HELP YOU+事業責任者・森勝宣がキャリアに迷う人に伝えたい選択肢の選び方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第551回は海外進出サポートHELP YOU+事業責任者の森勝宣(もりかつよし)さんです。転職するつもりはなかったという森さんが株式会社ニットに転職を決めた理由と、森さんが大きな決断をする際に意識されている選択肢の選び方についてお伺いしました。

本業にとどまらず、マーケ領域を中心に活動する日々

ーまずは簡単な自己紹介をお願いします。

株式会社ニットの海外進出サポートHELP YOU+事業責任者をしております、森勝宣です。新卒でマーケティングリサーチ会社に入社し、海外調査案件の受託調査を行った後、2018年に株式会社ニットに転職しました。今年より海外進出サポート事業、HELP YOU+の立ち上げを任され、日本の中小企業の海外進出をサポートしています。

また、日本の伝統産業を使った受注生産制のアパレルブランド「mainau(マイナウ)」とその他3社ほどのマーケ領域に複業として従事中です。

ーHELP YOU+のお仕事についてもう少し詳しく教えていただけますか。

HELP YOU+では海外に事業を展開したい日本企業のサポートを行っています。海外市場の調査を行い、実態を共有した上でどのように展開していくかという戦略をたてるところもサポートします。世界33ヶ国に日本人スタッフがおり、リアルタイムな情報を提供できることが特徴です。

コロナの影響を受けて海外進出を中断された企業も一時はありました。しかしこの半年で海外進出に関する相談数は増えており、日本の少子高齢化に伴う市場規模の縮小などを理由に海外進出を進める企業は今後も増えていくと考えています。

ー本業と並行して行われているアパレルブランドについても教えていただきたいです。

新潟でセレクトショップをしている知り合いの、地元の工場支援を目的にオリジナルブランドを展開したいという思いがブランド設立のきっかけです。その際にどのように売っていけばいいかわからないということで相談を受け、マーケ領域を手伝うことになりました。僕自身、服が好きだったことや、働く時間と場所に制限なく関われる状況だったのでジョインすることになったんです。

新潟ではニット産業の伝統があったことから、国産の五泉市で作られたニットを卸会社を挟まずに直接販売しているのですが、mainauではファストファッションや大量生産大量消費が主流の今の世の中で、1着も無駄にしないをテーマにしています。そのため全てが受注生産で、100%国内生産という点にもこだわっています。トレンドにのったファッションよりも、一生着ていただけるデザインと素材にこだわったアパレルブランドなんです。

 

長期インターンで考えた理想の働き方、就職先

ー現在に至るまでの過去のお話も聞かせてください。どのような中高時代を過ごされていましたか。

兵庫県で生まれ育ち、地元の私立高校へ進学しました。進学校で、勉強熱心な人が多かったこともあり、部活中心よりかは勉強優先でしたが楽しい高校生活だったなと振り返って思います。関西の大学に進学する人が多い中、みんなと同じ大学に進むよりも日本の中心である東京を知ってみたいという思いから上京することに決めました。

当時は視野が狭く、とにかく上を、と思い東京大学を目指していました。受験に失敗し、第二志望だった早稲田大学に進学することになった時はショックだったのですが、今振り返ってみればとても充実した大学生活を送れたのでよかったなと思っています。

ー大学生活はどのように過ごされていたのでしょうか。

舞台ミュージカルのインカレサークルに所属していました。また、大学1年の冬からITベンチャー企業で長期インターンもしていました。当時はまだ長期インターンが当たり前ではなく、僕自身も初めはバイトとしてスタート。働く中で社員さんとこういうことをしたいなどの話をしていたところ、インターンをしないかとお声がけいただきました。インターンが何かもよくわかっていなかったのですが、面白そうだと思い、挑戦してみることにしました。

ーどんな事業を行われている会社で、どのような業務を担当されていたのですか。

講師を探している塾と講師として働きたい優秀な学生をマッチングするプラットフォームを提供している会社でした。バイトとして働き出した時は資料をまとめるなどの単純作業が中心でしたが、インターンになってからはコンテンツの企画やウェブサイトの改善など塾や学生の応募数を増やすための取り組みに関わらせていただくことができました。

このインターン経験はPDCAの回し方や働くとはどういうことかを知る良いきっかけとなっただけではなく、自分にとっての理想の働き方を考える機会となりました。というのもベンチャー企業で働くということをそれまで考えたことがなかったのですが、もしかしたら年功序列の大企業よりも、年齢関係なく事業責任者や新規事業の立ち上げが経験できるベンチャー企業の方が自分には合っているかもしれないと思ったんです。

ー新卒で入社した会社はどのような基準で選ばれたのですか。

将来的に海外に出ていきたいという気持ちもあったことから、海外にオフィスがある市場調査会社を選びました。決め手となったのは、最終面接で代表と話した際に自分としっかり向き合ってくれたことと代表、人事お二人の人柄が素敵だったことですね。

 

マーケティング担当者から新規事業立ち上げ責任者へ。

ーその後、株式会社ニットに転職を決められたきっかけを教えてください。

人材会社で働いている友人から求人の紹介を受けたのがきっかけとなりました。転職するつもりはなかったのですが、ずっと営業をしていたので学生時代に経験したマーケティングの領域に挑戦したいという気持ちがありました。そこで試しに代表の話を聞いてみたところ目指している方向性が同じで、代表が楽しそうにビジョンを語ってくれたことに惹かれて、気づいたら転職を決めていました。

ー転職してみていかがでしたか。

前職と異なり、株式会社ニットではリモートワークが基本で、しかもフレックスという働き方に驚きました。働く時間と場所に融通がきくので、旅行先で働くことも可能になり、2週間海外から仕事をすることが可能になったりしたことは大きな変化でした。

実際に株式会社ニットでは子どもがいても時短ではなくフルタイム働くことができているメンバーがいたり、海外在住のメンバーも約100名います。オンラインでしかあったことのないメンバーがいまだにいるのはとても不思議な感じです。

ーマーケティングをするために転職したという話もありましたが、そこから新規事業の立ち上げを任されることになったのは何故だったのですか。

株式会社ニットのメイン事業はオンラインアウトソーシングです。全国そして世界にいる400名ほどの在宅ワーカーとのネットワークを活かして、企業の仕事をアウトソーシングするお手伝いを行っています。転職後はその事業のマーケティング業務を担当していました。

そのメイン事業において海外在住のワーカーさんと話す中で、海外にいるからこそ得られる情報がたくさんあることに気づきました。コロナ禍ということもあり海外にいく機会も制限されている今であれば、そのような情報が重宝されるのではないかと思い、代表と話し合いを重ねるうちに新規事業として立ち上げることが決まりました。この新規事業であれば住む場所の選択肢を制限されることなく働きたいと考えている方のサポートもできるので、やるべきだという結論に至ったんです。

 

迷ったら、自分で選択肢が多い道を選ぶ

ー森さんが働く上で、あるいはキャリアを選ぶ上で意識されてきたことなどはありましたか。

1つは迷ったら選択肢が多そうな方を選ぶことです。東京の大学を選んだことは自分の中では大きな決断でしたが、選択肢が増える選択をできたことで今の働き方までたどり着くことができました。

そしてもう1つが自分で決めるということ。誰かに言われた選択肢ではなくて自分で選んだ選択肢であれば100%納得して取り組めると思っています。

就職先や転職先に迷っているU-29のみなさんにはぜひ「どっちを選んだらより将来の選択肢が広がるか」も考えてみたもらえたらと思います。そして納得がいくよう、自分で選ぶことを意識してみてください。

ー最後に、森さんの今後の目標などがあればぜひ教えてください。

まずは現在担当しているHELP YOU+の事業を成長させて、さらにたくさんの人が海外でチャレンジできる環境を作っていきたいと思っています。

長期的かつ個人的な目標としては、周囲の人が困っている時に助けられる人になりたいと思っています。あらゆる場面で助けられるようにスキルの幅を広げていきたいです。

インタビュー:山崎貴大(Twitter
執筆者:松本佳恋(ブログ/Twitter
デザイン:安田遥(Twitter