エンジニアから営業へキャリアチェンジ!直井大志のやりたいことを追求しキャリアの独自性を築く方法

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第390回目となる今回は、ウォンテッドリー株式会社の直井さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

両親が地元の自動車メーカーに勤めている背景もあり、幼い頃から自動車メーカーへの就職を目指します。その後、目標通り自動車メーカーに就職するも、インターン時に出会った人と就職先の人達の仕事の向き合い方にギャップを感じ、「自分のやりがい」を見つめ直します。転職活動をする中で「自分の解決したいこと」「会社のビジョン」が一致する今の会社に転職し、営業を経験後、現在に至ります。

何度も自分に向き合いキャリアを築いてきた直井さんに、やりたいことを追求しキャリアの独自性を築く方法について教えていただきます。

目標達成のために、新しいことへ挑戦し続けた学生時代

-本日はよろしくお願いいたします!まずは、現在の取り組みを教えてください。

現在はウォンテッドリー株式会社で福利厚生サービスの立ち上げに関わっています。具体的には、営業組織を立ち上げてマネジメントしたり、ユーザーを増やすためのマーケティング施策を実施するなど事業を大きくするために必要な業務全般を行なっています。

もともと別業界の会社からウォンテッドリーに転職してきたという背景もあり、最初1年間は営業をやっていました。その後、会社から新規事業への立ち上げについて声がかかり参加しています。

-ありがとうございます!ここからは、直井さんの過去を深掘りしていきます。幼少期はどのよう子供でしたか?

小さい頃は「将来の夢」という漠然としたものを持ったことがなく、両親のことをよく聞く子供でしたね。そのため、幼少期から受けていた両親からの教育が、今後の意思決定やキャリア選択に繋がっていると感じています。

もともと内向的でしたが小学校高学年の頃から生徒会に入るなど、割と積極的に動くようになりました。また、皆がやらないような中学受験もやっていて、「人と違うこと、新しいことに挑戦する」ということが面白いなと思い始めた時期でした。

-人と違う選択をすることは、自然に出来たのですか?

そうですね。「常に新しいことに挑戦する」ということを良しとする家族の文化があり、その中で親に認められるために、自然と人と違う選択をする意識が生まれたのかなと思います。人と違う選択をして新しいことを吸収するのは、心地よいと感じましたね。

また、両親が地元の自動車メーカーで働いていたこともあり、同じようなキャリアを選択することが幸せにつながるという教育を受けていました。そのため自分も自動車メーカーに入るという目標の元、1年生の時から理系コースがある高校に入学しました。コース1期生で、どういう環境なのか分からない状況でしたが、新しい所へ飛び込むことは中学受験同様やはり抵抗はなく、逆にプラスに働くことが多かったです。

-その後大学へ進学されますが、大学受験はどのように意思決定されたのか教えてください!

これまでの意思決定と同じで、自動車メーカーへ入るために理系の高校に進学後、大学は地元の工学部に進もうと考えていました。地元ではなく東京の大学へ進学する友達もいましたが、自分は自動車関係の仕事をすることがよいと教育を受けてきたので、地元の工学部に進学する以外の選択肢を持っていませんでした。今考えると、もう少し他の選択肢に触れていれば良かったとなという思いはありますね。

これまで描いてきた目標に疑問を持ち、インターンを通して選択肢の幅を広げる

-理系の大学だと「学部で就職するか」「院に進学するか」分岐点があると思いますが、就活について当時はどのように考えていましたか?

これまでもお伝えした通り、院まで進学し専門性を高め自動車メーカーへ就職するというルートができていたため、学部で就活はせずに迷いなく院へ進学しました。研究は環境問題に関する研究をしており、自動車を通して環境問題を解決したいなと、ぼんやり考えていました。

-実際に就活されてみていかがでしたか?

実は就活する前に、自分がこれまで描いてきたルートは本当に正しいのかと迷う時期がありました。自動車業界しか知らなかったため、視野を広げる目的でこれまで学んできた領域以外の分野のインターンに参加してみました。そこで自分のやりたいことに向き合いながら様々な選択肢を模索する全国の優秀な学生に出会い、自分の視野の狭さと、本当にやりたいことに向き合うことの重要性に気付きました。

-最終的にはどのように就職先を決めたのか教えて下さい!

これまで両親の教育のもと歩んできたルートに沿って「地元の大手自動車メーカーでエンジニアになる」か、インターンで経験した自分が初めて強く興味を持った「営業やマーケティングなどのビジネスサイドの仕事」で非常に迷いました。

かなり葛藤はしましたが、最終的には興味を持っていた領域よりも、自分がこれまで学んできたことを生かすことと、安定した大手企業で働くことを優先し、地元の自動車メーカーへ就職し最初のキャリアをスタートしました。

入社後に見つめ直した自分の価値観

-実際に入社した後はギャップなどありましたか?

ギャップは大きかったですね。仕事を選ぶ軸として、給与や安定、社会的な評価などを重視しており、これらの要素があれば仕事や会社に対して満足できるのでは?と考えていました。しかし、実際に入社してみるとそうではなく、仕事に対するやりがいや意義を見出だせずモヤモヤしていました。

また、周りの人は仕事をしている中で楽しさを感じられておらず、生活のために我慢して働いていたことに違和感を感じていました。インターンを通して仕事に前向きに取り組んでいたり、楽しくやりがいを持って働いている人達をたくさん見てきたので、働く姿勢に対してかなりギャップを感じましたね。同時に、会社の給料や社会的な見え方が満たされていたとしても、仕事に対する満足感に繋がらないと気づけたのは、大きなポイントでした。

-自分がどういう仕事に関わっていくのか、迷いながら仕事をされていたんですね。そこから転職を検討されるかと思いますが、きっかけを教えてください。

長期的なキャリアを考えた時に、本当にやりたい仕事、やりがいが持てる仕事を探さないと、自分が生き生き働けないなと思ったことが転職を検討するきっかけです。その上でやりたい仕事を見つけるために、会社の制度を利用して海外大学のMBAを受験するために勉強してみたり、プログラミングスクールなどに通ってみたりしましたが、どれもあくまで仕事をする上での手段に過ぎず、やりたいことがなかなか見つからずモヤモヤした時期を半年ほど過ごしました。

悩んだ結果、仕事の手段で選択するのではなく、自分が解決したいと思う課題の解決につながる仕事であればやりがいを感じられるのではないかと考えました。そして「仕事にやりがいを感じれていない」「没頭しながら楽しく働けていない」という課題を解決できる仕事であれば、結果的に自分のやりがいに繋がるのではないかと思いました。

いろいろ転職活動をしていく中で今の会社ウォンテッドリーに出会い、会社が掲げている「シゴトでココロオドルひとをふやす」というビジョンが自分の課題を解決する手段としてバッチリはまっていると感じて、転職を決意しました。

-「やりがいを持って働ける仕事」「生き生き働ける仕事」は課題として見据えていたんですね。

そうですね。自分もやりがいを持って働きたいと思うと同時に、やりがいを持って働く人が増えれば、社会全体がもっと変わっていくと感じていました。だからこそ、自分が解決したいことと、会社が解決しようとしていることが一致しているかどうかは、仕事を選ぶ際の軸になっていましたね。

エンジニアから営業へ、未経験の職種へのキャリアチェンジ

-転職後、エンジニアから営業へキャリアチェンジされましたが、職種を変えることは大変でしたか?

大変ではありましたが、違和感なくシフトすることができたと感じています。理由としては、今の会社のサービスは心から良いと思いますし、自分の感じている課題を解決してくれるツールだと認識していたので、このサービスを広げることが自分のやりがいに繋がると分かっていたからです。

転職を通して、給料や社会的な見た目などの要素ももちろん大事ですが、前提として仕事は人生の多くの時間を費やすので、その目的がきちんと自分の中で腹落ちしているか、共感できているかが大事だということに気づけました。このことは、今後自分のキャリアを選んでいく中でも、よい気づきだったなと思います。

-やることは違えど、営業は自分に合っていると感じたんですね!

そうですね!これまでは、理系へ進学し研究職に就くと決め打ちで進んできましたが、自分のやってきたことに囚われすぎず、興味のあることに向き合い、思い切って挑戦してみることが重要であるということに気づくことができました。

自分が知らないからこそ選択肢を狭めていて、今ある選択肢が一番最適だと思い込んでしまうのは怖いことだと思います。どんなことでも結局やってみないと分からないと思うので、やっていく中で徐々に「自分のやりたいこと」や「仕事を選ぶ軸」が定まってくると思います。

-営業から新規事業開発に携わりますが、自分からサービスを創る仕事は、やってみてどうしたか?

何もない状態から創っていかないといけないので、かなり大変ではありますね。ただ、自分の必要だと思うサービスを0から創っていける仕事はやはりワクワクするなと感じました。また、自分が創ったサービスがユーザーに喜んでもらえた時に、自分のやったことが直接誰かの価値になっていることを実感しやすいポジションだと思います。

-今後挑戦したいこと、やっていきたいことはありますか?

事業を立ち上げて大きくしていく仕事は、これまでの仕事の中でも一番面白いと実感しているので、より多くの人に価値を届けられるようなサービス創りをしていきたいですね。

最終的には、自分のやりたいことと、給与などの条件面をちゃんと両立できるようにしたいなと思っています。前職の環境ではどちらかというと会社の規模や条件面が優先されやすく、やりたい仕事に向き合えていないことが多かったため、どちらも両立できることを発信できればと思っています。

-今の仕事にやりがいを感じれないと思う人達に、アドバイスをお願いします!

社会人を4年やってきましたが、ありがたいことに様々な職種を経験することができました。そのおかげで、自分がどういうことに興味があるのか、どんな軸を優先していけば良いのかが分かってきました。そういった部分は1つの職種や会社だけではなかなか見えてきにくいので、違和感を感じることがあれば臆せず違う環境に挑戦することが重要だと思います。

それにより自分の価値観や、やりたいことが分かってくると思います。いろいろな職種や業界にチャレンジすることはマイナスなことではなく、ちゃんと一つ一つ全力で打ち込んでいけば、それが自分のキャリアの独自性になっていくと思います。

なので、20代はやりたいことを追求しながら迷わず色んなことにチャレンジして、30代以降に自分の興味のある領域を定めてそこで独自性を磨いていくことができれば、その人にとっての幸せなキャリアになるのではないかと思っています。

-本日はありがとうございました。これからも応援しています!

取材者:高尾 有沙(Facebook/Twitter/note
執筆者:藤川 結貴(Facebook/note
デザイナー:高橋りえ(Twitter