さんの今後のご活躍、チャレンジを応援しております!

取材:とも(Twitter
執筆:竹山瑞香(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter