カンボジアでの子ども支援からビールブランド立ち上げへ!枝廣一輝が目指す「幸せな瞬間づくり」

カンボジアでの生活で自分と向き合う

ー資金準備をした後、ついにカンボジアへ渡航されたのですね。カンボジアでは具体的にどんな支援活動をされていたのですか。

主に、子供達の復学支援を行っていました。経済的な理由から継続して学校へ行くことができない7名の子供達と一緒に住んで、住み込みで日本語を教えたりしていました。

他にも、NGOの教師として復学を支えるシステム作りを考えたりしていました。

ー実際に一緒に生活をしていたのですね。日本とは大きく異なるカンボジアでの生活はどうでしたか。

実際生活してみると電気やガスなどが通らなかったり、アクシデントも多かったですね。だけど、それ以上にビールを仲間たちと飲んだり、自転車を漕いで市場で朝ごはんを食べたりする経験の方が濃かったです。

周りのメンバーも夢を持っている方が多かったので、良い刺激を貰っていました。自分をさらけ出して生活をすることによって、自分自身を見つめ直す良い経験になったと思っています。

ーその経験を通して変化した価値観や、今の仕事につながっている考え方などがあれば教えてください。

実際自分で活動をしてみて、直接的に支援し続けるのは自分には向かないな、と思うようになりました。教育ということがそもそも苦手だったので、当時は年下にやり方を教わったりすることもありました。

でも、カンボジアで過ごした時期は、私にとって人生のターニングポイントでした。どんな形であれ、いつかカンボジアへの恩返しをしたいという気持ちがあります。

親友と新規事業の立ち上げを決意

ー帰国後、クラフトビールブランド立ち上げに至った経緯を教えてください。

自分が今まで「何をしている時が一番楽しかったのか」を振り返った時に「ビールを飲む時」が思い浮かびました。メンバーと乾杯をした瞬間です。そこから、ビールというキーワードで事業の立ち上げを決めました。

現在の立ち上げメンバーである親友に、深夜にラインで「ビール作ろう」と送ったら、すぐ「いいよ」と返信がきて。翌日、詳細について必死に説明したのを覚えています(笑)

彼はアイデアは持っていても、行動に移すのが得意ではないタイプで、僕が一歩行動することで、事業が始まっていきました。

ークラフトビールの内容はどのように決めたのでしょうか?

テイストやデザインなどは全て友人に任せていました。ビールブランドの名前はH.A.N.D。コンセプトは「多くの人へ幸せの瞬間を」と決めていましたので、ビールが苦手な人でも飲みやすいフルーティーな味わいにしています。

1日30分間でもいいから、自分を振り返ったり、大切な人と過ごしたりする時間を取って欲しい、という思いがありました。「ゆっくり食後に飲める」をイメージして、あえて微炭酸なものを選んでいます。

カンボジアで感じた「シェアする文化」も、ビールブランドのコンセプトに反映されたと思います。カンボジアでは例えば、「おはよう」の代わりに「ご飯食べた?」というような挨拶があって、実際コミュニケーションとして皆でご飯を食べることが多い。時間をシェアしながら、幸せの瞬間を広げていけるようなブランドにしたいです。

ー枝廣さんの今後の展望についてお伺いさせてください。

今年のテーマはブランド力の向上と、新商品の準備です。

実は、友人が農業をやり始めたのをきっかけに、新規事業の開発も進めています。まだまだ始まったばかりですが、人を巻き込んで何か事業を始められるようになったことが嬉しいですね。

0→1で何かを作るということは難しかったですが、それ以上に楽しさの方が大きいと感じてます。

ーありがとうございました!枝廣さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:渡邊眞雪(TwitterInstagram / Facebook
執筆:新井麻希(Facebook
編集:杉山大樹(Facebook/note
デザイン:高橋りえ(Twitter