フリーランスエンジニアで気候変動対策に挑む!やりたいことを諦めないためには

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第303回目となる今回は、プログラマーのテヘラニ ・ダニエルさんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

工業高等専門学校へ入学後、独学でブロックチェーンを勉強。当時参加していたブロックチェーンのカンファレンスで出会った方に開発を依頼され、プログラマーとしてキャリアをスタートします。その後、中退を決意しブロックチェーンのスタートアップに入社。現在はフリーランスエンジニアとして独立し、気候変動問題の解決のためにも動いているダニエルさん。ユニークなバックグラウンドをお持ちのダニエルさんに、ブロックチェーンに興味を持ったきっかけや、環境問題への取り組みについてお話しいただきました。

ブロックチェーンを通して自分のやりたい道を切り開く

-まずは自己紹介をお願いします。

テヘラニ・ダニエルと申します。現在は、Shopifyというオンラインで物販可能なサイトを作ることができるプラットフォームのアプリ開発をメインで行なっています。以前はブロックチェーンエンジニアをやっていたこともあり、現在もウェビナーなどで話をしたりしています。また、気候変動にも関心があり、気候変動対策などの活動も行っています。

-ありがとうございます!ここからはダニエルさんの人生を振り返りたいと思います。高校は工業高等専門学校に入学されたとのことですが、理由を教えて下さい!

中学の頃から独学でやっていたプログラミングが楽しく、自分に合っているなと思い工業高等専門学校を選びました。当時は将来の夢など持っていませんでしたが、時代の流れでソフトウェアなどが流行っていたため、プログラミングのスキルを身に付けておけば強いだろうなあという気持ちで始めましたね笑

-当時から将来のことを考えていてすごいです!その後2年生で中退されるとのことですが、経緯を教えていただけますか?

工業高等専門学校に入学してからブロックチェーンという技術に出会い、深堀りしていくとすごく面白く、ブロックチェーンで起業をしたいと考えるようになったことが中退へのきっかけです。しかし、どうやって販売していくかなどが知らない側面が多く起業へは至りませんでした。

その後、ブロックチェーンのカンファレンスで出会った方が開発を依頼してくださり、その仕事が事業として成り立ちそうだと思い、そのまま休学し復学することなく中退しました。

-中退に対して抵抗はなかったのですか?

はい、抵抗はなかったですね。ブロックチェーンで事業をやることが、自分のやりたい道でしたし、両親がサポートしてくれたことも大きかったです。中退後はカンファレンスで声をかけてくれた方の会社で受託開発を行なっていましたが、その後ブロックチェーン関連の別会社に入社し働くことになりました。

入社した会社では、NFTという映像などのデジタルアート作品が複製できないように、アート作品を含むデジタルデータの所有権を保証する技術を利用したサービスを作っていました。

やりたいことを実現するために、働き方を変える

-ブロックチェーン以外にも気候変動について興味があるとのことですが、興味を持ったきっかけや、活動のきっかけを教えてください。

何かきっかけがあるという訳ではなく、ドキュメンタリーなどを観て「今、気候変動が大変なんだ」と感じ、そこから徐々に興味を持つようになりました。その後、会社に入社するために上京してきたタイミングで、気候変動の団体に参加しました。気候変動の活動をしたいから団体に参加したというよりは、単純に自分と同じ10代〜20代の人が活動を行なっていたため、その人達と関わりたいという思いの方が大きかったです。

また、団体参加後にIPCCという気候変動について研究している機関が発行した報告書を読んで、気候変動の深刻さが具体的な数値で分かったことが活動したいと思うようになったきっかけですね。

-お仕事をしつつ、土日で気候変動の活動をされていたのですね!その後、会社を辞めてフリーランスエンジニアになりますが、なぜフリーランスになろうと思ったのでしょうか?

シンプルに会社の事業がうまくいかず、チームが解散してしまったからです笑

チーム解散後は転職する選択もありましたが、フリーランスエンジニアを選んだ理由としては、当時自分のやりたいことが気候変動の課題解決であったものの、明確に何をすればいいかのか分からず「自分は何をすればいいのか」を考える時間が欲しかったため、自分で時間が管理できるフリーランスエンジニアを選びましたね。

-ダニエルさん自身、今後は気候変動対策をライフワークとしてやっていきたい気持ちが強いんですね。

そうですね。今後は気候変動の課題を解決することをライフワークとしてやっていきたいと思っています。ただ、少し前までは「世界のシステムを根本から変えるブロックチェーンを作りたい」「気候変動問題も解決したい」と、両方したいけど両方ともできないなというジレンマに悩んでいました。

しかし今は、気候変動対策1つに絞ってやっていきたいという思いもありますが、自分がこれまで学んできたブロックチェーンの知識を活かしつつ、気候変動問題にアタックできる方法がないかも考えています。

ブロックチェーンと気候変動対策、どちらも諦めないための模索

-企業に勤めることと、フリーランスで働くことのメリット/デメリットを教えてください!

企業で働くメリットとしては、他の人から学ぶことがあったり、チームで働く楽しさがあることですね。逆にデメリットは、時間的な制限がある場合が多く、自分のやりたいことができないことです。

フリーランスに関しては、メリットはやはり時間的制限がないため、自分のやりたいことができることです!デメリットは、個人で働くことが多いためチームメンバーから学ぶことができなかったり、自分自身でモチベーションを保たないといけないことですね。

-実際にフリーランスになって、自分のために時間が使えているという実感はありますか?

はい、ありますね!もちろん色んな仕事が来ると、それぞれ期限があるため結局時間が無くなることもありますが、1つのプロジェクトを短期間で終わらせることもできるため、また自分のやりたいことをすることができています。

-現在ダニエルさんが力を入れている気候変動対策に関して、今後は多くの人が意識を向ける必要があると思っていますが、解決に向けてメッセージはありますか?

気候変動は、殆どの人が思っている以上に大変な問題です。今後安全な食料や水がない生活を強いられる可能性もあるため、そのような未来にしたくないのであれば、CO2をなるべく出さないなど、できる範囲でやっていくことが大事だと考えています。

また、気候変動のことについて調べて自分ごとに捉えて欲しいなと思います。調べるだけではなく気候変動に関する小説もあるため、読んでみるといいかなと思います。

-今後やりたいことや、長期的なビジョンを教えてください!

ブロックチェーンの考えを用いて、気候変動の解決策を研究していきたいなと考えています。また、実際にブロックチェーンを使ってCO2の排出量を減らすシステムや温室効果ガスを吸収する仕組みなど、研究と実装の2つをやっていきたいです。

-貴重なお時間ありがとうございました!

取材者:中原 瑞彩
執筆者:藤川 結貴(Facebook/note
デザイン:五十嵐 有沙(Twitter