志望校に落ちても「成功体験」と感じた浪人時代
ー大学受験に関してはどう捉えていますか?
形上では一種の失敗にみえますが、自分の中では「成功体験」だと思っています。
受かる確率は極めて低いような状態で受けて、一次試験を突破できて二次試験まで受けれたことは成功だと感じていて。
周りには「いけるいける」と言っていましたが、自分の中ではそう思っていませんでした。
しかし、後から振り返ってみると「周りにどうなりたいかを伝えていればなんとかなる」感覚に初めて気づけました。
合格発表は受かったら喜んで落ちたら悲しむような「一喜一憂」があると思いますが、僕は落ちても喜んでいましたね(笑)
たしかに落ちたことは悲しかったです。でも、正直志望校以外行く気はなかったので、行きたかった大学で自分なりに結果を出せたことに満足していました。
ー浪人時代のエピソードをお聞かせください。
英語がとにかく苦手でした。現役時代は英語のみが一向に合格ラインを超えなかったので、英語専門の進学塾に切り替えたりもして。
現役時代は、英語の参考書は3周、センター試験は10年分こなしました。しかし、それでも伸びなかったので「自分ではどうしようもできないな」という気持ちになっていました。
しかし、英語の勉強を辞めたい気持ちはあったものの、理系に行くにしても文系に行くにしても必要だったため、諦めることはしませんでした。
「受かる」ことを考えたら、自分の成績に合わせて志望校を変えるのが当たり前だと思いますが、自分はあえて志望校のレベルを上げてみました。
やり抜けば何かしら実を結ぶのは、現役時代から実感しています。
ー浪人時代に志望校を変えたエピソードをお聞きしたいです。
浪人時代に、浪人生が第一志望に合格する確率は「30%」というデータを見たのがきっかけです。
自分は合格しない70%側の人間だと思い、一年間頑張って落胆するのは嫌だと思いました。
また、日本ではやり尽くした感覚があり、ここまで結果が出ないのであれば、この国でやってもどうしようもないなと思って。
それならば、苦手かもしれないけど英語の環境に飛び込めば、英語をやらざるをえなくなるし、苦手意識もなくなると考えました。
ーなぜ教育レベルが高い大学を志望されたのでしょうか?
大学では、しっかり勉強に励みたいと思っていたからです。浪人時代SNSや友人の話から大学生活を知ると「誰も勉強してないじゃん!」と思って。
もちろん勉強している人もいると思いますが、受験から解放されて1年生はサークルや飲み会に行くってなった時に、自分の思い描いていた大学生像ではないと感じました。
また、自分は意志が弱いので甘い環境にいたら、流されてしまうのを知っていて。
海外の教育レベルの高い大学を選べば自ずと勉強する人が集まる。自分の知らない世界を知っている人がたくさんいるので、意思が弱くても頑張れると思い決断しました。
「意思決定は5分以内に」直感を大事にする真さんのマインド
ー大学に行く前の語学学校で、日本との違いを感じたことはありますか?
渡航前も渡航後も英語だけずっとやっている感覚だったので、大きくギャップを感じることはありませんでした。
今までやってきたことを、英語で復習していた日々で。周りは日本人が多かったので、環境の違いのストレスはなく、授業に集中できました。
よく留学をすると「最初から海外の人に囲まれた方がいいよ」と言う人がいますが、個人的には、長期間いて英語に慣れていないなら日本人は日本人に囲まれていた方がいいと思っています。
最初は日本人で固まって、まずは環境に慣れることが大事です。環境という簡単に変えられない部分でストレスを感じると辛くなって、帰りたくなってしまうので、ストレス要因はなるべく減らした方がいいと思います。
ー今、海外の留学に進学したことをどう考えていますか?
周りからも「若いうちの方が語学や文化、教育を吸収できる」と話をしてもらえるように、海外の大学を選択して良かったと思っています。
英語は苦手ですけど、文法は間違っていても通じるので、失敗する恐怖心はなくなりました。
日本の教育ですと「間違い=悪」みたいな風潮があるので、「間違って当たり前」の環境があることに気づけたのが一番大きかったと思います。
色々失敗しながらも受け入れてくれる、アイルランドの文化はいいなと感じています。
文法を気にするよりも、伝えることの方が大事で。このマインドになってから、気持ちがすごく楽になりました。
ー今後の展望はありますか?
日本に戻るか海外にいるかは決めていませんが、一度レールから外れてしまっているので、何を選択するにしても恐怖心はありません。
焦って決める必要はないとも考えているので、ゆっくり考えていきたいと思っています。また、世界から日本を見た経験を活かして「日本を良くしていきたい」思いはあります。
直感を大事にするマインドがあるので、「意思決定をする時は5分以内に結論を出す」ようにしていて。やるかやらないか決めてから、理由を考えるんです。
先にやるかどうか決めないと、時間が先延ばしになってやりたくなくなるんですよね。人はどうしてもネガティブな理由を考えるので。
直感は過去の経験から作られていると思っているので、これからも自分の直感を信じて行動していきたいです。
ーありがとうございました!古後真さんの今後のご活躍を応援しております!
取材:田中のどか(Twitter/note)
執筆:八巻美穂(Twitter/note)
デザイン:高橋りえ(Twitter)