様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第766回目となる今回は、エンジニア兼俳優の大森 翔吾(おおもり・しょうご)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
「技術者」のエンジニアと「表現者」の俳優という一見離れた属性の職業を両立している大森さん。「好きなことをして生きていく」から「好きなこともして生きていく」時代を目指す大森さんの生き方に迫りました。
エンジニアと俳優の両立
ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。
大森翔吾と申します。芸能事務所に所属して演劇活動をしながら、昨年自身で立ち上げた株式会社で『相談箱』というサービスの運営やWeb制作を行っております。
ーどのようなエンジニアをされているのでしょうか?
現在はフロントエンドエンジニアとして活動しております。エンジニアになったきっかけは、俳優をしながら場所と時間を選ばない仕事がしたかったからです。独学で勉強したのちにマーケティングの会社の制作部門で学ばせていただき、その後独立しました。
ー俳優業ではどのようなお仕事をされていますか?
舞台・映像問わずお仕事をさせていただいており、最近では有料動画サービスの特別ドラマに出演しています。また、来月からは舞台のお仕事も決まっています。
ーどのくらいの頻度で俳優の活動をされているのでしょうか?
公演がないと稽古もないため公演の有無によります。来月からの舞台でいうと20日ほど毎日稽古をします。
ーエンジニアと俳優の仕事の割合はどのように調整していますか?
例えば、舞台の1週間前は昼から夜まで稽古があるため俳優業に専念し、舞台の2・3週間前であれば稽古は夜のみのことが多いため、日中はエンジニアの仕事をしています。
ーここからは大森さんがエンジニア兼俳優となった背景や転機をお伺いできればと思います。演劇に興味を持ち始めたのはいつ頃からですか?
両親が演劇をしており、演劇をしている知り合いに会ったり舞台を見たりしていたため、高校入学前から演劇活動への興味はありました。
ー高校時代は演劇部だったそうですが、入部を決意した理由を教えてください。
高校入学前から演劇に対する興味があったのと、部活動紹介の新入生歓迎公演がきらびやかでとてもおもしろく、楽しそうに見えたからです。
ーほかに興味を持った部活動はなかったのでしょうか?
はい。演劇部にしか興味がなかったです。
演劇部のある公立高校と演劇部のない私立高校を受験して、演劇部のある公立高校に行きたいと思いました。高校入学前から演劇部に入りたい気持ちがありました。
ー愛媛から東京の大学に入学したきっかけを教えてください。
きっかけは2つあります。1つめは、先輩の演劇を見たことです。東京をテーマにした演劇で、東京への憧れを抱きました。もう1つは、先輩が東京の大学の赤本を持っていたことです。進路をどうするか悩んでいるなかで、候補として先輩が持っていた赤本の大学が思い浮かびました。上京すればお芝居も続けられると考え、東京の大学へ進学することを決めたのです。
ー大学でも演劇活動を続けられたのですね。
大人になっても演劇を続けているのはどのような人たちか、自分の実力はどこまで通用するのかを試したくて、大学時代はいろいろな公演に出演し続けました。楽しいことや得られるものだけでなく、つらいことも多かったです。
「演劇は好きだけど、別の趣味であれば定職に就けて、趣味との両立もできて幸せだっただろうな」と思いながらも、演劇活動を続けていました。
演劇は人と人が関わってできあがるものであり、人間性が強く表れるものだと感じています。そんな演劇の人間性に強い興味があるからこそ、現在まで演劇活動を続けているのだと思います。
ー大学時代に演劇活動をする中で考えていたことはありますか?
やるからには何かを成すところまでしたいと思っていました。ただ楽しいから続けるのではなく、自分の中で目標を持って取り組んでいました。