価値や生きがいを追求する経営者×研究者・丸山咲に聞く!「よく生きる」ためのヒントとは

働くことの楽しさを研究者目線でも模索する

ー大学卒業後はリクルートへ入社されましたが、なぜリクルートを選ばれたのでしょうか?

大学卒業前、ソーシャルビジネスに取り組む企業のピッチコンテスト運営のボランティアをしていたときに、リクルートの代表に出会いました。第一印象はまさに、おもしろそうな会社。具体的に調べていくなかで、働くことに改革を起こしている企業であることに気づき、「自分が社会へ貢献できることが見つけられるかもしれない」と思い、選考を進めました。

就職活動の選考では、学生時代からまちのコミュニティ作りに興味があることを話すと、大抵の会社からは同じような反応が返ってくるんですね。ただリクルートからは、「そんなプランだと甘いね」と指摘されたのです。自分の考えやビジョンに初めて向き合ってくれたリクルートで、最終的に働こうと決めましたね。

ーリクルートに入社後、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか?

転職媒体の広告営業、人事の営業を中心に取り組んでいました。働くことの楽しさを伝えて、会社が変わっていく姿を目の当たりにする日々は楽しかったですね。

しかし、年間1,000人採用しても半数は辞めてしまう、毎月求人募集を出し続ける会社もなかにはいました。転職は新たな扉を開く門出のはずなのに、「こんな会社に入って、後悔した!」という声を聞くことに、悔しさを覚えたのです。

その経験を通して、人を採用する領域から、人が働きたいと思える組織作り、ブランディング制作をすることに軸足を移し、転職をしました。

ー冒頭で仰っていた、現在の丸山さんの活動につながりますね。

そうですね。転職後は、勤務のかたわら大学院に進学し、システムデザイン・マネジメント研究科にてWell-beingについて研究しました。理系、文系、両方の側面からマネジメントを学ぶ不思議な研究をしていたのですが、多視点から構造をする姿勢は、複雑なプロジェクトを回す今だからこそ大きく役に立っていると感じています。

「よく生きる」場作りの提供を目指す

ーWell-beingを研究されていた丸山さんにお聞きします。ズバリ、生きがいとは何なのでしょうか?

そうですね。生きがいとは、「生きる目的」と「張り合い」の2つの意味合いを持っています。生きる目的とは未来の目指している姿を指し、張り合いとは毎日がわくわくするような経験のことを指します。

将来こうでありたいといった大きな目標を掲げ、それに向かって喜びを感じる毎日こそが、生きがいを感じられる瞬間ではないでしょうか。ハッシュタグやカテゴライズされている現代だからこそ、「何者かである」ことが求められていますが、自分の価値を認識した上で、この2つを描けられたら、素晴らしい人生を歩めるのではないかなと思います。

ー素晴らしい考え方ですね。最後に、丸山さんの今後の展望についてお聞かせください。

今後は、Well-beingについてより深めていきたいと思っています。「自分がどのように生きていくのか」一度考えたら、深みにはまってしまいそうなテーマをじっくりと時間をかけながら向き合いたいですね。

また、具体的にリトリートに近い施設を作っていきたいです。場としても、コミュニティとしても、よく生きる場作りをしていきたいと思っています。

わたしはこれまで、やりたいことがあれば挑戦し続けてきました。やってきたときは分からないけれど、いつかはそれらの行動が結びつく。未来につながるかもしれないし、もしかしたらつながらないかもしれないですが、このようなコネクティングドットの考え方が面白いなと感じているので、今後もそのように行動していきます。

ー丸山さんの今後の活動を応援しています。ありがとうございました!

取材・執筆:田中のどか(Twitter / note
デザイン:安田遥(Twitter