偶発的な出会いには無限の可能性がある。Rond代表・豊永悠馬の考える人生観とは

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第753回目となる今回は、株式会社Rond代表・豊永 悠馬(とよなが・ゆうま)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

自身のやりたいことを実現するため、日々奮闘している豊永さん。仕事を楽しく、そして人の可能性を広げるために必要なことについて話していただきました。

企画することの楽しさを知った幼少期

ー簡単に自己紹介をお願いします。

株式会社Rondを経営しています、豊永悠馬です。「夢中になり続けられる世界をつくる」をミッションに「chotto」という偶発的な会話をオンラインで売り出すwebサービスを開発しています。

大阪府堺市出身で、不動産デベロッパーでワーケーション事業、シェアオフィス事業、エリアマネジメントを経てRondを創業しました。不動産デベロッパーとして働きつつ、新規事業を立ち上げ、創業から 1年が経ちました。

ーここからは幼少期のお話を伺います。幼少期はマンションに住まれていたのですね。

そうですね。3歳の頃からグループマンションで生活していました。小学生のときは自分だけ住民票が祖母の家にあったため、マンションの友達とは別の学校でした。友達が毎日楽しく別の学校に通っている姿を見ると、自分が友達の輪から省かれていく感覚に陥りました。

友達との関係が疎遠になってしまう危機感から、放課後にマンション内でさまざまな遊びを提案することにしました。だんだんと「悠馬と遊ぶと面白い」と言ってもらえるようになっていって。学年に関係なくマンションの子たちを巻き込んで遊ぶようになっていました。

野球チームも作り、面白い遊びを提案するとみんなが乗っかってくれたことが気持ち良く楽しかったです。

1人だけ違う学校に通うことになったがゆえに生まれた企画でしたが、働き方に通じる基盤がここで培われたのだと思っています。

同じことの繰り返しに活路を見出せない日々

ー大学卒業後はどうされたのでしょうか。

不動産デベロッパーとして働くことにしました。建築に関心を持っており、自分は「その場所にどんなことが求められていて、どんな人たちが価値を最大化できるか」を軸に就活をしていました。

それを実現するためには、地域とより関われる不動産だと思ったのです。そして不動産デベロッパーとして社会人生活が始まります。

入社してからは、リニューアルに関することや費用をかけずに資産価値を提供する管理運営の仕事をしていました。楽しかったのですが、徐々に言われたことをただこなすだけの日々を送っているのではないかと思いはじめ、モチベーションが低下していきました。

ーやる気を維持するのが難しいように思いますが、そこからどう行動されたのでしょうか。

自分を変えるために社内の人に働く想いや、「なぜ今ここで仕事をしているのか」を聞きに行きました。違う部署や、飲み会で知り合った方にもお話を伺い、とにかく自分のためになることは何かを考えていました。

様々なビジネスマンと話すことで、こういう働き方をしたい、したくないなどがわかるようになり、徐々に自分のやりたいことが分かってきたのです。

当時、毎日満員電車で出社し満員電車で帰る働き方に不満を感じており、もっと時間と場所に縛られない社会を作りたいと思うようになりました。

地方に強みがある会社の特徴を生かせばこの社会を実現できると考え、地方創生型ワーケーション事業社内ビジネスコンテストにて応募しました。そこから、社長プレゼンまで進み、本ビジネスコンテスト初の0→1のビジネスが立ち上がりました。

自分がやりたいこと、会社がやりたいこと、そして社会がより豊かになること。これら3つが一致したときにより関わっている会社で自分らしくイキイキと働けるようになることを体感しました。

自分の本当にやりたいことにコミットする

ーRondを創業されるきっかけは何だったのですか?

これまでの自分を振り返った時、様々なビジネスマンとのカジュアルな会話が自身の悩み、問題を解決するきっかけになっているんだなと感じました。つまり、暗黙知は人の中にあり、カジュアルな会話をきっかけに生まれるんだろうなと強く認識したのです。

そこで、この暗黙知をより効果的に辿り着ける社会をつくりたい、作る必要があると思ったのです。

この事業をどのようにつくっていかれたのでしょうか?

そうですね。違う会社でビジネスコンテストがあり、そこでビジネス案を発表しました。

決勝まで勝ち上がることができましたが、勝ち上がる過程で「会社の枠にはまったビジネスモデルができあがるのでは」と考え始めました。結局自分の思うようにできないのであれば、自分たちでゼロから立ち上げたほうがおもしろいと考え、起業しました。

ー勝ち上がる中でサービスの質も洗練されていくように思います。

いろいろな方にヒアリングするなかで少しずつ社会や勤められている起業における課題が浮き彫りになり、それらをもとに自分たちのサービスや考えが洗練されていきました。

自分たちで検証を重ねフィードバックをいただき、更に良いサービスを提供しようとがんばっていました。

自分たちが取り組んでいることは、自分たちの世界だけに留まらず社会においても必要なサービスであり、解決すべき課題でもあると感じました。