偶発的な出会いには無限の可能性がある。Rond代表・豊永悠馬の考える人生観とは

web上では本音の会話ができない

ー「chotto」について教えてください。

偶発的な会話をオンライン上で生み出すサービスです。会社の廊下やカフェ、喫煙室で偶然会ってお話しする機会は誰しもがあると思います。

オンライン上ではなかなか生み出すことのできない、カジュアルな会話を生み出したいという思いでサービスを開発しました。

ー確かにオンラインでカジュアルな会話というのは少ないように思います。

会社内の人と話すのも、今はZOOMでお話しする機会が多いです。ミーティングをしても本音で話すことができない、思ったことを言い切れないなどの問題点があります。

連携や相談がなかなか生まれないという問題点が現在の社会にはあるので、本音で話せる環境を増やすことが大切だと思っています。

悩むことがなくなり、毎日成長できる社会を作りたいと僕は考えていたので、それを解決するため当初は「1oN」という法人向けサービスを開発していました。

個人や会社の悩みを解決するために、過去に同じ経験をしている人をピックアップして悩みを相談するというサービスなのですが、スケジュールの日程が合わせにくかったり、サービスの心理的安全をぬぐい切れなかったりと様々な問題点が浮かびあがったのです。

ーそこからどのようにして「chotto」の開発に至ったのでしょうか。

問題点を解決するために改めて経営者にヒアリングを実施して「chotto」を開発することになったのです。

「chotto」を開発するにあたり、小さな形でも良いから、まずは商品としてリリースをし、フィードバックを受けました。自分たちのサービスが良いものと思っていても、実際には使ってみないとわからないことが数多く存在することに気が付いたからです。

そこで挙がった課題を再度確認し、提供する過程で前職の不動産の方たちにも連絡を入れて意見を求めました。話をすることでヒントをいただき、事業も連携できて、さまざまな可能性を考えることができました。

「1oN」がうまくいかなかった理由は、自分の作りたい世界観を中心に考えてしまっていたためです。多くの方にヒアリングできたことで、社会に求められているサービスを提供したいという思いが高まり「chotto」を開発することができました。

偶発的なことをかけがえのないものにする。そのサービスを高い品質で作り上げることができれば毎日成長につなげられますし、新たなコミュニケーションの場もできると思っています。

楽しくがんばり続けることを突き詰める

ー本当は会話をしたいのに、話すまでの間に申し訳なさを抱くことがあるように感じます。

リアルでもオンライン上でも、心理的不安があると話しかけることに抵抗感を覚えますよね。カフェや、廊下といった場所で短時間の会話をすることは難しくありませんが、オンラインだとそういった場所がなく、関係性を構築できないことに気が付きました。

オンラインでも会話ができる環境があると自然とコミュニケーションが増えそうですね。

大した用事がなくても、会話したいときは誰しもあると思います。しかし、そこで会話ができなかったとき、それは大きな機会損失になるのではないかと考えています。

社内だけでなく、道でばったり会って少し会話をするだけでも、それが今後の自分の人生を大きく変えることになるかもしれないからです。

そういった場所を生み出すことは、テクノロジーの力を使えば可能ですし、より多くの人の人生の可能性を広げることができるのではないかと期待しています。

「chotto」での試行錯誤を通して自分自身の世界観も変わり、視野も広がりました。

ー豊永さんが大事にされている考え方があれば教えてください。

「楽しがんばる」ことを大事にしています。シンプルですが「楽しむ」ことと「がんばる」こと、この2つを自分にもメンバーにも常に言っています。

楽しくないことは今の自分の人生を有意義に過ごせていないということですし、直ちに変えたほうが良いと思っています。なぜ楽しくないかを考え、思い浮かばないのであれば、環境を変えることも選択肢に入れてみても良いかもしれません。

そして、「どうすれば楽しくできるのか」を考えることをがんばる必要があると思うのです。この2つを組み合わせることで常に「楽しがんばれる」状態をつくることができます。自分に嘘はつきたくないので、常に自分が納得した選択をしていきたいと思っています。

ー最後になりますが、豊永さんの今後の展望を教えてください。

やりたいことを続けられる社会をつくりたいです。そのためにも現在取り組んでいる、偶発的な出会いをオンラインで生み出すことを社会に浸透させていけたらと考えています。

ーありがとうございました!豊永さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:和田晶雄(Twitter
執筆:林宏紀(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter